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絵本には実際に存在する町や風景を舞台にしたものも数多く存在します。こうした作品は、作家自身の生まれ故郷であったり、あるいは長く暮らした場所であることが多く、だからこそ描かれた世界に説得力があります。その説得力が子どもをお話の世界へと引き込み、いつのまにか作品が原風景として心に留まるのでしょう。長く愛される名作には、確かな理由があるのです。

大人になって絵本の舞台になった風景を前にすると、懐かしい思いや不思議な気分と一緒に、物語の記憶が一気に蘇ることもあるかもしれません。はじめてみる風景なのに、はじめてではない風景です。その瞬間に、絵本の持つ力のすごさを改めて体感することになると思います。

 


『11ぴきのねこ』

文・絵/馬場 のぼる

11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていきます。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにしますが……。あっと驚くどんでん返しが大人気。

舞台/青森県三戸町

 


『しゅっぱつしんこう!』

文・絵/山本 忠敬

大きな駅から特急列車に乗り、山の麓の駅で急行列車に、そして普通列車に乗りかえて山間の小さな駅に着くまでを、目に映るままに克明に描いた乗物の絵本。

舞台/岩手県宮古市「岩泉線」

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『あかまんまとうげ』

作/岩崎 京子
絵/いわさき ちひろ

お母さんが赤ちゃんを産むため入院するあいだ、かっこちゃんはお山のおばあちゃんのところへ行くことに……。そこはお母さんが小さい頃過ごしたところでした。

舞台/長野県上水内郡信濃町黒姫高原

 


『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』

文・絵/いわむら かずお

山奥の夜行列車に動物たちが乗りこんできました。そして口ぐちに人間の身勝手は許せないといいます。自然の大切さを語るファンタジー絵本。

舞台/栃木県益子町「真岡線」

 


『出発進行! 里山トロッコ列車』

文・絵/かこ さとし

蒸気機関車がガラス窓のない吹き抜けのトロッコ列車を引っぱります。沿線には見所がいっぱい。里山の自然を肌で感じることができ、さらに歴史、地理にまつわる話を交えながら、ローカル線の旅を案内します。

舞台/千葉県市原市「小湊鐵道」

 


『はじめてのおつかい』

文/筒井 頼子
絵/林 明子

みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。

舞台/東京都目黒区自由が丘

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『おさかないちば』

文・絵/加藤 休ミ

お寿司屋さんで、お父さんが注文したタイラギという貝のことが気になった「ぼく」は、お寿司屋さんの大将に魚市場に連れていってもらえることになりました。朝、まだ暗いうちから早起きして着いた市場はいったいどんなところなのでしょうか。

舞台/東京都中央区築地市場

 


『とん ことり』

文/筒井 頼子
絵/林 明子

山の見える町に引っ越してきたばかりのかなえ。お父さん、お母さんと荷物の整理をしていると、「とんことり」。玄関の方で小さな小さな音がしました。かなえが玄関に行ってみると、そこにはすみれの花束が落ちています。次の日は、たんぽぽが3本、その次の日は、手紙が郵便受けに入っています。だれからでしょう?ふしぎな「郵便物」をめぐって、新しいお友だちとの出会いを描いた絵本です。

舞台/静岡県伊豆市

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『狐』

文/新美 南吉
絵/長野 ヒデ子

キツネツキの迷信におびえる子どもの姿の内面の動揺を追いながら、母子の強く熱い愛と信頼を感動的に描きます。新美南吉最晩年の傑作。

舞台/愛知県半田市

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『旅の絵本 Ⅷ』

絵/安野 光雅

繊細な筆使いで、世界各地を舞台に旅の楽しさを描いてきた絵ばかりの絵本、『旅の絵本』。八巻目となる今回の旅の舞台は、待望の日本です。お花見や田植え、お祭りに紅葉と、季節の移り変わりとともに、電気が普及する前のなつかしい日本の風景が描かれています。

舞台/富山県南砺市

 


『こんとあき』

文・絵/林 明子

こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、何度も大変なめにあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか? 互いがかけがえのない存在であるこんとあきの冒険の物語。

舞台/鳥取市福部町「鳥取砂丘」

 


『めっきらもっきらどおんどん』

文/長谷川 摂子
絵/降矢 なな

かんたがお宮にある大きな木の根っこの穴から落ちて訪れた国は、何ともへんてこな世界でした。そこの住人“もんもんびゃっこ”“しっかかもっかか”“おたからまんちん”とかんたは仲良しになり、時のたつのを忘れて遊び回ります。けれどもすでに夜。遊び疲れてねむった3人のそばで、心細くなったかんたが「おかあさん」と叫ぶと……躍動することばと絵が子どもたちを存分に楽しませてくれるファンタジーの絵本です。

舞台/島根県平田市「宇美神社」

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『だいちゃんとうみ』

文・絵/太田 大八

だいちゃんは夏休みを海辺の村で過ごします。川えびすくい、釣り、浜辺の食事、水遊びと、暗くなるまで遊んでいると、「晩ごはんのでけたよう。はよ、おいで」と、お母さんの声がします。

舞台/長崎県大村湾

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しりとり遊びは良いことだらけ

 

小学生の姪っ子は、今でも退屈になると「しりとり」遊びをしようと誘ってきます。
普段は遠距離なので、「LINE」でしりとりすることもあるくらい好きな遊びのひとつです。使える言葉が増えてくると、楽しいですよね。

よくよく考えてみると、しりとりは日本語に適したゲームです。「りんご→ゴリラ→ラッパ」と、言葉と声に出した音が一致するからこそ、「ご、ご、ごからはじまる言葉ってなんだっけ……」と考えることができます。

英語の場合だと、「apple」の語尾の発音は「る」なのに、「E」ではじまる言葉を探さなければいけません。これだと難しくてゲームになりません。

大人が子どもに読んであげることが大前提の絵本と同じで、しりとりも必ず2人以上必要、ひとりじゃできない遊びというのも良いなと思います。遊びであって、コミュニケーションでもある。子どもは言葉の幅を広げるアタマの体操になるし、親にとっては道具がいらないというのもありがたいところです。

とはいえ、だんだん慣れてくるとエンドレスになりがちなので、そんなときは絵本を参考に「終わりかた」を知っておくと役に立つかもしれません。

 


『どうぶつしりとりえほん』

作/薮内 正幸
定価/880円(税込)
対象/赤ちゃんから
岩崎書店
2010年10月5日発行

らっこ→こあら→らくだ……と、美しい絵とともにしりとりをします。赤ちゃんからの読み聞かせに最適です。最後はびっくりの動物が?

