創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本 30選

目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1970年代に出版された名作絵本

 

1960年代に一気に開花した日本の創作絵本は、1970年代にかけて黄金期を迎えました。表現手法、描かれるテーマ、あるいは読者の幅についても広がりを見せ、ありとあらゆるアプローチが試されたことが分かります。
今でもおなじみのタイトルがたくさんあり、まさに現代絵本の礎が築かれたエネルギッシュな10年です。

 


『おふろでちゃぷちゃぷ』

文/松谷 みよ子
絵/いわさき ちひろ
定価/770円(税込)
対象/赤ちゃんから
童心社
1970年5月5日発行

おふろに入る楽しさをあかちゃんにやさしく伝えてくれる本作。画家いわさきちひろさんによって、おふろに入る男の子が愛らしくいきいきと描かれています。ごはんにおふろに寝かしつけにと、お父さんお母さんにとってあわただしい夜の時間に、笑顔がふえる1冊です。

 


『てぶくろをかいに』

文/新美 南吉
絵/若山 憲
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1970年10月発行

寒い冬がきました。山のきつねの母さんは、こぎつねを町までひとりでてぶくろを買いにいかせるのですが……。

 


『はけたよはけたよ』

文/かんざわ としこ
絵/にしまき かやこ
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1970年12月発行

たつくんはひとりでパンツをはけない。裸のまんまで外にとびだしたら、動物たちに見られ、おしりにしっぽがないぞと笑われます。

 


『ふしぎなえ』

絵/安野 光雅
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1971年3月1日発行

階段をあがると上の階へ、またあがると、あれあれ、もとの階にもどっています。迷路に入っていくと、いつのまにか天地がさかさまに。蛇口から流れ出した水は川となってまた水道に循環し、高架道路は地面と同じ高さに……。絵の中だけに存在する不思議な世界に、小人の案内で導かれます。世界的に人気を獲得した絵本作家・安野光雅のデビュー作です。

 


『しばてん』

作/田島 征三
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1971年4月発行

「しばてん」とは、カッパに似た化け物。その生まれ変わりといわれる太郎のたどる運命を、深いペーソス(哀愁)をたたえながら描きます。

 


『モチモチの木』

作/斉藤 隆介
絵/滝平 二郎
定価/1540円(税込)
対象/小学低学年から
岩崎書店
1971年11月20日発行発行

豆太は、夜中にひとりでおしっこにもいけない弱虫。でも、大好きなじさまのために……。真の勇気とは何かを問いかける感動の絵本です。

 


『おばけのバーバパパ』

文・絵/アネット・チゾン、タラス・テイラー
訳/山下 明生
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1972年6月発行

姿を自由に変形できるおばけのバーバパパは火事場で大活躍して、町の人気者になります。

 


『おおきなおおきなおいも』

原案/市村 久子
作・絵/赤羽 末吉
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年10月1日発行

楽しみにしていたいもほり遠足の日、雨が降って延期になってしまいました。残念がる子どもたちは大きな紙においもを描きはじめます。紙をつなげてつなげて、おいもの絵はどんどん大きくなります。大きなおいもは、ヘリコプターで幼稚園に運びます。プールに浮かべて船にしたり、かいじゅうにみたてて遊びます。たくさん遊んだあとは、天ぷら、焼きいも、大学いも、たくさん作っておいもパーティ! 大きなおいもをめぐる子どもたちの空想がつまった絵童話です。

 


『はたらくじどうしゃ 1』

作・絵/山本 忠敬
定価/660円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年10月1日発行

ブルドーザ、パワーショベル、ロードローラ……。簡単に構造まで図鑑的に描いた絵本。

 


『げんきなマドレーヌ』

作/ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳/瀬田 貞二
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年11月10日発行

パリの寄宿学校に12人の女の子が暮らしていました。いつも2列に並んで、パンを食べ、歯をみがき、ベッドに入ります。中でいちばんおちびさんで、いちばん元気なのがマドレーヌ。ネズミなんかこわくないし、動物園のトラもへいっちゃら。ところがある晩、マドレーヌがわーわー泣いています。いつもは冷静なミス・クラベルも大あわて。マドレーヌは盲腸炎で入院し手術することになったのです……。パリの香りいっぱいの絵本です。

