絵本の豆知識

目次

  1. 全国の絵本美術館ガイド 前編16選
  2. 全国の絵本美術館ガイド 後編11選

 


▶絵本美術館 まどのそとのそのまたむこう/福島・いわき

いわき市内にある私立保育園の付属施設として建てられた。建築は安藤忠雄氏の設計によるもの。太平洋が一望出来る館内では約1500冊の絵本を壁一面に展示し、手にとって読むことができる。本来は、園児が利用する目的で開館したもので、子どもたちが利用しない日のみ、一般公開される。


住所/福島県いわき市平豊間字合磯209-42
*観覧には往復はがきによる見学申込が必要

 


▶鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館/新潟・十日町

2005年に廃校になった小学校を、2009年7月、空間絵本美術館としてリニューアル。美術館は丸ごと、絵本作家の田島征三が長年思い描いてきた空間絵本になっている。


住所/新潟県十日町市真田甲2310-1
TEL/025-752-0066
観覧料
大人/700円
小中学生/300円
開館時間/10:00~17:00(10、11月は10:00~16:00)
休館日/水・木曜日(祝日の場合は翌日)
*開館期間は4月下旬~11月28日

 


▶射水市大島絵本館/富山・射水

「感じる」「つくる」「伝える」をテーマした複合施設。ギャラリーでは国内及び海外の絵本作家の原画展を隔月で入れ替え開催している。絵本約1万冊が揃うライブラリーの他、ワークショップなども行っている。また、毎年「手づくり絵本コンクール」を開催している。

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住所/富山県射水市鳥取50
TEL/0766-52-6780
観覧料
大人/510円
中高生/310円
小学生/100円
開館時間/9:30~17:30
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

 


▶飛騨絵本美術館 ポレポレハウス/岐阜・夏厩

田島征三の原画を常設展示(3カ月毎に入替)する他、館長が収集した約1000冊の絵本を公開している。カントリー調の建物内に2つの展示室があり、年に数回企画展も開催。隣接するログハウス風コテージはペット連れでの宿泊も可能。


住所/岐阜県高山市清見町夏厩713-23
TEL/0577-67-3347
観覧料
高校生以上/700円
子供/300円
3歳以下/無料
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/12月26日~翌3月14日

 


▶森の中の家 安野光雅館 和久傳の森/京都・京丹後

安野光雅の描く繊細で柔らかな水彩画の世界に相応しく、森に抱かれてひっそりとたたずむような美術館。採光の為のわずかな開口部より外の自然を感じながら絵画を鑑賞できる展示室の設計は安藤忠雄による。

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住所/京都府京丹後市久美浜町谷764
TEL/0772-84-9901
観覧料
一般/1000円
中高校生/600円
小学生/400円
開館時間/9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月1日

 


▶大阪府立国際児童文学館/大阪・東大阪

大阪府立国際児童文学館より約70万点の資料を引き継ぎ、開館。貴重な資料展示の他、年に5回程度、絵本作家の原画展なども企画している。

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住所/東大阪市荒本北1-2-1
TEL/06-6745-0170
観覧料/無料
開館時間/9:00~17:00
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、第2木曜日、年末年始

 


▶夢路郷土美術館/岡山・中区

岡山の名所、後楽園近くに1984年竹久夢二生誕100年を記念して開館。夢二の描いた、版画、水彩画、スケッチや、夢二が書いた本や手紙など、作品と資料あわせて約3000点を収蔵し、約100点の夢二の作品を常設展示している。


住所/岡山県岡山市中区浜2-1-32
TEL/086-271-1000
観覧料
大人/800円
中高大学生/400円
小学生/300円
開館時間/9:00~17:00(入館は30分前まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

 


▶安野光雅美術館/島根・津和野

津和野町出身で「アンデルセン賞」受賞画家、安野光雅の美術館。多彩な原画を常設展示するほか、プラネタリウムや絵本を閲覧できる図書館などを併設している。

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住所/島根県津和野町後田イ60-1
TEL/0856-72-4155
観覧料
一般/800円
中高生/400円
小学生/250円
開館時間/9:00~17:00(入館は16:45まで)
休館日/12月29日〜31日、3月、6月、9月、12月の第2木曜日

 


▶葉祥明 阿蘇高原絵本美術館/熊本・阿蘇

葉祥明の絵の故郷である、阿蘇長陽村の美しい丘の上にたたずむ。展示室では、絵本の主人公・犬のジェイクをはじめ、絵本の原画や詩の言葉を展示しており、季節ごとに原画を入れ替えている。

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住所/熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽5988-20
TEL/0967-67-2719
観覧料
大人/450円
中高生/250円
小学生/150円
開館時間/10:00~16:00(入館は30分前まで)

 


▶祈りの丘絵本美術館/長崎・南山手

こどもの本の店「童話館」が運営。1階は書店、2階から美術館のフロアになっている。美術館では、所蔵している国内外の絵本の原画による常設展や、企画展を開催。

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住所/長崎県長崎市南山手町2-10
TEL/095-828-0716
観覧料
大人・大学/300円
小・中・高/200円
開館時間/10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、展示入れ替え日、年末年始

 


▶木城えほんの郷/宮崎・木城

森の斜面に位置する広大な敷地に美術館と図書館の要素をあわせもつ。国内外の絵本と原画を収集・展示している。


住所/宮崎県児湯郡木城町石河内475
TEL/0983-39-1141
観覧料
大人/500円
小中高生/300円
*特別展・特別企画の際は特別料金になる
開館時間/10:00~17:00(入館は30分前まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)

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  1. 全国の絵本美術館ガイド 前編16選
  2. 全国の絵本美術館ガイド 後編11選

 


