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▶こっこ COCO/名古屋市

住所/愛知県名古屋市守山区天子田4-1311
TEL/052-773-8495
営業時間/10:30~19:30
定休日/水曜日、第3土・日曜日

 


▶Book Gallery トムの庭/名古屋市

海外の翻訳絵本や児童文学を中心とした子どもの本屋。北欧テイストのカフェも併設している。

住所/愛知県名古屋市名東区一社1-111マイシャトー一社1F
TEL/052-703-8268
営業時間/11:00~18:00
定休日/木曜日

 


▶夢文庫ピコット/名古屋市

子どもの本と木のおもちゃの専門店。ロングセラー絵本を中心に、話題の新刊、知識の絵本、幼年童話から大人にもファンの多い児童文学までを揃える。

住所/愛知県名古屋市天白区原1-1616
TEL/052-803-1020
定休日/水・第2火曜日

 


▶ちいさいおうち/岡崎市

懐かしい絵本をはじめ、珍しい外国の絵本やなかなか手に入らない絵本までが揃う。

住所/愛知県岡崎市材木町3-2
TEL/0564-26-3083
営業時間/10:00~18:00
定休日/水曜日

 


▶花のき村/安城市

三河地方で絵本の在庫量は最大を誇る。絵本の他にも童話や保育書も充実。ギャラリーも運営。

住所/愛知県安城市小堤町5-14
TEL/0566-75-5083
営業時間/10:00~19:00
定休日/木曜日

 


▶カルテット/刈谷市

木のおもちゃと輸入おもちゃと絵本の店。外には滑り台もあり営業時間中は自由に遊べる。

住所/愛知県刈谷市高倉町2-508 サンコービル1F
TEL/0566-75-5083
営業時間/10:30~17:00
定休日/火曜日

 


▶えほんのみせ リトルベア/名古屋市

2020年12月15日をもって閉店。今後はコミュニティ―ルームを主として運営。

 


▶メルヘンハウス/名古屋市

1973年、日本で初めての子どもの本専門店として誕生。2018年3月31日をもって閉店したが、実店舗再開に向けて動き始めている。

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▶グリム/沼津市

ロングセラーの絵本、話題の新刊、昔話絵本、赤ちゃん絵本、幼年文学や児童文学も取り揃えている。蔵書数はおよそ3500冊。長年、絵本専門店を営んできた店主が思い入れのある本をセレクトしている。

住所/静岡県沼津市大岡905-1
TEL/055-960-6661
営業時間/10:00~17:00
定休日/火・水曜日

 


▶えほんやさん/三島市

2018年10月オープン。絵本作家のえがしらみちこさんが妹のひろこさんと一緒に運営している。絵本の世界を身近に感じられるよう原画の展示やトークイベント、ワークショップ、勉強会などを積極的に行っている。

住所/静岡県三島市中央町4-10
TEL/055-900-1052
営業時間/10:00~17:30(木曜日は15:30まで)
定休日/火曜日

 


▶さかえ書房/富士市

住所/静岡県富士市今泉3-14-3
TEL/0545-52-4812
定休日/不定休

 


▶もりの書店/富士市

住所/静岡県富士市青島町85
TEL/0545-52-8555
定休日/月曜日

 


▶百町森/静岡市

「子どもは遊ぶことで成長する」という考えのもと、ロングセラーの木のおもちゃや絵本を中心に販売している。

住所/静岡県静岡市鷹匠1-14-12 ウインドリッヂ鷹匠1F
TEL/054-251-8700
営業時間/10:30~18:00
定休日/月・火曜日(祝日の場合は営業)

 


▶ピッポ/清水市

住所/静岡県清水市清水区草薙1-6-3
TEL/054-345-5460
定休日/不定休

 


▶キルヤ/浜松市

住所/静岡県浜松市中区紺屋町300-10
TEL/053-477-2687
営業時間
月・木・金曜日/12:00~18:00
土・日・祝日/11:00~18:00
定休日/火・水曜日