 


『おしり しりしり』

作/長野 ヒデ子
絵/長谷川 義史
定価/1430円(税込)
対象/2歳から
佼成出版社
2007年8月1日発行

「おしり しりしり しりとりすきで おしり しりしり しりとりあそび♪」。「おしり」で始まったしりとりは、どこへ行き着くのでしょう……? 親子で踊り出しちゃうほど、楽しい絵本です。

 


『ままです すきです すてきです』

文/谷川 俊太郎
絵/タイガー立石
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1992年2月15日発行

不思議で奇妙なしりとり遊びの絵本。「たぬききつねねこ……」に始まって、ページを繰るごとに思いがけない展開で言葉と言葉が結びつき、とてもおかしな空想の世界へ読者を誘います。

 


『ぶたたぬききつねねこ』

作/馬場 のぼる
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
こぐま社
1978年発行

子どもの大好きなしりとり遊びの絵本。朝「おひさま」が「まど」と「どあ」を照らすと、家の中から「あほうどり」が出てきて……。しりとりのことばだけなのに、絵を追ってゆくと愉快なお話が見えてきます。

 


『うんこしりとり』

作・絵/tupera tupera
定価/968円(税込)
対象/3歳から
白泉社
2013年10月発行

こいきな「うんこ」と「しりとり」が奇跡の出会い。こきみよいしりとりで、ことばもどんどん覚える! こどもにはこそばゆいうんこ問題も、ここちよくてこころはずむ「うんこタイム」に変身?!

 


『ぐりとぐらのしりとりうた』

作/なかがわ りえこ
絵/やまわき ゆりこ
定価/660円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2009年9月10日発行

「一月はおしょうがつつるとかめめでたいいずみのみずをのむ……」「十二月はしわすすみずみのすすすすはらい……」。軽快なリズムにのって、一月から十二月までの季節感たっぷりに、しりとりが次々に登場します。個性的で愛らしい動物たちに、子どもたちに大人気のぐりとぐらが加わって、楽しさ満点。絵と言葉のみごとなハーモニーをお楽しみください。

 


『しりとりのだいすきなおうさま』

作/中村 翔子
絵/はた こうしろう
定価/1430円(税込)
対象/3歳から
すずき出版
2001年6月発行

なんでもしりとりの順に並んでいないと気がすまない王様、料理の順番も、もちろんしりとり。そして最後は好物プリンと決まっています。間違ってラーメンなんかで食事が終わろうものなら、王様はかんかんです。悪戦苦闘する家来たちは、そんな王様をこらしめてやろうと、ある作戦を考えました。

 


『しりとりあそびえほん』

文/石津 ちひろ
絵/荒井 良二
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
のら書店
2002年発行

おおきくなるしりとり、ちいさくなるしりとり、色のしりとりなどの、楽しいしりとりがいっぱい! 鮮やかな色彩の絵も魅力的な絵本です。

 


『しりとり』

作・絵/安野 光雅
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
2021年2月5日発行

あさひ、ひしもち、ちからこぶ……ページをめくって絵をたどり、しりとりで遊びましょう。おしりが「ん」になったらおしまいです。あれ、最後のページまで読んでも「ん」にならない? そんなひとは、最初のページに戻ると続きが始まりますよ。何度もくりかえし遊べて、美しい絵が目にも楽しい、安野光雅流のしりとり絵本です。

 


『しりとりしましょ! たべものあいうえお』

作/さいとう しのぶ
定価/1980円(税込)
対象/幼児から
リーブル
2005年11月発行

しりとりしましょ! はじめは「あ」ではじまる楽しい「たべものしりとりあいうえお」。「あ」から「ぽ」まで67音ではじめられます。「ん」がつくたべものを出したら「しりとり番犬」がきます。

 


『てっちゃんの しりとりライオン』

作/もとした いづみ
絵/日隈 みさき
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
PHP研究所
2007年8月1日発行

てっちゃんは、お母さんに玄関の前の掃除をたのまれました。玄関の前から、門の前、門の外へと落ち葉掃きをしていると……小さなかわいいライオンに出会いました。ライオンが、てっちゃんの持っている物をみて、「それなあに?」と聞くので、「ちりとりと ほうき」と教えてあげました。すると、「ちりとり」を「しりとり」と聞き間違えたライオンは、そのまましりとりを始めてしまったのです。

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どうして春が来るとうれしいの?

 

春を描いた絵本で、僕がまっさきに思い浮かんだのが『はなをくんくん』です。
冬のモノクロームな世界から駆け出した動物たちが、真っ白な雪のなかに、鮮やかな黄色い花を見つける場面は、まさに春の訪れのよろこびを一緒に体感できるすばらしい絵本です。

どうして春が来るとうれしい気持ちになるのか、その答えは絵本の中にいろいろ描かれています。
花が咲いていつもの景色が美しく変わるから。あたたかくなって外に出かけたくなるから。虫たちや動物たちも外に出てきて、世界がにぎやかになるから……。
春をテーマに描いた絵本は、外の気温と同じように心があたたかくなるものばかり。子どもたちの視線の先には、絵本にも描かれていないまた別の春のよろこびがあるかもしれません。

 


『いちご』

作/平山 和子
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1989年4月15日発行

畑で雪の下にうずもれながら寒い冬をこす、いちご。春あたたかくなると、つぼみをつけて小さな白い花をさかせました。花のあとには、青い小さな実がなりました。でも、この実はまだすっぱい。ほらほら、いちごの実が少しずつ赤くなってきましたよ。そして真っ赤に色づいたいちごは甘くてとってもおいしそう。いちごが成長し甘くなるまでの待ち遠しい気持ちがいちごの絵から伝わってくるようです。甘くなったいちごは、大事においしく「いただきます」。

 


『はなをくんくん』

文/ルース・クラウス
絵/マーク・シーモント
訳/きじま はじめ
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年3月20日発行

冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも……。でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。みんなはなをくんくんさせながら、雪の中をかけていきます。みんなとまって、笑って、踊りだしました。「ゆきのなかにおはながひとつさいてるぞ!」。やわらかいタッチの美しい絵と、詩のような文で、自然の摂理と喜びをやさしく子どもに語りかけます。

 


『はるにあえたよ』

作/原 京子
絵/はた こうしろう
定価/1430円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
2007年3月発行

マークとマータはふたごのこぐま。まだ外にでたことがありません。はじめての春にワクワク。春をさがしに外へとびだしますが……。

 


『ちょうちょ』

文/江國 香織
絵/松田 奈那子
定価/1540円(税込)
対象/3歳から
白泉社
2013年9月発行

ずば抜けた色彩センスが満場一致で評価された「第1回MOE絵本グランプリ」受賞作品です。

 


『ぐりとぐらのおおそうじ』

作/なかがわ りえこ
絵/やまわき ゆりこ
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2002年2月1日発行

雪に閉ざされた長い冬が終わった春の朝、ぐりとぐらが、窓を大きく開けて朝ごはんを食べていると、なんと家中ほこりだらけ! 「今日の仕事は、大掃除」と2ひきは張り切りますが、ほうきもはたきも雑巾も、すり切れて使いものになりません。そこで、ぐりとぐらは、ぼろ布を体中に巻きつけて、自分たちがほうきや雑巾になることにします。大掃除もぐりとぐらにかかると、こんなにダイナミックに楽しくなります!