▶安曇野ちひろ美術館/長野・安曇野

1997年、ちひろ美術館・東京の開館20周年を記念して開館。ちひろの作品の他、世界の絵本画家の作品にも出会える。


住所/長野県北安曇郡松川村西原3358-24
TEL/0261-62-0772
観覧料
大人/800円
高校生以下/無料
開館時間/9:00~17:00
休館日/12月中旬~2月末、その他不定休

 


▶絵本美術館&コテージ 森のおうち/長野・安曇野

1994年4月オープン。国内外の絵本原画を年間5~6回企画を変えて展示。館内に約8000冊所蔵の図書室や絵本にちなんだおもしろいランチやケーキが楽しめるカフェ、ショップもある。また、静かにゆっくりと過ごせるコテージを併設。絵本を使った心温まる美術館貸し切りの結婚式も人気。

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住所/長野県安曇野市穂高有明2215-9
TEL/0263-83-5670
観覧料
大人/800円
小・中学生/500円
3才以上/250円
3歳未満/無料
*ベビーカーで入館可
開館時間/9:30~17:00(入館は16:30まで)
*12月~2月/9:30~16:30(入館は16:00まで)

 


▶軽井沢 絵本の森美術館 ムーゼの森/長野・軽井沢

近現代に活躍する作家の絵本原画、初版等の絵本資料を展示している。欧米絵本の創成期から現代まで広く紹介する絵本の専門美術館の先駆けとして1990年に開館。施設の拡充を行いながら、2つの展示館、図書館、ショップが点在する。

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住所/長野県北佐久郡軽井沢町長倉182
TEL/0267-48-3340
観覧料
大人/900円
中高生/600円
小学生/450円
開館時間
3~11月/9:30~17:00
12・1月/10:00~16:00
*入館は閉館時間の30分前まで
休館日/火曜日、展示入替期間、1月中旬~2月末

 


▶小さな絵本美術館/長野・岡谷

「ばばばあちゃん」シリーズの絵本作家さとうわきこが主宰する美術館。1990年11月に諏訪湖近くのリンゴ園の中に建てられた。現在活躍中の画家をはじめ、先人たちの作品も企画展示している。


住所/長野県岡谷市長地権現4-6-13
TEL/0266-28-9877
観覧料
大人/700円
中高生/300円
小学生/200円
開館時間/10:00~17:00(入館は30分前まで、8月は17:30まで)
休館日/火曜・第2水曜日(8月無休)、年末年始、1月中旬~3月中旬

 


▶イルフ童画館/長野・岡谷

岡谷市出身の童画家、武井武雄の作品を中心に展示。『かいじゅうたちのいるところ』で有名なモーリス・センダックの作品収蔵は日本一を誇る。また、国内外の絵本作家の企画展を年間5、6回実施している。


住所/長野県岡谷市中央町2-2-1
TEL/0266-24-3319
観覧料
一般/500円
中・高校生/300円
小学生/150円
開館時間/10:00~19:00
休館日/水曜日(祝日の場合は翌日)

 


▶黒姫童話館/長野・信濃町

世界各国の童話や絵本、信州の昔話などを収蔵、展示し、『はてしない物語』『モモ』の作者ミヒャエル・エンデ、松谷みよ子を中心とした国内外のおなじみの童話作家の作品を、親しみをもって学べるように紹介している。

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住所/長野県上水内郡信濃町野尻3807-30
TEL/026-255-2250
観覧料
一般/600円
小・中学生/400円
開館時間/9:00~17:00(入館は30分前まで)
休館日/5・6・9・10月の末日(日、祝日の場合はその翌日)、12月1日~翌年4月4日

 


▶斑尾高原絵本美術館/長野・斑尾

海外の作家を中心とした原画展を開催する小さな美術館。展示内容は3〜4カ月で変わる。


住所/長野県飯山市斑尾高原11492-224
TEL/0269-64-2807
観覧料
一律/700円
未就学児/無料 
開館時間/9:30~18:00(入館は30分前まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)

 


▶いわむらかずお えほんの丘美術館/栃木・那須

「14ひきのシリーズ」が人気の絵本作家いわむらかずおが館長を務める。絵本や自然をテーマにした展示を行う3つの展示スペースの他、小さなホールと読書コーナー、絵本やグッズを販売しているショップ、手作りのケーキが食べられるティールームがある。


住所/栃木県那須郡那珂川町小砂3097
TEL/0287-92-5514
観覧料
大人/900円
中高生/700円
小学生/500円
幼児/300円
開館時間/10:00~17:00(入館は30分前まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

 


▶ちひろ美術館・東京/東京・練馬

いわさきちひろが最後の22年間を過ごし、数々の作品を生み出した自宅兼アトリエ跡に建てられた。1977年9月、ちひろの死から3年後に、世界で最初の絵本美術館として開館。ちひろ愛用のソファに座って絵を観ることができる展示室、忠実に復元されたアトリエ、ちひろが愛し育てた草花や樹木が植えられた庭など、ちひろを身近に感じながら楽しむことができる。


住所/東京都練馬区下石神井4-7-2
TEL/03-3995-0612
観覧料
大人/800円
高校生以下/無料
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日(祝休日は開館、翌平日休館)

 


▶PLAY! MUSEUM/東京・練馬

絵とことばがテーマの美術館。絵本やマンガ、アートの本格的な展覧会を行う。有名な絵本作家の世界を紹介する「常設展」と、五感を使って体感的に楽しめる「企画展」の、ふたつの展覧会を同時に見ることができる。


住所/東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3
TEL/042-518-9625
観覧料
一般/1500円
大学生/1000円
高校生/800円
中・小学生 /500円
開館時間/10:00〜18:00(入場は17:30まで)

 