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▶絵本と童話 本の家/群馬県高崎市

群馬県内で唯一の子どもの本の専門店。 看板犬の「きりこ」がお出迎えしてくれる店内には、約8000タイトルの絵本や児童書が揃っている。

住所/群馬県高崎市中居町4-31-17
TEL/027-352-0006
営業時間/10:00~19:00
定休日/水曜日

 


▶アスラン/埼玉県深谷市

絵本とおもちゃ、子どもがいる暮らしに必要な生活の道具を取り扱っている。

住所/埼玉県深谷市桜ヶ丘236-1
TEL/048-572-3915
営業時間/11:00~18:00
定休日/水・木曜日

 


▶会留府(えるふ)/千葉県千葉市

1977年創業の老舗。店の本は全部目をとおして置くことが店主のモットー。新刊の紹介にブログと1カ月に1回「えるふ通信」を出している。

住所/千葉市中央区長洲1-10-9
TEL/043-227-9192
営業時間
火~土/10:30~18:00
日曜日/13:30~18:00
定休日/月曜日(夏冬の不定休あり)

 


▶宝島/千葉県船橋市

子どもの本と木のおもちゃの店。店内には子どもが遊べるプレイコーナーもある。

住所/千葉県船橋市習志野台3-2-106
TEL/047-464-6448
営業時間/10:30~17:00
定休日/水曜日

 


▶ハックルベリーブックス/千葉県柏市

子どもと子どもをとりまく生活・自然をテーマとした本と雑貨のセレクトショップ。

住所/千葉県柏市柏3-8-3
TEL/04-7100-8946
営業時間/10:30~暗くなるまで
定休日/第2・4火曜、毎水曜日

 


▶えほんや なずな/茨城県つくば市

住所/茨城県つくば市竹園2-4-10 村田ビル105
TEL/029-828-5120
営業時間/13:00~17:00
定休日/月・水・日曜日(不定休)

 


▶BOOK FOREST 森百貨店/栃木県芳賀郡

大正15年創業の老舗書店が、2012年に絵本屋としてリニューアルオープン。芳賀町唯一の本・文具店で、地域に根ざしたアットホームなお店。

住所/栃木県芳賀郡芳賀町祖母井1-10-8
TEL/028-677-0017
営業時間/9:00~19:00
定休日/日曜日、GW、年末年始(一部)

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目次

  1. 2000年〜2021年度
  2. 1980年〜1999年度
  3. 1960年〜1979年度
  4. 1938年〜1959年度

 


歴代の受賞作品 1980年〜1999年度

 

  1. 1999年 『雪の写真家ベントレー』
  2. 文/ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン
    絵/メアリー・アゼアリアン
    BL出版

     


  3. 1998年 『Rapunzel』
  4. 作/ポール・O・ゼリンスキー

     


  5. 1997年 『土でできた大男ゴーレム』
  6. 作/デイヴィッド・ウィズネスキー
    訳/まつなみ ふみこ
    新風舎

     


  7. 1996年 『バックルさんとめいけんグロリア』
  8. 作/ペギー・ラスマン
    訳/東 春見
    徳間書店

     


  9. 1995年 『スモーキーナイト』
  10. 文/イヴ・バンティング
    絵/ディヴィッド・ディアス
    岩崎書店

     


  11. 1994年 『おじいさんの旅』
  12. 作/アレン・セイ
    訳/大島 英美
    ほるぷ出版

     


  13. 1993年 『つなのうえのミレット』
  14. 作/エミリー・アーノルド・マッカリー
    訳/津森 優子
    文溪堂

     


  15. 1992年 『かようびのよる』
  16. 作/デヴィッド・ウィーズナー
    訳/当麻 ゆか
    徳間書店

     


  17. 1991年 『Black and White』
  18. 作/デビッド・マコーレイ

     


  19. 1990年 『ロンポポ』
  20. 絵/エド・ヤング
    訳/藤本 朝巳
    古今社

     


  21. 1989年 『Song and Dance Man』
  22. 文/カレン・アッカーマン
    絵/ステファン・ガメル

     


  23. 1988年 『月夜のみみずく』
  24. 文/ジェイン・ヨーレン
    絵/ジョン・ショーエンヘール
    訳/くどう なおこ
    偕成社

     