 


『わたしとあそんで』

文・絵/マリー・ホール・エッツ
訳/よだ じゅんいち
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1968年8月1日発行

原っぱにやってきた女の子が、ばったや、かえるや、うさぎやしかと遊ぼうと、みんなをつかまえようとします。でも、つかまえようとするとみんな逃げていってしまいます。誰も遊んでくれないので、女の子はしかたなく池のそばにこしかけて、水すましを眺めてじっとしていました。すると、逃げていったみんなが女の子のそばにもどってきてくれました。しかは女の子を頬をぺろりとなめてくれました。女の子はとってもうれしそう、みんなもとっても楽しそう。

 


『14ひきのぴくにっく』

作/いわむら かずお
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
童心社
1986年11月15日発行

「きょうは なんて いい てんき。みんなで、はるの のはらへ でかけよう」。お弁当と水筒をもって出発です。森にはあちこちに新しい春の命が。ゼンマイが芽を出し、目を覚ましたアマガエルたちの鳴く声がきこえてきます。すみれ、やまぶき、ちごゆり、ふでりんどう……花々が咲き、春の訪れを告げています。14ひきたちは森をぬけ、つくしの道をあるいて小川をわたり、たんぽぽ野原へ……。

 


『サラダとまほうのおみせ』

作/カズコ・G・ストーン
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1997年8月15日発行

大きなヤナギの木の下にある“やなぎむら”には、バッタとカタツムリとクモ、それにアリの家族が住んでいました。ある日この村にイモムシのモナックさんが引っ越してきて、サラダのお店を開きました。おいしくて、村のみんなに大評判です。ところがある朝からそのお店は「お休み」になってしまいました……。

 


『たんぽぽ』

文・絵/平山 和子
監修/北村 四郎
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1976年4月1日発行

身近な植物、タンポポの生態のふしぎさ、そのたくましさなどを、長年にわたる観察と写生をもとに見事に描きます。実物大に描かれた80センチをこえるタンポポの根は圧巻!

 


『つくし』

作/甲斐 信枝
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1997年2月15日発行

春の野原に、いっせいに頭をだすつくし。その1年間のくらしをみずみずしく描きました。植物の不思議な世界にご招待します。「つくしだれのこ、すぎなのこ」ってほんとうかな?

 


『たんぽぽ』

文・絵/甲斐 信枝
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
金の星社
1984年2月発行

道ばたの花・たんぽぽは、つぼみから花ひらいたあと、綿毛となって空へ舞いあがり、見知らぬ土地に根をおろします。ドラマチックな一生をたどるたんぽぽのすがたを、精緻なタッチで描いた絵本。

 


『たんぽぽ』

文・絵/荒井 真紀
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
金の星社
2015年3月発行

春になると、たんぽぽは茎を高くのばして、あざやかな黄色い花をさかせます。花がかれると、たくさんの綿毛になって、白いボールのような姿になります。ふしぎにみちたたんぽぽの一生を、美しい細密画で描いた絵本。

 


『おねぼうさんはだあれ?』

文/片山 令子
絵/あずみ虫
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
学研プラス
2021年2月18日発行

「おきておきて、もうはるよ」。うさぎのミミナちゃんが、冬ごもりから起きてこない友だちを起こしに出かけます。でも誰もなかなか目を覚ましません。そこでミミナちゃんは、いいにおいの花束を枕元においていきますが……。春の訪れを温かい筆致で描いた絵本。

 


『じっちょりんのあるくみち』

作・絵/かとう あじゅ
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
文溪堂
2011年5月発行

ちいさないきものじっちょりんは、人間の気付かないところで、せっせと野の花の種を植えて歩きます。アスファルトの隙間や、電信柱の根本や……。雑草と呼ばれるような小さなきれいな花たちを愛でる気持ちが芽生えるあたたかな絵本です。

 


『わたしのおうち』

作/神沢 利子
絵/山脇 百合子
定価/1320円(税込)
対象/小学低学年から
あかね書房
1982年3月発行

春の野原を背景に、幼い姉と弟の心のふれあいと幼児の空想の世界を、素朴であたたかみあふれる文と絵で描いた絵本です。

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言葉と世界がつながると子どもの世界が変わる

 

子どもがひらがなに興味を持つようになってくると、「あいうえお」の文字に触れるところからはじまると思います。

言葉を習得して長い時間が経っている大人には普段なかなか意識しづらいことですが、この世界は言葉でできています。あらゆるものに名前がついていて、文字とリンクしています。自分の気持ちを伝えるにも、今聞こえているその音も、やはり文字がなければ表現することができません。

つまり、子どもはどこにいても言葉に触れられるということです。だから、つまらないお勉強で言葉を無理やり習得させる必要はなくて、時期がきたら必要に応じて自然と覚えていくものです。

「あいうえお」からはじまって、やがて世界と言葉がつながった瞬間に、子どもがそれまで見ていた世界がまるで違うものに変わります。そこからは水を得た魚のように言葉の数を増やしていくことが楽しくて仕方ないはずです。そんな世界のトビラを開けるきっかけに、絵本があればうれしいです。

 


『かっきくけっこ』

作/谷川 俊太郎
絵/堀内 誠一
定価/1100円(税込)
対象/赤ちゃんから
くもん出版
2009年6月発行

あいうえおを絵にしたらどうなるの? 声に出して、体で感じる、あいうえお絵本。詩人・谷川俊太郎とデザイナー・堀内誠一が、1972年に幼児と言葉の関わりを真摯にとらえて作った絵本です。シンプルで選びぬかれた文章を、親子で声に出して読んでみてください。いきいきとした絵とともに、イマジネーションがどんどんふくらみます。