▶えほんミュージアム清里/山梨・清里

国内外の絵本の原画を展示する絵本美術館。1997年4月のオープン以来、年に数回の企画展を開催し、魅力あふれる絵本の原画を紹介している。常設展は、イメージの魔術師と呼ばれるイギリスの絵本作家、エロール・ル・カインの作品。


住所/山梨県北杜市高根町清里3545-6079
TEL/0551-48-2220
観覧料
一般/600円
小中学生/300円
開館時間/10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日/火曜日(祝日の場合は翌日)

 


▶黒井健絵本ハウス/山梨・清里

『手ぶくろを買いに』などを描いた画家、黒井健による私設美術館。4月から11月までの開館時期には2カ月毎の展示替えを行いながら原画を公開している。敷地内にアトリエも。「えほんミュージアム清里」から徒歩5分。


住所/山梨県北杜市高根町清里朝日ヶ丘3545-937
TEL/0551-48-3833
観覧料/600円
開館時間/10:00~17:30(入館は30分前まで)
休館日/火曜日、12月1日〜3月31日

 


▶河口湖 木ノ花美術館/山梨・河口湖

猫の「ダヤン」シリーズでおなじみの作家、池田あきこが創作した架空の国「わちふぃーるど」をテーマにした美術館。


住所/山梨県南都留郡富士河口湖町河口3026-1
TEL/0555-76-6789
観覧料
一般・大学生/500円
中学・高校生/400円
小学生以下/大人同伴で無料
開館時間
3月〜11月/9:00~17:00
12月〜2月/10:00~16:00

 


▶ターシャ・テューダー ミニミュージアム/山梨・北杜

アメリカの絵本作家ターシャ・テューダーの常設の美術館。子供から大人まで楽しめる絵本の原画や資料を展示している絵本の樹美術館に併設。

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住所/山梨県北杜市大泉町西井出字石堂8240-4579
TEL/0551-45-8788
観覧料
大人/700円
小中学生/400円
開館時間/10:00~17:00
休館日/火、水、木曜日、11月下旬~3月下旬頃

 


▶小淵沢絵本美術館/山梨・小淵沢

イギリスの絵本画家であるケイト・グリーナウェイの作品をはじめとする欧米の絵本画家中心の美術館。

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住所/山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3331-441
TEL/0551-36-5717
観覧料
小学生以上/600円
未就学の幼児/無料
開館時間/10:00~17:00(夏期9:30~18:00)
休館日/水曜日(祝日の場合は翌日)

 


▶ワイルドスミス絵本美術館/静岡・伊東

イギリスの絵本作家、ブライアン・ワイルドスミスの美術館。絵本原画、デッサン、写真などを作家の言葉とともに観覧できる。

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住所/静岡県伊東市大室高原9-101
TEL/0557-51-7330
観覧料
大人/1000円
中高生/800円
小学生/500円
幼児/無料
開館時間/10:00~17:00(入館は30分前まで)
休館日/2016年4月から臨時休館中

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絵本には実際に存在する町や風景を舞台にしたものも数多く存在します。こうした作品は、作家自身の生まれ故郷であったり、あるいは長く暮らした場所であることが多く、だからこそ描かれた世界に説得力があります。その説得力が子どもをお話の世界へと引き込み、いつのまにか作品が原風景として心に留まるのでしょう。長く愛される名作には、確かな理由があるのです。

大人になって絵本の舞台になった風景を前にすると、懐かしい思いや不思議な気分と一緒に、物語の記憶が一気に蘇ることもあるかもしれません。はじめてみる風景なのに、はじめてではない風景です。その瞬間に、絵本の持つ力のすごさを改めて体感することになると思います。

 


『11ぴきのねこ』

文・絵/馬場 のぼる

11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていきます。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにしますが……。あっと驚くどんでん返しが大人気。

舞台/青森県三戸町

 


『しゅっぱつしんこう!』

文・絵/山本 忠敬

大きな駅から特急列車に乗り、山の麓の駅で急行列車に、そして普通列車に乗りかえて山間の小さな駅に着くまでを、目に映るままに克明に描いた乗物の絵本。

舞台/岩手県宮古市「岩泉線」

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『あかまんまとうげ』

作/岩崎 京子
絵/いわさき ちひろ

お母さんが赤ちゃんを産むため入院するあいだ、かっこちゃんはお山のおばあちゃんのところへ行くことに……。そこはお母さんが小さい頃過ごしたところでした。

舞台/長野県上水内郡信濃町黒姫高原

 


『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』

文・絵/いわむら かずお

山奥の夜行列車に動物たちが乗りこんできました。そして口ぐちに人間の身勝手は許せないといいます。自然の大切さを語るファンタジー絵本。

舞台/栃木県益子町「真岡線」

 


『出発進行! 里山トロッコ列車』

文・絵/かこ さとし

蒸気機関車がガラス窓のない吹き抜けのトロッコ列車を引っぱります。沿線には見所がいっぱい。里山の自然を肌で感じることができ、さらに歴史、地理にまつわる話を交えながら、ローカル線の旅を案内します。

舞台/千葉県市原市「小湊鐵道」

 


『はじめてのおつかい』

文/筒井 頼子
絵/林 明子

みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。

舞台/東京都目黒区自由が丘

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『おさかないちば』

文・絵/加藤 休ミ

お寿司屋さんで、お父さんが注文したタイラギという貝のことが気になった「ぼく」は、お寿司屋さんの大将に魚市場に連れていってもらえることになりました。朝、まだ暗いうちから早起きして着いた市場はいったいどんなところなのでしょうか。

舞台/東京都中央区築地市場

 


『とん ことり』

文/筒井 頼子
絵/林 明子

山の見える町に引っ越してきたばかりのかなえ。お父さん、お母さんと荷物の整理をしていると、「とんことり」。玄関の方で小さな小さな音がしました。かなえが玄関に行ってみると、そこにはすみれの花束が落ちています。次の日は、たんぽぽが3本、その次の日は、手紙が郵便受けに入っています。だれからでしょう?ふしぎな「郵便物」をめぐって、新しいお友だちとの出会いを描いた絵本です。