  25. 1987年 『Hey, Al』
  26. 文/アーサー・ヨリンクス
    絵/リチャード・エギエルスキー

     


  27. 1986年 『急行「北極号」』
  28. 絵/クリス・ヴァン・オールズバーグ
    訳/村上 春樹
    あすなろ書房

     


  29. 1985年 『Saint George and the Dragon』
  30. 再話/マーガレット・ホッジス
    絵/トリーナ・シャート・ハイマン

     


  31. 1984年 『栄光への大飛行』
  32. 作/アリス&マーティン・プロヴィンセン
    訳/今江 祥智
    BL出版

     


  33. 1983年 『影ぼっこ』
  34. 作/ブレーズ・サンドラール
    絵/マーシャ・ブラウン
    訳/おのえ たかこ
    ほるぷ出版

     


  35. 1982年 『ジュマンジ』
  36. 絵/クリス・ヴァン・オールズバーグ
    訳/辺見 まさなお
    ほるぷ出版

     


  37. 1981年 『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』
  38. 絵/アーノルド・ローベル
    訳/三木 卓
    文化出版局

     


  39. 1980年 『にぐるまひいて』
  40. 文/ドナルド・ホール
    絵/バーバラ・クーニー
    訳/もきがずこ
    ほるぷ出版

     

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目次

  1. 2000年〜2021年度
  2. 1980年〜1999年度
  3. 1960年〜1979年度
  4. 1938年〜1959年度

 


歴代の受賞作品 1960年〜1979年度

 

  1. 1979年 『野うまになったむすめ』
  2. 絵・文/ポール・ゴーブル

     


  3. 1978年 『ノアのはこ舟』
  4. 絵・文/ピーター・スピア
    訳/松川 真弓
    評論社

     


  5. 1977年 『絵本アフリカの人びと』
  6. 絵/ディロン夫妻
    文/マーガレット・ムスグローブ
    訳/西江 雅之
    偕成社

     


  7. 1976年 『どうしてカはみみのそばでぶんぶんいうの』
  8. 絵/ディロン夫妻
    文/ヴェルナ・アールデマ
    訳/やぎた よしこ
    ほるぷ出版

     


  9. 1975年 『太陽へとぶ矢』
  10. 絵・文/ジェラルド・マクダーモット
    訳/神宮 輝夫
    ほるぷ出版

     


  11. 1974年 『ダフィと小鬼』
  12. 絵/マーゴット・ツェマック
    再話/ハーヴ・ツェマック

     


  13. 1973年 『The Funny Little Woman』
  14. 絵/ブレア・レント
    再話/アーリーン・モーゼル

     


  15. 1972年 『きょうはよいてんき』
  16. 絵・文/ノニー・ホグローギアン
    訳/あしの あき
    ほるぷ出版

     


  17. 1971年 『おはなし おはなし』
  18. 絵・再話/ゲイル・E・ヘイリー
    訳/あしの あき
    ほるぷ出版

     


  19. 1970年 『ロバのシルベスターとまほうのこいし』
  20. 絵・文/ウィリアム・スタイグ
    訳/瀬田 貞二
    評論社

     


  21. 1969年 『空とぶ船と世界一のばか』
  22. 絵/ユリー・シュルヴィッツ
    再話/アーサー・ランサム
    訳/神宮 輝夫
    岩波書店

     


  23. 1968年 『Drummer Hoff』
  24. 絵・文/エド・エンバリー

     


  25. 1967年 『へんてこりんなサムとねこ』
  26. 絵・文/エバリン・ネス
    訳/猪熊 葉子
    佑学社

     


  27. 1966年 『Always Room for One More』
  28. 絵/ノニー・ホグローギアン
    文/ソーシー・ニック・レオーダス

     


  29. 1965年 『ともだちつれてよろしいですか』
  30. 絵/ベニ・モントレゾール
    文/ドゥ・レニア
    訳/渡辺 茂男
    童話館出版

     


  31. 1964年 『かいじゅうたちのいるところ』
  32. 絵・文/モーリス・センダック
    訳/じんぐう てるお
    冨山房

     