 


『あいうえおうた』

文/谷川 俊太郎
絵/降矢 なな
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1999年2月10日発行

「あいうえおきろ おえういあさだ おおきなあくび あいうえお」で始まるリズミカルな詩の絵本。50音を巧みに織り込んだ詩とイメージ豊かなエッチングの絵が楽しい。

 


『あいうえおみせ』

作/安野 光雅
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2012年1月15日発行

あめや、いしやきいもや、うんそうや……。あいうえお順と、いろは順で、たくさんのお店が並んでいます。今の子どもたちになじみのあるお店やさんから、「え、これお店?」「こんなお店ないよー」というものまで、絵の隅々まで楽しめること、間違いなし。絵本の最後には、「ここに並んでいるものは、どこのお店にあるでしょう?」なんて、遊びのページまでついています。

 


『あいうえおえほん』

作・絵/とだ こうしろう
定価/1980円(税込)
対象/3歳から
戸田デザイン
1982年3月発行

子供たちが、絵、そして平仮名と初めて出会うときの絵本。身近にある道具や動物、虫、やさい、くだもの、からだ、乗り物。それらのカタチの美しさを表現するため、シンプルに研ぎ澄まされた輪郭線。配色の美しさを追求した色彩。そして、平仮名という文字そのもののデザインが持つ美しさを教えてくれます。

 


『ぐりとぐらのあいうえお』

作/なかがわ りえこ
絵/やまわき ゆりこ
定価/660円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2002年2月1日発行

「あさいもほりうでまくりえんやらやっとおおきなおいも」「なんとまあにんじんぬいたらねっこのひげがのびほうだい」……こんなふうに、「あいうえお」から「ん」まで、5音を文頭においた楽しい言葉遊びの絵本ができました。リズミカルで、選び抜かれた言葉と、ぐりとぐらをはじめ、おなじみの森の動物たちが登場する、文句なしに楽しく愛らしい「あいうえお」の絵本です。

 


『あいうえあそびえほん』

文/石津 ちひろ
絵/荒井 良二
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
のら書店
2011年9月発行

「あいうえ おおかみ もりのなか」「かきくけ こうもり ねむるあさ」……。リズミカルでゆかいなことばあそび絵本。ユーモアいっぱいの絵で、ことばさがしあそびができます。

 


『あいうえお』

作/五味 太郎
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
絵本館
1992年11月発行

この“あいうえお”はとにかく楽しいのでお父さんお母さんよりも子どもの方が先に覚えてしまう事うけあいです。

 


『ノラネコぐんだん あいうえお』

作/工藤 ノリコ
定価/1210円(税込)
対象/幼児から
白泉社
2017年4月発行

緻密に描かれたにぎやかな絵を指さしながら、たくさんの言葉が覚えられます。「つまみぐい」「ほっかむり」などユニークな言葉も満載。ひらがな&カタカナ表付き。

 


『あいうえおうさま』

作/寺村 輝夫
絵/和歌山 静子
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
理論社
1979年1月発行

あいうえおうさま,あさの あいさつ。あくびを あんぐり,ああおはよう。ちいさいひとたちへ,もじとことばのゆかいなえほん。第3回「絵本にっぽん賞」受賞作品。

 


『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』

原案/みね よう
作/さいとう しのぶ 
定価/1980円(税込)
対象/幼児から
リーブル
2001年3月発行

うたって、あそべて、たのしめる、愉快な「たべものあいうえお」。「あ」から「ん」まで、濁音、半濁音も含めて69音すべてが登場。名前の頭文字で「ことばあそび」もできます。

 


『あいうえおのえほん』

文/よこた きよし
絵/いもと ようこ
定価/1870円(税込)
対象/幼児から
金の星社
2004年4月発行

「ありがとう」の「あ」から「ごめんなさい」の「ん」まで、心のこもったことばの世界が広がります。ひらがなを覚えるときに大切な筆順も、お子さんと一緒に指先でなぞってみてください。お母さん、お父さん方が「先生」です。

 


『あいうえおの本』

作/安野 光雅
定価/1650円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1976年2月20日発行

「あ」はあんぱん、「い」はいえ……、左ページにはひらがなが、そして右ページにはその文字で始まるものの絵が、1見開きごとに描かれます。木で組み立てられ、木目まで美しく描かれたひらがなの文字と、どこかなつかしい日本の伝統的な形の絵がみごとに結びつきます。さらに、ページのまわりには文字に関連した飾りも描かれ、その中にも絵が隠れています。字を覚えるためではなく、ことばの美しさを感じることのできる1冊です。

 


『あいうえおのえほん』

文/内田 麟太郎
絵/西村 繁男
定価/1430円(税込)
対象/4、5歳から
童心社
2012年10月4日発行

「あまがえる あめより あめの あまやどり」「しかめっつらの しかいに ししも したむく」。あいうえおの順に現れる奇想天外なシーンの数々。けれど絵を見れば思わず納得。リズミカルな言葉遊びに導かれて、しまいには声を出して笑ってしまいます。言葉の入り口に立った子どもたちがくり返し楽しめる1冊。

 


『あいうえおおきなだいふくだ』

作・絵/たるいし まこ
定価/1320円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
2011年2月10日発行

「あんこがいっぱいおおきなだいふく、いきなりどーんともりのなか……」。「あ」から始まって「ん」まで、50音順につづく文章でつづったのは、だいふくと、うさぎをめぐる珍騒動。突如あらわれた大きなだいふくと、それを手に入れたい動物たちが、ナンセンスなどたばたを繰り広げます。ことばの広がりを楽しみながらあじわえる、この愉快な「あいうえお歌」は、ひらがなをおぼえはじめた子どもたちにぴったりです。

 


『ひらがなだいぼうけん』

作/宮下 すずか
絵/みやざき ひろかず
定価/1320円(税込)
対象/小学低学年から
偕成社
2008年10月発行

本のなかの文字たちが、夜の間どうしているかしっていますか? 本から飛び出した文字たちの冒険を、笑いながら楽しめる物語です。

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目次

  1. 食べ物を大切にする心が育まれる絵本
  2. 食べることに興味を持ち楽しみになる絵本
  3. 好き嫌いしないように考えるきっかけになる絵本
  4. 行儀よく食事することを教えてくれる絵本
  5. 食事とからだの健康の関係がわかる絵本

 


◎食事とからだの健康の関係がわかる絵本

 