舞台/静岡県伊豆市

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『狐』

文/新美 南吉
絵/長野 ヒデ子

キツネツキの迷信におびえる子どもの姿の内面の動揺を追いながら、母子の強く熱い愛と信頼を感動的に描きます。新美南吉最晩年の傑作。

舞台/愛知県半田市

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『旅の絵本 Ⅷ』

絵/安野 光雅

繊細な筆使いで、世界各地を舞台に旅の楽しさを描いてきた絵ばかりの絵本、『旅の絵本』。八巻目となる今回の旅の舞台は、待望の日本です。お花見や田植え、お祭りに紅葉と、季節の移り変わりとともに、電気が普及する前のなつかしい日本の風景が描かれています。

舞台/富山県南砺市

 


『こんとあき』

文・絵/林 明子

こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、何度も大変なめにあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか? 互いがかけがえのない存在であるこんとあきの冒険の物語。

舞台/鳥取市福部町「鳥取砂丘」

 


『めっきらもっきらどおんどん』

文/長谷川 摂子
絵/降矢 なな

かんたがお宮にある大きな木の根っこの穴から落ちて訪れた国は、何ともへんてこな世界でした。そこの住人“もんもんびゃっこ”“しっかかもっかか”“おたからまんちん”とかんたは仲良しになり、時のたつのを忘れて遊び回ります。けれどもすでに夜。遊び疲れてねむった3人のそばで、心細くなったかんたが「おかあさん」と叫ぶと……躍動することばと絵が子どもたちを存分に楽しませてくれるファンタジーの絵本です。

舞台/島根県平田市「宇美神社」

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『だいちゃんとうみ』

文・絵/太田 大八

だいちゃんは夏休みを海辺の村で過ごします。川えびすくい、釣り、浜辺の食事、水遊びと、暗くなるまで遊んでいると、「晩ごはんのでけたよう。はよ、おいで」と、お母さんの声がします。

舞台/長崎県大村湾

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目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1970年代に出版された名作絵本

 

1960年代に一気に開花した日本の創作絵本は、1970年代にかけて黄金期を迎えました。表現手法、描かれるテーマ、あるいは読者の幅についても広がりを見せ、ありとあらゆるアプローチが試されたことが分かります。
今でもおなじみのタイトルがたくさんあり、まさに現代絵本の礎が築かれたエネルギッシュな10年です。

 


『おふろでちゃぷちゃぷ』

文/松谷 みよ子
絵/いわさき ちひろ
定価/770円(税込)
対象/赤ちゃんから
童心社
1970年5月5日発行

おふろに入る楽しさをあかちゃんにやさしく伝えてくれる本作。画家いわさきちひろさんによって、おふろに入る男の子が愛らしくいきいきと描かれています。ごはんにおふろに寝かしつけにと、お父さんお母さんにとってあわただしい夜の時間に、笑顔がふえる1冊です。

 


『てぶくろをかいに』

文/新美 南吉
絵/若山 憲
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1970年10月発行

寒い冬がきました。山のきつねの母さんは、こぎつねを町までひとりでてぶくろを買いにいかせるのですが……。

 


『はけたよはけたよ』

文/かんざわ としこ
絵/にしまき かやこ
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1970年12月発行

たつくんはひとりでパンツをはけない。裸のまんまで外にとびだしたら、動物たちに見られ、おしりにしっぽがないぞと笑われます。

 


『ふしぎなえ』

絵/安野 光雅
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1971年3月1日発行

階段をあがると上の階へ、またあがると、あれあれ、もとの階にもどっています。迷路に入っていくと、いつのまにか天地がさかさまに。蛇口から流れ出した水は川となってまた水道に循環し、高架道路は地面と同じ高さに……。絵の中だけに存在する不思議な世界に、小人の案内で導かれます。世界的に人気を獲得した絵本作家・安野光雅のデビュー作です。

 


『しばてん』

作/田島 征三
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1971年4月発行

「しばてん」とは、カッパに似た化け物。その生まれ変わりといわれる太郎のたどる運命を、深いペーソス(哀愁)をたたえながら描きます。

 


『モチモチの木』

作/斉藤 隆介
絵/滝平 二郎
定価/1540円(税込)
対象/小学低学年から
岩崎書店
1971年11月20日発行発行

豆太は、夜中にひとりでおしっこにもいけない弱虫。でも、大好きなじさまのために……。真の勇気とは何かを問いかける感動の絵本です。

 


『おばけのバーバパパ』

文・絵/アネット・チゾン、タラス・テイラー
訳/山下 明生
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1972年6月発行

姿を自由に変形できるおばけのバーバパパは火事場で大活躍して、町の人気者になります。

 


『おおきなおおきなおいも』

原案/市村 久子
作・絵/赤羽 末吉
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年10月1日発行

楽しみにしていたいもほり遠足の日、雨が降って延期になってしまいました。残念がる子どもたちは大きな紙においもを描きはじめます。紙をつなげてつなげて、おいもの絵はどんどん大きくなります。大きなおいもは、ヘリコプターで幼稚園に運びます。プールに浮かべて船にしたり、かいじゅうにみたてて遊びます。たくさん遊んだあとは、天ぷら、焼きいも、大学いも、たくさん作っておいもパーティ! 大きなおいもをめぐる子どもたちの空想がつまった絵童話です。

 


『はたらくじどうしゃ 1』

作・絵/山本 忠敬
定価/660円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年10月1日発行

ブルドーザ、パワーショベル、ロードローラ……。簡単に構造まで図鑑的に描いた絵本。

 