  33. 1963年 『ゆきのひ』
  34. 絵・文/エズラ・ジャック・キーツ
    訳/木島 始
    偕成社

     


  35. 1962年 『あるひねずみが……』
  36. 絵・再話/マーシャ・ブラウン
    訳/八木田 宜子
    冨山房

     


  37. 1961年 『Baboushka and the Three Kings』
  38. 絵/ニコラス・シジャコフ
    文/ルース・ロビンス

     


  39. 1960年 『クリスマスまであと九日』
  40. 絵・文/マリー・ホール・エッツ
    文/アウロラ・ラバスティダ
    訳/田辺 五十鈴
    冨山房

     

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目次

  1. 2000年〜2021年度
  2. 1980年〜1999年度
  3. 1960年〜1979年度
  4. 1938年〜1959年度

 


歴代の受賞作品 1938年〜1959年度

 

  1. 1959年 『チャンティクリアときつね』
  2. 絵/バーバラ・クーニー
    訳/平野 敬一
    ほるぷ出版

     


  3. 1958年 『すばらしいとき』
  4. 絵・文/ロバート・マックロスキー
    訳/渡辺 茂男
    福音館書店

     


  5. 1957年 『木はいいなあ』
  6. 絵/マーク・シーモント
    文/ジャニス・メイ・ユードリイ
    訳/西園寺 祥子
    岩波書店

     


  7. 1956年 『かえるだんなのけっこんしき』
  8. 絵/フェドール・ロジャンコフスキー
    再話/ジョン・ラングスタッフ
    訳/さくま ゆみこ
    光村教育図書

     


  9. 1955年 『シンデレラ』
  10. 絵/マーシャ・ブラウン
    作/シャルル・ペロー
    訳/まつの まさこ
    福音館書店

     


  11. 1954年 『マドレーヌといぬ』
  12. 絵・文/ルドウィッヒ・ベーメルマンス
    訳/瀬田 貞二
    福音館書店

     


  13. 1953年 『おおきくなりすぎたくま』
  14. 絵・文/リンド・ウォード
    訳/渡辺 茂男
    福音館書店

     


  15. 1952年 『みつけたものとさわったもの』
  16. 絵/ニコラス・モードヴィノフ
    文/ウィリアム・リプキンド
    訳/晴海 耕平
    童話館出版

     


  17. 1951年 『The Egg Tree』
  18. 絵・文/キャサリン・ミルハウス
    訳/福本 友美子
    徳間書店

     


  19. 1950年 『ツバメの歌』
  20. 絵・文/レオ・ポリティ
    訳/石井 桃子
    岩波書店

     


  21. 1949年 『The Big Snow』
  22. 絵・文/ベルタ&エルマー・ヘイダー

     


  23. 1948年 『しろいゆき あかるいゆき』
  24. 絵/ロジャー・デュボアザン
    文/アルビン・トレッセルト
    訳/江國 香織
    BL出版

     


  25. 1947年 『ちいさな島』
  26. 絵/レナード・ワイズガード
    文/ゴールデン・マクドナルド
    訳/谷川 俊太郎
    童話館出版

     


  27. 1946年 『The Rooster Crows』
  28. 絵・文/モード&ミスカ・ピーターシャム

     


  29. 1945年 『おやすみかみさま』
  30. 絵/エリザベス・オートン・ジョーンズ
    文/レイチェル・フィールド
    訳/なかむら たえこ
    燦葉出版社

     


  31. 1944年 『たくさんのお月さま』
  32. 絵/ルイス・スロボトキン
    文/ジェームズ・サーバー
    訳/中川 千尋
    徳間書店

     


  33. 1943年 『ちいさいおうち』
  34. 絵・文/バージニア・リー・バートン
    訳/石井 桃子
    岩波書店

     


  35. 1942年 『かもさんおとおり』
  36. 絵・文/ロバート・マックロスキー
    訳/渡辺 茂男
    福音館書店

     


  37. 1941年 『They Were Strong and Good』
  38. 絵・文/ロバート・ローソン

     