『みんなうんち』

作/五味 太郎
定価/990円(税込)
対象/4歳から
童心社
1981年2月2日発行

子どもにとって興味のある、そして大事な「うんち」をユーモアいっぱいの絵本にしました。「いきものはたべるから、みんなうんちをするんだね」というお話。

 


『たべもののたび』

作/かこ さとし
定価/1430円(税込)
対象/4、5歳から
童心社
1976年10月1日発行

黄色い栄養のカバンを持って旅に出た食べ物たちが、ももいろのトンネルをとおって、いぶくろこうえんを通り、しょうちょうのジェットコースターに乗ってすすみます。たべものが口から入って身体の中で消化され、栄養となって、排泄されるまでのプロセスを、「たべもののたび」として、わかりやすく楽しく描いたロングセラー絵本。絵本を通じて、正しい知識と、食べることの大切さを子どもたちに伝えます。

 


『たべものたべたら』

文/中川 ひろたか
絵/藤本 ともひこ
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
保育社
2013年7月発行

昨日たべたとうもろこしが、うんこに出てきた。どうしてだろう? 「ぼく」といっしょに、おなかのなかを旅しながら、「たべもの」と「うんこ」の間をつなぐ「消化のしくみ」を楽しく学べる絵本。

 


『うんぴ・うんにょ・うんち・うんご』

文/村上 八千世
絵/せべ まさゆき
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
ほるぷ出版
2000年10月1日発行

うんこは、はずかしいものではなく、生きていくうえで自然で大切なこと。だから、いっしょにうんこを考えてみよう。楽しいネーミングをしたりアイディアいっぱいで、気持ちよくトイレにいけるようになる絵本。

 


『たべることはつながること』

作/パトリシア・ローバー
絵/ホリー・ケラー
訳/くらた たかし、ほそや あおい
定価/1430円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
2009年5月30日発行

自然界の生き物は、食べたり食べられたりして互いに密接につながっています。このつながりを食物連鎖といいます。この絵本では、食物連鎖について、自分たちが食事をすることを通して、地球上のいろいろな生き物とつながっているということをやさしい文と絵で描いています。読者のみなさんも、自分の食べたものがどんな生き物とつながるかを、実際に絵にして考えてみましょう。

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目次

  1. 食べ物を大切にする心が育まれる絵本
  2. 食べることに興味を持ち楽しみになる絵本
  3. 好き嫌いしないように考えるきっかけになる絵本
  4. 行儀よく食事することを教えてくれる絵本
  5. 食事とからだの健康の関係がわかる絵本

 


◎行儀よく食べることを教えてくれる絵本

 

『いただきますあそび』

作/きむら ゆういち
定価/748円(税込)
対象/0歳から
偕成社
1988年12月発行

ぽかぽかミルクあったかそう。ねこのミケがカップをもっている手の仕掛けをめくると、「いただきまーす」とミルクをごくり。こいぬのコロも大きなお口で「いただきまーす」とサンドイッチをぱくり。ことりのピイちゃんも元気な声で「いただきまーす」。ゆうちゃんも、ママも、かいじゅうさんも「いただきまーす」。あーおいしかった。ごちそうさま。

 


『スプーンちゃん』

作/小西 英子
定価/880円(税込)
対象/0歳から
福音館書店
2018年1月15日発行

「スプーンちゃん プリン たべるの プリリンリン」「メロン たべよう ララランロン」「いちごと ミルクを ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ」……リズミカルな言葉と共にスプーンちゃんが登場します。グリーンピースをころころこぼしたり、オムライスの場面ではケチャップと戯れたり、スプーンちゃんの茶目っ気ぶりに親近感がわきます。黄色、緑、赤と彩り豊かな食べ物は、子どもたちが大好きなものばかり。思わず手がのびてしまう、おいしそうな食べ物絵本。

 


『いただきます』

作/いもと ようこ
定価/858円(税込)
対象/赤ちゃんから
講談社
2018年8月12日発行

「いただきます」はたべものや作ってくれた方への感謝をこめたたいせつなことば。つたえたいあいさつことばは、絵本をよみながらおぼえていきましょう。

 


『いただきまあす』

文/わたなべ しげお
絵/おおとも やすお
定価/990円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1980年6月1日発行

これはお行儀の本ではありません。いざ食事をはじめようとするくまくん=幼児の悪戦苦闘ぶりをあるがままに、しかしあたたかくユーモラスに語った楽しい絵本です。

 


『テーブルマナーの絵本』

作/高野 紀子
定価/1760円(税込)
対象/小学低学年から
講談社
2011年11月発行

知っておきたい和・洋・中のテーブル作法を、イラストをふんだんに盛り込んでわかりやすく紹介する、小学生のためのテーブルマナー本。

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目次

  1. 食べ物を大切にする心が育まれる絵本
  2. 食べることに興味を持ち楽しみになる絵本
  3. 好き嫌いしないように考えるきっかけになる絵本
  4. 行儀よく食事することを教えてくれる絵本
  5. 食事とからだの健康の関係がわかる絵本

 


◎好き嫌いしないように考えるきっかけになる絵本

 

『にんじん』

作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1969年11月10日発行

「にんじんの すきなこ だあれ」というよびかけに、「うまさんは にんじんが すき だいすき ああ おいしい」とうまがこたえます。きりんさんも、おさるさんも、ぶたさんも、にんじんを美味しそうに食べます。小さいにんじんはねずみさん、大きいにんじんはぞうさんがいただきます。では、にんじんが一番すきなのはだあれ? 貼り絵を使った独特の温かみのある技法で描かれた、赤ちゃんの絵本です。

 


『おやおや、おやさい』

文/石津 ちひろ
絵/山村 浩二
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
2010年6月10日発行

今日は野菜たちのマラソン大会。野菜たちが、スタジアムや外の川べりを走る様をユーモラスに描きます。マラソンといえば、ドラマがつきもの。この作品でも、思わぬハプニングが起こり、小さなドラマが展開されていきます。「そらまめそろってマラソンさ」「かぼちゃのぼっちゃんかわにぼちゃん」など、韻を踏んだような言葉遊びがとても楽しい。愉快な野菜たちの絵がついて、子どもたちは文句なしに大喜びすることでしょう。

 


『ぜったいたべないからね』

作/ローレン・チャイルド
訳/木坂 涼
定価/1540円(税込)
対象/3歳から
フレーベル館
2016年11月発行

チャーリーのいもうとローラには、きらいなたべものがたくさん! とくにトマトは「ぜったい」いやなんですって。チャーリーは、なんとかしてローラにたべさせようとするのですが……?