『げんきなマドレーヌ』

作/ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳/瀬田 貞二
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年11月10日発行

パリの寄宿学校に12人の女の子が暮らしていました。いつも2列に並んで、パンを食べ、歯をみがき、ベッドに入ります。中でいちばんおちびさんで、いちばん元気なのがマドレーヌ。ネズミなんかこわくないし、動物園のトラもへいっちゃら。ところがある晩、マドレーヌがわーわー泣いています。いつもは冷静なミス・クラベルも大あわて。マドレーヌは盲腸炎で入院し手術することになったのです……。パリの香りいっぱいの絵本です。

 


『あーんあん』

作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1972年12月1日発行

保育園に行くのはいいけれど、お母さんが帰っちゃいやだとぼくが「あーん あーん」と泣きだすと、みんなそろって「あーん あーん」いっしょに泣きだしました。みんなの涙がたまってどんどん増えたら、「あらあら さかなに なっちゃった」。先生から知らされたお母さんが「ばけつとあみ もって ぼくを たすけて くれるでしょ」。初めて幼稚園や保育園に通う子どもたちの気持ちに寄り添うお話です。

 


『おしゃべりなたまごやき』

作/寺村 輝夫
絵/長 新太
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1972年12月10日発行

たまごやきが大好きな王さまがいました。ある日、王さまは散歩の途中で鶏小屋からにわとりを逃がしてしまいます。もちろんお城は大騒ぎ! にわとりを逃がした犯人さがしがはじまりますが、見つかるわけがありません。犯人が見つからないまま、晩ごはんの時間がやってきました。王さまが大好きな目玉焼きにナイフをいれると、目玉焼きの中からふしぎな声がきこえてきました。その声をきいて王さまはびっくり! さてさて、犯人は見つかるのでしょうか?

 


『しろくまちゃんのほっとけーき』

作/わかやま けん
定価/880円(税込)
対象/0歳から
こぐま社
1972年発行

しろくまちゃんがホットケーキを作ります。卵を割って、牛乳を入れて……。焼き上がったらこぐまちゃんを呼んで、二人で「おいしいね」。見開きいっぱいに描かれたホットケーキの焼ける場面は、子どもたちに大人気。

 


『からすのパンやさん』

作・絵/かこ さとし
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1973年9月発行

いずみがもりのからすのまちのパンやさんは、子どもたちの意見を参考にして、すてきな形のパンをどっさり焼きました。

 


『ウルスリのすず』

文/ゼリーナ・ヘンツ
絵/アロイス・カリジェ
訳/大塚 勇三
定価/2200円(税込)
対象/小学中学年から
岩波書店
1973年12月10日発行

アルプスの山おくに元気な男の子ウルスリが住んでいます。明日はすず行列のおまつり。村の男の子たちは、牛の首につけるすずを鳴らして冬をおいだし、春を迎えます。ウルスリはいちばん大きなすずを手に入れて、先頭に立ちたいとはりきります。

 


『ねずみくんのチョッキ』

作/なかえ よしを
絵/上野 紀子
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1974年8月発行

おかあさんがあんでくれた、かわいいチョッキ。“ちょっときせてよ”と動物のなかまたち。あらあら、チョッキがどんどんのびて……。

 


『ぞうのババール』

文・絵/ジャン・ド・ブリュノフ
訳/矢川 澄子
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
評論社
1974年10月20日発行

森で狩人におそわれ、にげだしたババール。どんどんにげて、とうとう人間の町までやってきました。はじめて見るものばかりで、ビックリの連続。ぞうのババールの、ゆかいな冒険と心温まる愛と友情の物語です。

 


『かいじゅうたちのいるところ』

文・絵/モーリス・センダック
訳/じんぐう てるお
定価/1650円(税込)
対象/幼児から
冨山房
1975年12月5日発行

いたずらっこのマックスは、怒ったお母さんに夕飯抜きで寝室にほうり込まれました。そのうち辺りは森になり、ボートに乗って着いたところには、かいじゅうたちが。かいじゅうたちの王さまになったマックスは、みんなと一緒に踊ります。かいじゅうたちを眠らせたあと、さびしくなったマックスは王さまをやめることに。「行かないで」と言うかいじゅうたちを振り切って帰ったところは……。

 


『くまのコールテンくん』

作/ドン・フリーマン
訳/まつおか きょうこ
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1975年5月発行

デパートのおもちゃ売場のくまの人形を一目で好きになり、自分の貯金をはたいて買いに行きます。女の子と人形との心のふれあいを描いた絵本。

 


『はらぺこあおむし』

作/エリック・カール
訳/もり ひさし
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1976年5月発行

小さなあおむしは、もりもりと食べつづけて美しい蝶になりました。数や曜日の認識をおりこみ、穴あきのしかけをこらした斬新な絵本。

 


『ノンタンぶらんこのせて』

作・絵/キヨノ サチコ
定価/660円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1976年8月発行

ノンタンはぶらんこをひとりじめ。友だちとなかなかかわろうとしません。幼児のエゴと自発性をたくみにとらえた、ゆかいなお話。

 


『おおきな木』

作/シェル・シルヴァスタイン
訳/村上 春樹
定価/1320円(税込)
対象/小学低学年から
あすなろ書房
1976年発行(訳/ほんだ きんいちろう、篠崎書林)

いつでもそこにある木。成長し、変わっていく少年。それでも木は、少年に惜しみない愛を与え続けました……

 


『はじめてのおつかい』

作/筒井 頼子
絵/林 明子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。

 


『やっぱりおおかみ』

作・絵/ささき まき
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

ひとりぼっちのおおかみが「け」という、ふくみのあるセリフをつぶやきながら仲間をさがして町をさまよっています。「おれににたこはいないかな」うさぎ、やぎ、ぶた、しか……。いろいろな動物がたくさんいますが、どこへいってもおおかみは満足することができません。仲間に入りたいようで、入りたくないのです。とうとうおばけがたくさんいる墓場までやってきたおおかみですが、はたして仲間をみつけることができるのでしょうか?