  39. 1940年 『エブラハム・リンカーン』
  40. 絵・文/イングリ&エドガー・パーリン・ドーレア

     


  41. 1939年 『メイリイとおまつり』
  42. 絵・文/トマス・ハンドフォース

     


  43. 1938年 『Animals of the Bible, A Picture Book』
  44. 絵/ラスロップ

     

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2019年最初の絵本『はい たっち』(さく/からさわ ようすけ)が、楽しくかわいくできました。

実は、作家のからさわさんとは10年来の知り合いで、当時からさわさんは「ボローニャ国際絵本原画展」の入選作家として、一方の僕は絵本作家を目指す美術学校の学生として、イタリア・フィレンツェに滞在していた時でした。

編集者として絵本に関わるようになって以来、いつか絵本づくりをご一緒できたらと口説き続けて、ようやく念願叶った思い入れのある作品です。

まだ発売前ではありますが、おかげさまでAmazon新刊予約ランキングで1位を獲得することができ、エンブックスとしては2作連続の1位獲得となりました。

誰が言ったか桃栗三年柿八年という通り、立ち上げからちょうど8年目にして、実りが得られつつあります。
からさわさんの作家としての決意もまた、大きな実りのひとつです。

少し昨年を振り返ると、既刊では『なでてなでて』(え/日隈 みさき)が、ちょうど発売から1年目を迎えた10月期に、見事に採算分岐点をクリアして黒字転換することができました。
エンブックスとしてはじめての重版があり、よろこびながら追加資金のやりくりに難儀しましたが、順調に売上を積むことができたのは、作品の持つ力だと思います。

続く『ぱたぱたえほん』(さく/miyauni)についても、売上部数は『なでてなでて』と変わらず、順調に伸ばしています。
ボードブック(厚紙製本)で仕上げたので、採算分岐点は高くなりましたが、確実にそこをクリアする時はやってくるだろうと思います。

 

「ベストセラーよりもロングセラーを」というのは、おそらく本気で絵本づくりに関わる人たちの共通の願いです。
優れた絵本は、一時期のブームで終わらず、長く子どもたちに愛され、読み継がれていくからです。

福音館書店・月刊「こどものとも」編集長の関根里江さんが、ロングセラー絵本とは「1回に1万冊以上を刷っていて、それが100刷を越えて、50年くらい経った本」とおっしゃっていて、その定義からすると、とてもとても小さな規模ですが、1年かけてしっかりと採算を合わせられたことは、新しいロングセラー絵本の仲間入りをする資格を読者に与えてもらったようなものだと思っていて、素直にうれしいです。
売上の進捗率としては、2期目に入った2018年8月から5カ月の時点で、すでに1期目(2017年8月〜2018年7月)の70%程度まで伸ばしてきています。

 

絵本界はイケイケドンドン右肩上がりの市場ではありません。
だからといって、悲観的になるような市場でもなく、進む少子化や縮小する出版界の中にあって、不思議と揺るがない安定感があります。

それは絵本というコンテンツが、単に楽しい時間を消費するだけの娯楽ではなく、親子時間を豊かにする本質的なところに在るからなんだと思います。
忙しない時代背景がその価値に改めて光をあててくれたような気もします。

超がつくロングセラー絵本『いないいないばあ』(文/松谷 みよ子、絵/瀬川 康男、童心社)は、1967年の発売から50年を迎えた2017年に、20万部の増刷をしました(2017年度 児童書ランキング7位)。
まさに本質の強さの証で、こんなとんでもない現象が起きているコンテンツは他にありません。

 

8年前、僕が絵本界に対して持っていたのは危機感でした。確かにロングセラー絵本は今も変わらず強い。でも、並行していつのまにか新進作家の活躍の場も増えてきました。絵本界全体の総力で、風向きが変わってきた。2019年をそんな印象で迎えています。

絵本出版社の年間発行点数(2017年)でみると、偕成社が88点、童心社が79点、福音館書店が69点に対して、エンブックスは2点。今期は7点の計画で進めています。
親子時間を豊かにする優れたコンテンツづくりという点では変わらず、この明らかに不足しているラインナップを確実に強化していきたいと考えています。