 


『あーんあん』

作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1972年12月1日発行

保育園に行くのはいいけれど、お母さんが帰っちゃいやだとぼくが「あーん あーん」と泣きだすと、みんなそろって「あーん あーん」いっしょに泣きだしました。みんなの涙がたまってどんどん増えたら、「あらあら さかなに なっちゃった」。先生から知らされたお母さんが「ばけつとあみ もって ぼくを たすけて くれるでしょ」。初めて幼稚園や保育園に通う子どもたちの気持ちに寄り添うお話です。

 


『おしゃべりなたまごやき』

作/寺村 輝夫
絵/長 新太
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年12月10日発行

たまごやきが大好きな王さまがいました。ある日、王さまは散歩の途中で鶏小屋からにわとりを逃がしてしまいます。もちろんお城は大騒ぎ! にわとりを逃がした犯人さがしがはじまりますが、見つかるわけがありません。犯人が見つからないまま、晩ごはんの時間がやってきました。王さまが大好きな目玉焼きにナイフをいれると、目玉焼きの中からふしぎな声がきこえてきました。その声をきいて王さまはびっくり! さてさて、犯人は見つかるのでしょうか?

 


『しろくまちゃんのほっとけーき』

作/わかやま けん
定価/880円(税込)
対象/0歳から
こぐま社
1972年発行

しろくまちゃんがホットケーキを作ります。卵を割って、牛乳を入れて……。焼き上がったらこぐまちゃんを呼んで、二人で「おいしいね」。見開きいっぱいに描かれたホットケーキの焼ける場面は、子どもたちに大人気。

 


『からすのパンやさん』

作・絵/かこ さとし
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1973年9月発行

いずみがもりのからすのまちのパンやさんは、子どもたちの意見を参考にして、すてきな形のパンをどっさり焼きました。

 


『ウルスリのすず』

文/ゼリーナ・ヘンツ
絵/アロイス・カリジェ
訳/大塚 勇三
定価/2200円(税込)
対象/小学中学年から
岩波書店
1973年12月10日発行

アルプスの山おくに元気な男の子ウルスリが住んでいます。明日はすず行列のおまつり。村の男の子たちは、牛の首につけるすずを鳴らして冬をおいだし、春を迎えます。ウルスリはいちばん大きなすずを手に入れて、先頭に立ちたいとはりきります。

 


『ねずみくんのチョッキ』

作/なかえ よしを
絵/上野 紀子
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1974年8月発行

おかあさんがあんでくれた、かわいいチョッキ。“ちょっときせてよ”と動物のなかまたち。あらあら、チョッキがどんどんのびて……。

 


『ぞうのババール』

文・絵/ジャン・ド・ブリュノフ
訳/矢川 澄子
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
評論社
1974年10月20日発行

森で狩人におそわれ、にげだしたババール。どんどんにげて、とうとう人間の町までやってきました。はじめて見るものばかりで、ビックリの連続。ぞうのババールの、ゆかいな冒険と心温まる愛と友情の物語です。

 


『かいじゅうたちのいるところ』

文・絵/モーリス・センダック
訳/じんぐう てるお
定価/1650円(税込)
対象/幼児から
冨山房
1975年12月5日発行

いたずらっこのマックスは、怒ったお母さんに夕飯抜きで寝室にほうり込まれました。そのうち辺りは森になり、ボートに乗って着いたところには、かいじゅうたちが。かいじゅうたちの王さまになったマックスは、みんなと一緒に踊ります。かいじゅうたちを眠らせたあと、さびしくなったマックスは王さまをやめることに。「行かないで」と言うかいじゅうたちを振り切って帰ったところは……。

 


『くまのコールテンくん』

作/ドン・フリーマン
訳/まつおか きょうこ
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1975年5月発行

デパートのおもちゃ売場のくまの人形を一目で好きになり、自分の貯金をはたいて買いに行きます。女の子と人形との心のふれあいを描いた絵本。

 


『はらぺこあおむし』

作/エリック・カール
訳/もり ひさし
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1976年5月発行

小さなあおむしは、もりもりと食べつづけて美しい蝶になりました。数や曜日の認識をおりこみ、穴あきのしかけをこらした斬新な絵本。

 