 


『こすずめのぼうけん』

文/ルース・エインワース
絵/堀内 誠一
訳/石井 桃子
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1977年4月1日発行

子スズメはお母さんから飛び方を教わりました。羽根をぱたぱたやっているとちゃんと空中にういているので、子スズメはおもしろくなってどんどん遠くまで飛んでいきました。そのうちに羽根が痛くなったので休もうと思いましたが、ようやく見つけた巣にはカラスやヤマバトやフクロウがいて、中に入れてもらえません。やがてあたりは暗くなって……。骨格のしっかりした物語絵本です。

 


『もこ もこもこ』

作/谷川 俊太郎
絵/元永 定正
定価/1430円(税込)
対象/赤ちゃんから
文研出版
1977年4月発行

「しーん、もこもこ、にょきにょき」とふくれあがったものは、みるまに大きくなってパチンとはじけました。詩人と異色の画家がおりなす不思議でおかしな世界の絵本。

 


『ふたりはいつも』

作/アーノルド・ローベル
訳/三木 卓
定価/1045円(税込)
対象/幼児から
文化出版局
1977年5月15日発行

がまくんとかえるくんのユーモラスな冒険物語が5編。「そりすべり」「アイスクリーム」「クリスマス・イブ」など春夏秋冬、一年間のふたりの生活が盛りこまれています。

 


『よあけ』

作・絵/ユリー・シュルヴィッツ
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1977年6月25日発行

山に囲まれた湖の畔、暗く静かな夜明け前。おじいさんと孫が眠っています。沈みかけた丸い月は湖面にうつり、そよ風の立てるさざ波にゆらめきます。やがて水面にもやが立ち、カエルのとびこむ音、鳥が鳴きかわす声が聞こえるようになると、おじいさんは孫を起こします。夜中から薄明、そして朝へ……。刻々と変わっていく夜明けのうつろいゆく風景を、やわらかな色調で描きだします。絵本をながめる人に静かな高揚感をもたらしてくれる1冊。

 


『100万回生きたねこ』

文・絵/佐野 洋子
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
講談社
1977年10月19日発行

100万年も しなない ねこが いました。100万回も しんで、100万回も いきたのです。りっぱな とらねこでした。100万人の人が、そのねこが しんだとき なきました。ねこは、1回も なきませんでした。読むたびにちがう気持ちになる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。

 


『ジオジオのかんむり』

作/岸田 衿子
絵/中谷 千代子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1978年4月1日発行

ジオジオはライオンの中でも一番強かった王さまで、立派なかんむりをかぶっています。でも、ひとりぼっちでした。そこへ、卵をすべて失った小鳥がやってきました。嘆く小鳥にジオジオは語りかけます。「たまごをうみたいなら、いいところがあるぞ」。それはなんとジオジオのかんむりの中。ここなら安心、たまごは無事かえり小鳥たちは元気にジオジオのまわりを飛び回ります。年老いたライオンと小鳥との心の交流を優しいタッチで描きます。

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目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1960年代に出版された日本の創作絵本

 

福音館書店が月刊絵本「こどものとも」を創刊したのが1956年。ここから一気に日本の創作絵本が盛り上がっていきました。
それまで日本には「絵本作家」という職業は確立されたものではなくて、だからこそ保母さんだった中川李枝子さんや、研究所に勤務しながら子どもたちを相手に紙芝居などの活動をしていた加古里子さんなど、いろいろな場所から才能が集結した時代でもありました。
当時の子どもたちを魅了した絵本は、今でも読み継がれているものも多く、懐かしいけれど色あせない名作がたくさんあります。

 


『ももたろう』

文/松居 直
絵/赤羽 末吉
定価/1210円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1965年2月20日発行

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。桃をもちかえって切ろうとしたら、なんと桃からかわいい男の子が生まれました。「桃太郎」と名付けられた男の子は、おばあさんとおじいさんが用意してくれたおかゆや魚を食べて、どんどん大きくなり、立派に成長します。そんなある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、鬼退治にでかけることにします。力強い絵とともに、真の昔話の面白さが味わえる1冊です。

 


『ないたあかおに』

文/浜田 廣介
絵/池田 龍雄
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1965年12月発行

村人となかよくしたい赤おにと、そのねがいをかなえてやろうと、自分が悪者になる青おに。おに同士の友情を感動的に描きます。

 


『しょうぼうじどうしゃじぷた』

作/渡辺 茂男
絵/山本 忠敬
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年6月10日発行

高いビルにはしごをのばして火を消すことのできる、はしご車ののっぽくん。たくさんの水で激しい炎も消すことのできる高圧車のばんぷくん。けが人を運んで助ける救急車のいちもくさん。大きくて立派な働きをするみんなは、いつも小さな消防自動車じぷたを「ちびっこ」あつかいしていました。でも、道がせまい山の中で火事がおこりました。このままでは山火事になってしまいます。そんなとき、出動を命じられたのはなんとじぷたでした。

 


『かばくん』

作/岸田 衿子
絵/中谷 千代子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1966年12月25日発行

動物園に朝が来ました。ねぼすけのかばくん親子のところに、かめくんを連れた飼育係の男の子がやってきます。「おきてくれかばくん」。今日は日曜日。動物園は大にぎわい。水からあがったがかばくんが姿を現すと、動物園に来ていた子どもたちはびっくり。やがてご飯の時間、かばくんはキャベツをまるごと一口でぱくり。食べた後はごろんところがっておやすみなさい……。シンプルで詩的な文章と、キャンバスの地を活かした油絵が、大きくてユーモラスなかばの姿を生き生きと描きます。