 


『サラダでげんき』

作/角野 栄子
絵/長 新太
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2005年3月10日発行

りっちゃんはお母さんが病気になってしまったので、なにかいいことをしてあげたいと考えます。そこで、美味しいサラダを作ることにしました。きゅうり、きゃべつ、とまと、をお皿に乗せたところで、ねこ、いぬ、すずめ、あり、うまが次々とやってきて、サラダ作りのアドバイス。北極からは白熊の電報が届き、最後にはぞうが飛行機に乗って登場します。みんなが手伝ってくれたおかげで、美味しいサラダの出来上がり。りっちゃんのお母さんはそのサラダを食べてたちまち元気になりました。

 


『やさいのおしゃべり』

作/泉 なほ
絵/いもと ようこ
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
金の星社
2005年5月12日発行

「ぼく、すてられちゃうのかな……」。ある日、れいちゃんは冷蔵庫の中でくさりかけて悲しそうにしている野菜の声を聞いた。キュウリ嫌いのれいちゃんは……。

 


『たべるのだいすき! みんなげんき』

作/吉田 隆子
絵/せべ まさゆき
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
金の星社
1997年4月発行

食事が人間の元気をつくることを楽しく語りかけます。食べ物を4つの色のグループに分け、その種類や生まれるまでの様子を紹介。

 


『ちゃんとたべなさい』

文/ケス・グレイ
絵/ニック・シャラット
訳/よしがみ きょうた
定価/1430円(税込)
対象/5、6歳から
小峰書店
2002年5月15日発行

デイジーはおまめがだいきらい。ママはおまめを食べたら、よふかししてもいいし、おふろにはいらなくていいし、アイスを100個、ぞうやペンギン、ロケットだって買ってくれるって……!?

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目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1970年代に出版された名作絵本

 

1960年代に一気に開花した日本の創作絵本は、1970年代にかけて黄金期を迎えました。表現手法、描かれるテーマ、あるいは読者の幅についても広がりを見せ、ありとあらゆるアプローチが試されたことが分かります。
今でもおなじみのタイトルがたくさんあり、まさに現代絵本の礎が築かれたエネルギッシュな10年です。

 


『おふろでちゃぷちゃぷ』

文/松谷 みよ子
絵/いわさき ちひろ
定価/770円(税込)
対象/赤ちゃんから
童心社
1970年5月5日発行

おふろに入る楽しさをあかちゃんにやさしく伝えてくれる本作。画家いわさきちひろさんによって、おふろに入る男の子が愛らしくいきいきと描かれています。ごはんにおふろに寝かしつけにと、お父さんお母さんにとってあわただしい夜の時間に、笑顔がふえる1冊です。

 


『てぶくろをかいに』

文/新美 南吉
絵/若山 憲
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1970年10月発行

寒い冬がきました。山のきつねの母さんは、こぎつねを町までひとりでてぶくろを買いにいかせるのですが……。

 


『はけたよはけたよ』

文/かんざわ としこ
絵/にしまき かやこ
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1970年12月発行

たつくんはひとりでパンツをはけない。裸のまんまで外にとびだしたら、動物たちに見られ、おしりにしっぽがないぞと笑われます。

 


『ふしぎなえ』

絵/安野 光雅
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1971年3月1日発行

階段をあがると上の階へ、またあがると、あれあれ、もとの階にもどっています。迷路に入っていくと、いつのまにか天地がさかさまに。蛇口から流れ出した水は川となってまた水道に循環し、高架道路は地面と同じ高さに……。絵の中だけに存在する不思議な世界に、小人の案内で導かれます。世界的に人気を獲得した絵本作家・安野光雅のデビュー作です。

 


『しばてん』

作/田島 征三
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1971年4月発行

「しばてん」とは、カッパに似た化け物。その生まれ変わりといわれる太郎のたどる運命を、深いペーソス(哀愁)をたたえながら描きます。

 


『モチモチの木』

作/斉藤 隆介
絵/滝平 二郎
定価/1540円(税込)
対象/小学低学年から
岩崎書店
1971年11月20日発行発行

豆太は、夜中にひとりでおしっこにもいけない弱虫。でも、大好きなじさまのために……。真の勇気とは何かを問いかける感動の絵本です。

 


『おばけのバーバパパ』

文・絵/アネット・チゾン、タラス・テイラー
訳/山下 明生
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1972年6月発行

姿を自由に変形できるおばけのバーバパパは火事場で大活躍して、町の人気者になります。

 


『おおきなおおきなおいも』

原案/市村 久子
作・絵/赤羽 末吉
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年10月1日発行

楽しみにしていたいもほり遠足の日、雨が降って延期になってしまいました。残念がる子どもたちは大きな紙においもを描きはじめます。紙をつなげてつなげて、おいもの絵はどんどん大きくなります。大きなおいもは、ヘリコプターで幼稚園に運びます。プールに浮かべて船にしたり、かいじゅうにみたてて遊びます。たくさん遊んだあとは、天ぷら、焼きいも、大学いも、たくさん作っておいもパーティ! 大きなおいもをめぐる子どもたちの空想がつまった絵童話です。

 


『はたらくじどうしゃ 1』

作・絵/山本 忠敬
定価/660円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年10月1日発行

ブルドーザ、パワーショベル、ロードローラ……。簡単に構造まで図鑑的に描いた絵本。

 


『げんきなマドレーヌ』

作/ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳/瀬田 貞二
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年11月10日発行

パリの寄宿学校に12人の女の子が暮らしていました。いつも2列に並んで、パンを食べ、歯をみがき、ベッドに入ります。中でいちばんおちびさんで、いちばん元気なのがマドレーヌ。ネズミなんかこわくないし、動物園のトラもへいっちゃら。ところがある晩、マドレーヌがわーわー泣いています。いつもは冷静なミス・クラベルも大あわて。マドレーヌは盲腸炎で入院し手術することになったのです……。パリの香りいっぱいの絵本です。

 


『あーんあん』

作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1972年12月1日発行

保育園に行くのはいいけれど、お母さんが帰っちゃいやだとぼくが「あーん あーん」と泣きだすと、みんなそろって「あーん あーん」いっしょに泣きだしました。みんなの涙がたまってどんどん増えたら、「あらあら さかなに なっちゃった」。先生から知らされたお母さんが「ばけつとあみ もって ぼくを たすけて くれるでしょ」。初めて幼稚園や保育園に通う子どもたちの気持ちに寄り添うお話です。

 


『おしゃべりなたまごやき』

作/寺村 輝夫
絵/長 新太
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年12月10日発行

たまごやきが大好きな王さまがいました。ある日、王さまは散歩の途中で鶏小屋からにわとりを逃がしてしまいます。もちろんお城は大騒ぎ! にわとりを逃がした犯人さがしがはじまりますが、見つかるわけがありません。犯人が見つからないまま、晩ごはんの時間がやってきました。王さまが大好きな目玉焼きにナイフをいれると、目玉焼きの中からふしぎな声がきこえてきました。その声をきいて王さまはびっくり! さてさて、犯人は見つかるのでしょうか?