すでに昨年から取り組んでいるのは、NPO法人子育て学協会とのコラボ絵本です。内容やご一緒できる素晴らしい作家さんのことは、まだお伝えできませんが、僕自身とてもワクワクしながら創作しています。

東京芸術大学教授の佐藤雅彦さんが「作り方を作ると、自ずとできたものは新しくなる」と言っていて、このコラボ絵本は、まさにエンブックスの新しい一面を見せられる試みになると思っています。ご期待ください。

 

初詣でひいたおみくじには「驕るな」とありました・笑。その言葉から、今年は何かしら驕ってしまうような場面があるのかもしれない、もし絵本が飛ぶように売れたとしても、驕らず精進せねばと気を引き締めているところです。

身の丈にあわせてコツコツと。実のなる柿の木が育ちはじめたエンブックスの年間発行点数が5倍、10倍に伸びたときの景色が今から楽しみです。

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『さんかくサンタ』

さく/tupera tupera
対象/赤ちゃんから

さんさんさんかく さんかくサンタ まんまるふくろを せなかにしょって しかくいおうちに はいっていった――さんかく・まる・しかくで愛らしいクリスマスのおはなしができました。この質感、手触り感。まるで織物のよう。シンプルな展開だからこそ、生きてくる味わいです。

『まどから おくりもの』

さく/五味 太郎
対象/3歳から

窓の中にちらっとみえる姿をみて、サンタさんは贈り物を選んで配ります。ところが意外! 穴あきしかけの効果抜群、楽しさ最高。

『ぐりとぐらのおきゃくさま』

文/中川 李枝子
絵/山脇 百合子
対象/3歳から

森で雪合戦をしていたぐりとぐらは、雪の上に大きな足跡を見つけました。足跡は森をぬけ、原っぱを通り、ぐりとぐらの家まで続いていました。ドアを開けると玄関には大きな長靴、壁には真っ赤なオーバーと白いマフラー、そして赤い帽子がかかっています。いったいだれ? そのときいい匂いがしてきたので、台所にいってみると、そこにはまっ白なひげのおじいさんが焼きたてのケーキを作って、待っていました。ぐりとぐらのクリスマスの絵本です。

『てぶくろ』(ウクライナ民話)

絵/エウゲーニー・M・ラチョフ
訳/内田 莉莎子
対象/3歳から

おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミが住みこみました。そこへ、カエルやウサギやキツネが次つぎやってきて、「わたしもいれて」「ぼくもいれて」と仲間入り。手袋はその度に少しずつ大きくなっていき、今にもはじけそう……。最後には大きなクマまでやって来ましたよ。手袋の中はもう満員! そこにおじいさんが手袋を探しにもどってきました。さあ、いったいどうなるのでしょうか?

『クリスマスの三つのおくりもの』

文・絵/林 明子
対象/3歳から

クリスマスに、かすみちゃん・れいちゃん・もっくんの3兄弟が活躍する、手のひらサイズの絵本、3冊セットです。

『しんせつなともだち』

文/方 軼羣
絵/村山 知義
訳/君島 久子
対象/3歳から

食べものがない寒い冬のことです。お腹がすいたうさぎが、かぶをふたつ見つけました。ひとつだけ食べて、もうひとつを同じようにお腹をすかせているろばに届けますが、ろばは留守でした。うさぎはろばの家にかぶをおいていきます。家に帰ってきたろばは、かぶにびっくりします。ちょうどさつまいもを手にいれたばかりだったろばは、かぶを今度は山羊に届けます。思いやりの心をのせたかぶが、動物たちのもとをめぐる「ぐるぐる話」。

『くろうまブランキー』

文/伊東 三郎
絵/堀内 誠一
対象/4歳から

黒馬のブランキーは、主人の家をつくるために一生懸命働いても、小屋も作ってもらえません。やがて年とったブランキーは、主人に力いっぱいたたかれて、道に倒れてしまいます。その晩、サンタクロースが天からおりてきて、しずかにその首をなでると……。フランスのフレネ学校の共同創作を原作とした、静かなクリスマス絵本。絵本作家堀内誠一の第一作です。