 


『ぐるんぱのようちえん』

作/西内 ミナミ
絵/堀内 誠一
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年12月15日発行

ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞうです。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話をたのまれたぐるんぱは、とても素敵なものを作ります。それはぐるんぱが作った大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる、すてきな幼稚園でした。

 


『ぐりとぐら』

作/なかがわ りえこ
絵/おおむら ゆりこ
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年1月20日発行

お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけました。目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えたすえ、カステラを作ることにしました。でも、卵があまり大きくて運べません。そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにしました。カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちも集まってきます……。みんなの人気者ぐりとぐらは、この絵本で登場しました。

 


『いないいないばあ』

文/松谷 みよ子
絵/瀬川 康男
定価/770円(税込)
対象/0歳から
童心社
1967年4月15日発行

「赤ちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を」の想いから、日本初の本格的な赤ちゃん絵本として誕生して半世紀。はじめて出会う一冊として、世代を越えて読みつがれています。いないいない、ばあ。にゃあにゃが、くまちゃんが、ほらね、いないいない……。親子の伝承遊びを絵本に再創造した作品。

 


『だるまちゃんとてんぐちゃん』

作・絵/加古 里子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年11月20日発行

だるまちゃんは友だちのてんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがります。てんぐのうちわや素敵な履物、なんとしまいには鼻まで。お父さんのだるまどんは思いつく限りの物を集めてきますが、だるまちゃんのお気に入りはいつも意外なところに……。だるまちゃんとだるまどんはどんなアイデアを思いついたでしょう?ユーモアあふれる物語と楽しいものづくしの絵本。大人気「だるまちゃん」シリーズの第一作です。

 


『11ぴきのねこ』

作/馬場 のぼる
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
こぐま社
1967年発行

11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていきます。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにしますが……。あっと驚くどんでん返しが大人気。

 


『ねないこだれだ』

作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1969年11月10日発行

夜の9時です。「とけいがなりますボンボンボン」こんな時間におきているのはだれだ? ふくろう、くろねこ、どろぼう……。いえいえ、夜中はおばけの時間。あれ? まだ寝ていない子がいますよ。おばけになってとんでいけ! おばけがなかなか寝ない子をおばけの世界に連れていってしまいます。シンプルなはり絵と独特のストーリーで、子どもたちをひきつけてやまない赤ちゃん絵本です。

 


『わたしのワンピース』

作/にしまき かやこ
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
こぐま社
1969年発行

空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。それを着てお花畑を通るとワンピースは花模様に、雨が降ると水玉模様に……、次々と柄が変わります。日本を代表するファンタジー絵本。

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目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1960年代に出版された外国絵本

 

『100まんびきのねこ』

文・絵/ワンダ・ガアグ
訳/いしい ももこ
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1961年1月1日発行

年をとったおじいさんとおばあさんは、寂しいのでねこを飼うことに決めました。ねこを探しに出かけたおじいさんは、たくさんのねこであふれた丘にたどりつきます。しろいねこ、しろくろのねこ、はいいろのねこ、どのねこもかわいく見え、おじいさんはみんなを連れてうちに帰ってきます。でも、そんなにたくさんのねこは飼えません。そこで、おじいさんとおばあさんは、どのねこを家に置くかをねこたちに決めさせようとしますが……。

 


『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』

文・絵/バージニア・リー・バートン
訳/むらおか はなこ
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1961年8月1日発行

ちいさな機関車のちゅうちゅうは、いつも客車や貨車を引いて小さな駅と大きな駅の間を走ります。ある日ちゅうちゅうは、みんなの注目を集めたくて、ひとりだけで走り出してしまいます。威勢よく走るちゅうちゅうに、まわりのみんなは驚き、怒り出します。やがて日が暮れて、石炭も水も少なくなり、古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまったちゅうちゅう。そこに迎えに来てくれたのは、最新式の汽車にのった機関士でした。

 


『アンディとらいおん』

文・絵/ジェームズ・ドーハーティ
訳/むらおか はなこ
定価/1430円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1961年8月1日発行

図書館からライオンの本を借りてきたアンディは、寝ても覚めても、頭の中はライオンのことばかり。ある朝、学校に行く途中で、アンディは本物のライオンに出会い、前足にささった太いとげを抜いてあげます。それから間もなく、町にやってきたサーカスに出かけたアンディは、檻から逃げ出したライオンとでくわしてしまいます。ところが、どうでしょう! そのライオンはアンディが助けたあのライオンだったのです。

 


『3びきのくま』

文/トルストイ
絵/バスネツォフ
訳/おがさわら とよき
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1962年5月1日発行

森で迷子になった女の子は、小さな家を見つけます。食堂には大きなお椀、中くらいのお椀、小さなお椀に入ったスープが。女の子は小さなお椀のスープをすっかり飲んでしまいます。隣の寝室には大きなベッド、中くらいのベッド、小さなベッドが。女の子は小さなベッドで眠ってしまいます。そこへ、散歩に出かけていた3匹のくまが帰ってきます。この家は大きなお父さんぐま、中くらいのお母さんぐま、小さな子どものくまの家だったのです。

 


『もりのなか』

文・絵/マリー・ホール・エッツ
訳/まさき るりこ
定価/1100円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1963年12月20日発行

ラッパをもって森に散歩にでかけた男の子は、ライオン、ゾウ、クマと、いろいろな動物たちに出会います。男の子はラッパをふきながら、みんなと行列をつくって森を散歩をします。そして森の中で、かくれんぼうをはじめますが、男の子が鬼をしているうちに、動物たちは姿を消していました。かわりに現れたのは、男の子を探しにきたお父さんでした。「またこんどまでまっててくれるよ」、お父さんはそういうと男の子を肩車にのせて、おうちに帰っていきました。