 


『しろくまちゃんのほっとけーき』

作/わかやま けん
定価/880円(税込)
対象/0歳から
こぐま社
1972年発行

しろくまちゃんがホットケーキを作ります。卵を割って、牛乳を入れて……。焼き上がったらこぐまちゃんを呼んで、二人で「おいしいね」。見開きいっぱいに描かれたホットケーキの焼ける場面は、子どもたちに大人気。

 


『からすのパンやさん』

作・絵/かこ さとし
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1973年9月発行

いずみがもりのからすのまちのパンやさんは、子どもたちの意見を参考にして、すてきな形のパンをどっさり焼きました。

 


『ウルスリのすず』

文/ゼリーナ・ヘンツ
絵/アロイス・カリジェ
訳/大塚 勇三
定価/2200円(税込)
対象/小学中学年から
岩波書店
1973年12月10日発行

アルプスの山おくに元気な男の子ウルスリが住んでいます。明日はすず行列のおまつり。村の男の子たちは、牛の首につけるすずを鳴らして冬をおいだし、春を迎えます。ウルスリはいちばん大きなすずを手に入れて、先頭に立ちたいとはりきります。

 


『ねずみくんのチョッキ』

作/なかえ よしを
絵/上野 紀子
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1974年8月発行

おかあさんがあんでくれた、かわいいチョッキ。“ちょっときせてよ”と動物のなかまたち。あらあら、チョッキがどんどんのびて……。

 


『ぞうのババール』

文・絵/ジャン・ド・ブリュノフ
訳/矢川 澄子
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
評論社
1974年10月20日発行

森で狩人におそわれ、にげだしたババール。どんどんにげて、とうとう人間の町までやってきました。はじめて見るものばかりで、ビックリの連続。ぞうのババールの、ゆかいな冒険と心温まる愛と友情の物語です。

 


『かいじゅうたちのいるところ』

文・絵/モーリス・センダック
訳/じんぐう てるお
定価/1650円(税込)
対象/幼児から
冨山房
1975年12月5日発行

いたずらっこのマックスは、怒ったお母さんに夕飯抜きで寝室にほうり込まれました。そのうち辺りは森になり、ボートに乗って着いたところには、かいじゅうたちが。かいじゅうたちの王さまになったマックスは、みんなと一緒に踊ります。かいじゅうたちを眠らせたあと、さびしくなったマックスは王さまをやめることに。「行かないで」と言うかいじゅうたちを振り切って帰ったところは……。

 


『くまのコールテンくん』

作/ドン・フリーマン
訳/まつおか きょうこ
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1975年5月発行

デパートのおもちゃ売場のくまの人形を一目で好きになり、自分の貯金をはたいて買いに行きます。女の子と人形との心のふれあいを描いた絵本。

 


『はらぺこあおむし』

作/エリック・カール
訳/もり ひさし
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1976年5月発行

小さなあおむしは、もりもりと食べつづけて美しい蝶になりました。数や曜日の認識をおりこみ、穴あきのしかけをこらした斬新な絵本。

 


『ノンタンぶらんこのせて』

作・絵/キヨノ サチコ
定価/660円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1976年8月発行

ノンタンはぶらんこをひとりじめ。友だちとなかなかかわろうとしません。幼児のエゴと自発性をたくみにとらえた、ゆかいなお話。

 


『おおきな木』

作/シェル・シルヴァスタイン
訳/村上 春樹
定価/1320円(税込)
対象/小学低学年から
あすなろ書房
1976年発行(訳/ほんだ きんいちろう、篠崎書林)

いつでもそこにある木。成長し、変わっていく少年。それでも木は、少年に惜しみない愛を与え続けました……

 


『はじめてのおつかい』

作/筒井 頼子
絵/林 明子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。

 


『やっぱりおおかみ』

作・絵/ささき まき
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

ひとりぼっちのおおかみが「け」という、ふくみのあるセリフをつぶやきながら仲間をさがして町をさまよっています。「おれににたこはいないかな」うさぎ、やぎ、ぶた、しか……。いろいろな動物がたくさんいますが、どこへいってもおおかみは満足することができません。仲間に入りたいようで、入りたくないのです。とうとうおばけがたくさんいる墓場までやってきたおおかみですが、はたして仲間をみつけることができるのでしょうか?

 


『こすずめのぼうけん』

文/ルース・エインワース
絵/堀内 誠一
訳/石井 桃子
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

子スズメはお母さんから飛び方を教わりました。羽根をぱたぱたやっているとちゃんと空中にういているので、子スズメはおもしろくなってどんどん遠くまで飛んでいきました。そのうちに羽根が痛くなったので休もうと思いましたが、ようやく見つけた巣にはカラスやヤマバトやフクロウがいて、中に入れてもらえません。やがてあたりは暗くなって……。骨格のしっかりした物語絵本です。

 


『もこ もこもこ』

作/谷川 俊太郎
絵/元永 定正
定価/1430円(税込)
対象/赤ちゃんから
文研出版
1977年4月発行

「しーん、もこもこ、にょきにょき」とふくれあがったものは、みるまに大きくなってパチンとはじけました。詩人と異色の画家がおりなす不思議でおかしな世界の絵本。

 


『ふたりはいつも』

作/アーノルド・ローベル
訳/三木 卓
定価/1045円(税込)
対象/幼児から
文化出版局
1977年5月15日発行

がまくんとかえるくんのユーモラスな冒険物語が5編。「そりすべり」「アイスクリーム」「クリスマス・イブ」など春夏秋冬、一年間のふたりの生活が盛りこまれています。

 


『よあけ』

作・絵/ユリー・シュルヴィッツ
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1977年6月25日発行