『マドレーヌのクリスマス』

文・絵/ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳/江國 香織
対象/4歳から

パリの、つたのからまる古い屋敷に住んでいる12人の女の子。クリスマスの前の晩、屋敷中がかぜで寝込んでしまいました。ただ一人、おちびで勇敢なマドレーヌだけがてきぱき働いていると、玄関をたたく音が聞こえて……。

『ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス』

文・絵/ジャネット&アラン・アルバーグ
訳/佐野 洋子
対象/4歳から

ジグソーパズル、すごろく、のぞき絵手紙などが本に入っています。1992年度ケイト・グリーナウェイ賞受賞。

『100にんのサンタクロース』

文・絵/谷口 智則
対象/4歳から

100にんのサンタが住む街では、100にんいろいろなサンタがみんなで力を合わせて、1年がかりでクリスマスの準備をします。地図を作ったり、プレゼントの準備をしたり、衣装を作ったり。お天気を作る練習もします。そしてとうとうクリスマスの日、プレゼントを配り終えたサンタたちだけのお楽しみとは…。100にんみんなそれぞれいろんな役割があるサンタさんの絵本。

『さむがりやのサンタ』

文・絵/レイモンド・ブリッグズ
訳/すがはら ひろくに
対象/4歳から

「やれやれまたクリスマスか! 」面倒くさそうに目を覚ましたのは、サンタクロース。寒さに愚痴をいい、煙突に文句をいいながら町の子どもたちにプレゼントを配ります。南の島に憧れながら、一日の仕事をおえると、お風呂にはいり、ビールを一杯飲んで、ごちそうを楽しみます。トナカイたちにおいしいえさをあげることも忘れていません。皮肉屋だけど実はやさしい、人間味あふれるサンタクロースを描いたクリスマスにぴったりの絵本です。

『ちいさなもみのき』

文・絵/マーガレット・ワイズ・ブラウン
訳/上條 由美子
対象/4歳から

小さなモミの木は、ある日、男の人によって掘り出され、家へと運び込まれました。その家には病気で歩けない男の子がいたのです。男の子とモミの木はクリスマスを一緒に過ごします。そして冬が終わるとモミの木はまた森に返されるのです。それから何年もクリスマスが来るたびに、モミの木は男の子と共に楽しく過ごしました。けれど、ある冬、いつになっても男の人は、モミの木を掘り出しにはきませんでした。男の子が心配でたまらないモミの木は……。

『クリスマスのものがたり』

文・絵/フェリクス・ホフマン
訳/生野 幸吉
対象/5歳から

スイスの画家ホフマンが、キリスト誕生の物語を真正面から描いた作品です。宗教を抜きにしても、これほど感動的で劇的な物語はほかにないでしょう。

『おおきいツリー ちいさいツリー』

文・絵/ロバート・バリー
訳/光吉 夏弥
対象/5歳から

もうすぐクリスマス。ウィロビーさんのお屋敷に届けられたのは、見たこともないような大きなクリスマスツリーでした。大広間に立ててみると、ツリーは大きすぎて、天井につっかえて曲がってしまいます。そこで執事のバクスターは、先っぽをちょん切り、小間使いのアデレードに渡しました。アデレードがツリーを机の上に置いてみると、やはり少し大きすぎます。そこでアデレードも、ツリーの先っぽをちょん切って、庭師のチムへ渡します。ここでもやはり、ツリーの先っぽは切られることに……。一本の大きなクリスマスツリーから始まる、ユーモアたっぷりの可愛らしい物語。切られてしまったツリーの先っぽは、みんなに喜ばれ、それぞれのその場にぴったり合ったサイズのツリーとして、一緒に幸せなクリスマスを迎えるのです。

『ばあばのおうち』

ばあばのおうち
文/村上萌
絵/湯浅望
対象/5歳から

幼い主人公の女の子ありさは、大きな庭のあるばあばのお家に遊びに行くことが大好き。例えば、庭のお花をつんでブーケにして朝のテーブルに飾ると楽しいことや、相手の姿が見えなくなるまでずっと手をふって見送ることなど、何気ない暮らしの中に、ばあばが教えてくれた大切なことが散りばめられています。春、夏、秋、冬と、四季がめぐるように展開し、クリスマスの様子も季節の色で美しく描かれた絵本です。