『ノンタンぶらんこのせて』

作・絵/キヨノ サチコ
定価/660円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1976年8月発行

ノンタンはぶらんこをひとりじめ。友だちとなかなかかわろうとしません。幼児のエゴと自発性をたくみにとらえた、ゆかいなお話。

 


『おおきな木』

作/シェル・シルヴァスタイン
訳/村上 春樹
定価/1320円(税込)
対象/小学低学年から
あすなろ書房
1976年発行(訳/ほんだ きんいちろう、篠崎書林)

いつでもそこにある木。成長し、変わっていく少年。それでも木は、少年に惜しみない愛を与え続けました……

 


『はじめてのおつかい』

作/筒井 頼子
絵/林 明子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。

 


『やっぱりおおかみ』

作・絵/ささき まき
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

ひとりぼっちのおおかみが「け」という、ふくみのあるセリフをつぶやきながら仲間をさがして町をさまよっています。「おれににたこはいないかな」うさぎ、やぎ、ぶた、しか……。いろいろな動物がたくさんいますが、どこへいってもおおかみは満足することができません。仲間に入りたいようで、入りたくないのです。とうとうおばけがたくさんいる墓場までやってきたおおかみですが、はたして仲間をみつけることができるのでしょうか?

 


『こすずめのぼうけん』

文/ルース・エインワース
絵/堀内 誠一
訳/石井 桃子
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

子スズメはお母さんから飛び方を教わりました。羽根をぱたぱたやっているとちゃんと空中にういているので、子スズメはおもしろくなってどんどん遠くまで飛んでいきました。そのうちに羽根が痛くなったので休もうと思いましたが、ようやく見つけた巣にはカラスやヤマバトやフクロウがいて、中に入れてもらえません。やがてあたりは暗くなって……。骨格のしっかりした物語絵本です。

 


『もこ もこもこ』

作/谷川 俊太郎
絵/元永 定正
定価/1430円(税込)
対象/赤ちゃんから
文研出版
1977年4月発行

「しーん、もこもこ、にょきにょき」とふくれあがったものは、みるまに大きくなってパチンとはじけました。詩人と異色の画家がおりなす不思議でおかしな世界の絵本。

 


『ふたりはいつも』

作/アーノルド・ローベル
訳/三木 卓
定価/1045円(税込)
対象/幼児から
文化出版局
1977年5月15日発行

がまくんとかえるくんのユーモラスな冒険物語が5編。「そりすべり」「アイスクリーム」「クリスマス・イブ」など春夏秋冬、一年間のふたりの生活が盛りこまれています。

 


『よあけ』

作・絵/ユリー・シュルヴィッツ
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1977年6月25日発行

山に囲まれた湖の畔、暗く静かな夜明け前。おじいさんと孫が眠っています。沈みかけた丸い月は湖面にうつり、そよ風の立てるさざ波にゆらめきます。やがて水面にもやが立ち、カエルのとびこむ音、鳥が鳴きかわす声が聞こえるようになると、おじいさんは孫を起こします。夜中から薄明、そして朝へ……。刻々と変わっていく夜明けのうつろいゆく風景を、やわらかな色調で描きだします。絵本をながめる人に静かな高揚感をもたらしてくれる1冊。

 


『100万回生きたねこ』

文・絵/佐野 洋子
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
講談社
1977年10月19日発行

100万年も しなない ねこが いました。100万回も しんで、100万回も いきたのです。りっぱな とらねこでした。100万人の人が、そのねこが しんだとき なきました。ねこは、1回も なきませんでした。読むたびにちがう気持ちになる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。

 


『ジオジオのかんむり』

作/岸田 衿子
絵/中谷 千代子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1978年4月1日発行

ジオジオはライオンの中でも一番強かった王さまで、立派なかんむりをかぶっています。でも、ひとりぼっちでした。そこへ、卵をすべて失った小鳥がやってきました。嘆く小鳥にジオジオは語りかけます。「たまごをうみたいなら、いいところがあるぞ」。それはなんとジオジオのかんむりの中。ここなら安心、たまごは無事かえり小鳥たちは元気にジオジオのまわりを飛び回ります。年老いたライオンと小鳥との心の交流を優しいタッチで描きます。