山に囲まれた湖の畔、暗く静かな夜明け前。おじいさんと孫が眠っています。沈みかけた丸い月は湖面にうつり、そよ風の立てるさざ波にゆらめきます。やがて水面にもやが立ち、カエルのとびこむ音、鳥が鳴きかわす声が聞こえるようになると、おじいさんは孫を起こします。夜中から薄明、そして朝へ……。刻々と変わっていく夜明けのうつろいゆく風景を、やわらかな色調で描きだします。絵本をながめる人に静かな高揚感をもたらしてくれる1冊。

 


『100万回生きたねこ』

文・絵/佐野 洋子
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
講談社
1977年10月19日発行

100万年も しなない ねこが いました。100万回も しんで、100万回も いきたのです。りっぱな とらねこでした。100万人の人が、そのねこが しんだとき なきました。ねこは、1回も なきませんでした。読むたびにちがう気持ちになる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。

 


『ジオジオのかんむり』

作/岸田 衿子
絵/中谷 千代子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1978年4月1日発行

ジオジオはライオンの中でも一番強かった王さまで、立派なかんむりをかぶっています。でも、ひとりぼっちでした。そこへ、卵をすべて失った小鳥がやってきました。嘆く小鳥にジオジオは語りかけます。「たまごをうみたいなら、いいところがあるぞ」。それはなんとジオジオのかんむりの中。ここなら安心、たまごは無事かえり小鳥たちは元気にジオジオのまわりを飛び回ります。年老いたライオンと小鳥との心の交流を優しいタッチで描きます。

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目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1960年代に出版された日本の創作絵本

 

福音館書店が月刊絵本「こどものとも」を創刊したのが1956年。ここから一気に日本の創作絵本が盛り上がっていきました。
それまで日本には「絵本作家」という職業は確立されたものではなくて、だからこそ保母さんだった中川李枝子さんや、研究所に勤務しながら子どもたちを相手に紙芝居などの活動をしていた加古里子さんなど、いろいろな場所から才能が集結した時代でもありました。
当時の子どもたちを魅了した絵本は、今でも読み継がれているものも多く、懐かしいけれど色あせない名作がたくさんあります。

 


『ももたろう』

文/松居 直
絵/赤羽 末吉
定価/1210円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1965年2月20日発行

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。桃をもちかえって切ろうとしたら、なんと桃からかわいい男の子が生まれました。「桃太郎」と名付けられた男の子は、おばあさんとおじいさんが用意してくれたおかゆや魚を食べて、どんどん大きくなり、立派に成長します。そんなある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、鬼退治にでかけることにします。力強い絵とともに、真の昔話の面白さが味わえる1冊です。

 


『ないたあかおに』

文/浜田 廣介
絵/池田 龍雄
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1965年12月発行

村人となかよくしたい赤おにと、そのねがいをかなえてやろうと、自分が悪者になる青おに。おに同士の友情を感動的に描きます。

 


『しょうぼうじどうしゃじぷた』

作/渡辺 茂男
絵/山本 忠敬
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年6月10日発行

高いビルにはしごをのばして火を消すことのできる、はしご車ののっぽくん。たくさんの水で激しい炎も消すことのできる高圧車のばんぷくん。けが人を運んで助ける救急車のいちもくさん。大きくて立派な働きをするみんなは、いつも小さな消防自動車じぷたを「ちびっこ」あつかいしていました。でも、道がせまい山の中で火事がおこりました。このままでは山火事になってしまいます。そんなとき、出動を命じられたのはなんとじぷたでした。

 


『かばくん』

作/岸田 衿子
絵/中谷 千代子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1966年12月25日発行

動物園に朝が来ました。ねぼすけのかばくん親子のところに、かめくんを連れた飼育係の男の子がやってきます。「おきてくれかばくん」。今日は日曜日。動物園は大にぎわい。水からあがったがかばくんが姿を現すと、動物園に来ていた子どもたちはびっくり。やがてご飯の時間、かばくんはキャベツをまるごと一口でぱくり。食べた後はごろんところがっておやすみなさい……。シンプルで詩的な文章と、キャンバスの地を活かした油絵が、大きくてユーモラスなかばの姿を生き生きと描きます。

 


『ぐるんぱのようちえん』

作/西内 ミナミ
絵/堀内 誠一
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年12月15日発行

ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞうです。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話をたのまれたぐるんぱは、とても素敵なものを作ります。それはぐるんぱが作った大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる、すてきな幼稚園でした。

 


『ぐりとぐら』

作/なかがわ りえこ
絵/おおむら ゆりこ
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年1月20日発行

お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけました。目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えたすえ、カステラを作ることにしました。でも、卵があまり大きくて運べません。そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにしました。カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちも集まってきます……。みんなの人気者ぐりとぐらは、この絵本で登場しました。

 


『いないいないばあ』

文/松谷 みよ子
絵/瀬川 康男
定価/770円(税込)
対象/0歳から
童心社
1967年4月15日発行

「赤ちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を」の想いから、日本初の本格的な赤ちゃん絵本として誕生して半世紀。はじめて出会う一冊として、世代を越えて読みつがれています。いないいない、ばあ。にゃあにゃが、くまちゃんが、ほらね、いないいない……。親子の伝承遊びを絵本に再創造した作品。

 


『だるまちゃんとてんぐちゃん』

作・絵/加古 里子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年11月20日発行

だるまちゃんは友だちのてんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがります。てんぐのうちわや素敵な履物、なんとしまいには鼻まで。お父さんのだるまどんは思いつく限りの物を集めてきますが、だるまちゃんのお気に入りはいつも意外なところに……。だるまちゃんとだるまどんはどんなアイデアを思いついたでしょう?ユーモアあふれる物語と楽しいものづくしの絵本。大人気「だるまちゃん」シリーズの第一作です。

 


『11ぴきのねこ』

作/馬場 のぼる
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
こぐま社
1967年発行

11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていきます。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにしますが……。あっと驚くどんでん返しが大人気。

 


『ねないこだれだ』

作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1969年11月10日発行

夜の9時です。「とけいがなりますボンボンボン」こんな時間におきているのはだれだ? ふくろう、くろねこ、どろぼう……。いえいえ、夜中はおばけの時間。あれ? まだ寝ていない子がいますよ。おばけになってとんでいけ! おばけがなかなか寝ない子をおばけの世界に連れていってしまいます。シンプルなはり絵と独特のストーリーで、子どもたちをひきつけてやまない赤ちゃん絵本です。

 


『わたしのワンピース』

作/にしまき かやこ
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
こぐま社
1969年発行

空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。それを着てお花畑を通るとワンピースは花模様に、雨が降ると水玉模様に……、次々と柄が変わります。日本を代表するファンタジー絵本。

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