『こびとのくつや』

文/グリム
絵/いもと ようこ
対象/5歳から

正直者の靴屋さん。でもだんだん貧しくなり、ついに靴一足分の皮だけになってしまいます。ところが翌朝、不思議なことに見事な靴ができていて、すぐに売れました。同じことが続いたある夜、靴屋さんが工房をのぞいてみると、二人のこびとがあらわれて……。グリム童話の名作です。

『クリスマスのあかり チェコのイブのできごと』

文/レンカ・ロジノフスカー
絵/出久根 育
訳/木村 有子
対象/5歳から

チェコのクリスマスイブ。小さな男の子フランタが、ひとりで教会へむかいます。イエス様の生まれ故郷ベツレヘムから届いた灯りを、家のランプのろうそくにわけてもらうのです。しかし教会で思わぬ失敗をし、あわてて逃げだすことに。それでも、とちゅうで出あった気のどくなおじいさんを助けるために、知恵と勇気をふりしぼります。小さなフランタのやさしさに、心にぽっと灯がともるようなあたたかい気持ちにさせられます。

『やかまし村のクリスマス』

文/アストリッド・リンドグレーン
絵/イロン・ヴィークランド
訳/おざき よし
対象/6歳から

やかまし村の子どもはクリスマスが来るととっても楽しくなります。みんなでたきぎを運んで、ツリーをかざって準備をするのです。ロングセラークリスマス絵本。

『クリスマスがちかづくと』

文/斉藤 倫
絵/くりはら たかし
対象/6歳から

セロはクリスマスが大嫌い。クリスマスはいつも、おとうさんもおかあさんも家にいないから。おかあさんはデパートの仕事がいそがしいし、おとうさんもどこかに出かけたまま帰ってこない。10歳になったセロは、おかあさんに思い切ってきいてみました。「どうして、おとうさんはクリスマスがちかづくと、家に帰ってこなくなるの?」おとうさんの驚くような秘密を知って、セロの小さな閉じた世界は開かれ、大きく広がっていきます。

『クリスマス』

文・絵/バーバラ・クーニー
訳/安藤 紀子
対象/6歳から

コールデコット賞作家、バーバラ・クーニーが、美しい挿絵とともにクリスマスの歴史や習慣をコンパクトに教えてくれる本。

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「学校の授業で使いたい」と、東京から遥か遠く奄美大島から46冊のご注文を電話で受けた時、僕は左手の指を折りながら、在庫の数をアタマでかぞえてヒヤリとしていました。

最新刊『ふうしてあそぼ』(さく/はるの まい)は、初版の出荷時点で取次倉庫に在庫がわずか100部、エンブックスの手元に80部という好調な出だし。
通常ならその時点で重版を決めても良いくらいの流通量ですが、しっかりこの先の返本率を見極めてから判断をするつもりで様子をみていると、あれよあれよと在庫が減っていく。そこへきて46冊の大きな注文は、ありがたくも全く予想していなかった展開でした。

あわてて取次倉庫に確認をして、手元と合わせればギリギリご用意できることが分かってホッとしたものの、きれいさっぱり在庫ゼロです。ここまで発売から2週間。

作品の出来からして、いずれ重版がかかることは想定していたとはいえ、新刊の入稿(つまり入金)をまもなく控えているこの時期の重版は想定外。うれしい悲鳴とはこのことです。

大日本印刷の担当者さん、現場スタッフのみなさんも腕まくりで特急スケジュールに応えてくれて、11月上旬には2刷が納品できることになりました。しばらくお待たせしてしまってご迷惑をおかけしますが、楽しみにしていただけたらうれしいです。

これでエンブックスの赤ちゃん絵本は3作連続で重版出来。本当にすばらしい。

それにしても「3刷が恐い」。(古典落語「まんじゅうこわい」より)

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