 


『どろんこハリー』

文/ジーン・ジオン
絵/マーガレット・ブロイ・グレアム
訳/わたなべ しげお
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1964年3月15日発行

ハリーは、黒いぶちのある白い犬です。なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ハリーは体を洗うブラシを口にくわえて逃げだして、ブラシを裏庭に埋めました。それから、家の外に出て行ってしまいます。泥だらけ、すすだらけになったハリーが家に戻っても誰も分かってくれません。がっかりしたハリーが、裏庭でブラシを見つけ出し、わんわん吠えると……。

 


『ちいさな うさこちゃん』

文・絵/ディック・ブルーナ
訳/石井 桃子
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1964年6月1日発行

うさぎのふわふわさんとふわおくさんはとっても仲良しです。あるひ、ふわおくさんのところに天使がやってきて、かわいい赤ちゃんが生まれました。ふたりは赤ちゃんに「うさこちゃん」という名前をつけます。太った牛ににわとり、たくさんの動物がうさこちゃんを見にやってきて、ふたりにお祝いの言葉を贈ります。

 


『あおい目のこねこ』

作・絵/エゴン・マチーセン
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年4月1日発行

青い目の元気なこねこは、ねずみのくにをみつけにでかけます。途中、さまざまな困難にあっても、前向きに進んでいくこねこは、同じく、ねずみのくにを探す黄色い目の5匹のねこたちに出会い、一緒に暮らすことにします。ある日、犬に襲われた黄色い目のねこたちを助けようとしたこねこは、急に吠えた声に驚いた拍子に犬の背にとび乗ってしまいます。犬は背中に青い目のこねこをのせたまま駆け出し、そして行きついたところは……。

 


『かもさんおとおり』

文・絵/ロバート・マックロスキー
訳/渡辺 茂男
定価/1430円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1965年5月1日発行

かもの一家が、川から公園へ引越しです。かもたちは1列になって町の中を歩き出しました。さあ、たいへん! おまわりさんは自動車をとめて交通整理。パトカーまで出動です。

 


『しろいうさぎとくろいうさぎ』

文・絵/ガース・ウィリアムズ
訳/松岡 享子
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年6月1日発行

しろいうさぎとくろいうさぎは、毎日いっしょに遊んでいました。でも、くろいうさぎはときおり悲しそうな顔で考えこんでいます。心配になったしろいうさぎがたずねると「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」と、くろいうさぎはこたえます。くろいうさぎが願っていたのは、しろいうさぎといつまでも一緒にいられることでした。それを知ったしろいうさぎはどうしたでしょうか? 結婚式の贈り物に選ばれることも多い、優しく柔らかな2ひきのうさぎの物語です。

 


『三びきのやぎのがらがらどん』

文/マーシャ・ブラウン
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年7月1日発行

橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。とうとう、一番大きくて強いヤギがトロルに勝負を挑みます。3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか?

 


『ラチとらいおん』

文・絵/マレーク・ベロニカ
訳/ともなが やすとも
定価/1210円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年7月14日発行

ラチは世界でいちばん弱虫です。犬をみると逃げ出しますし、暗い部屋には入ることができません。そんなラチのところに小さな強いライオンがやってきました。ラチはライオンがそばにいてくれることで少しずつ強くなっていきます。ある日、友だちのボールをとったのっぽの男の子をラチは夢中でおいかけボールを取り返します。ふときがつくとライオンの姿はありません……。あわてたラチが家にもどると、ライオンからの素敵な手紙が残されていました。

 


『てぶくろ』

絵/エウゲーニー・M・ラチョフ
訳/内田 莉莎子
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1965年11月1日発行

おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミが住みこみました。そこへ、カエルやウサギやキツネが次つぎやってきて、「わたしもいれて」「ぼくもいれて」と仲間入り。手袋はその度に少しずつ大きくなっていき、今にもはじけそう……。最後には大きなクマまでやって来ましたよ。手袋の中はもう満員! そこにおじいさんが手袋を探しにもどってきました。さあ、いったいどうなるのでしょうか?

 


『おだんごぱん』

絵/脇田 和
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年5月1日発行

おばあさんは粉箱をごしごしひっかいて集めた粉で、おだんごぱんを焼きました。窓のところで冷やされたおだんごぱんは、ころんと転がると、いすからゆかへ、ゆかから戸口を出て、おもての通りへ逃げ出しました。途中で出会ったウサギからも、オオカミからも、クマからも上手に逃げたのに、口のうまいキツネに、つい気を許して……。ロシアの民話の絵本。

 


『おおきなかぶ』

再話/A・トルストイ
絵/佐藤 忠良
訳/内田 莉莎子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1966年6月20日発行

おじいさんが植えたかぶが、甘くて元気のよいとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。とうとう猫はねずみを呼んできますが……。

 


『おやすみなさいフランシス』

文/ラッセル・ホーバン
絵/ガース・ウィリアムズ
訳/まつおか きょうこ
定価/880円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年7月1日発行

時計が夜の7時をしらせると、フランシスの寝る時間です。まずミルクを飲み、お休みのキスをして、ベッドに入ります。ところが、ちっとも眠くなりません。そのうちに、部屋の中にトラがいるような気がして心配になり、おとうさんとおかあさんのところへ。もう一度キスをしてもらいふとんに入りますが、今度は部屋に大男がいる気がしてねむることができません。さてさて、フランシスはぶじに眠りにつくことができるのでしょうか?

 


『はなをくんくん』

文/ルース・クラウス
絵/マーク・シーモント
訳/木島 始
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年3月20日発行

冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも…。でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。みんなはなをくんくんさせながら、雪の中をかけていきます。みんなとまって、笑って、踊りだしました。「ゆきのなかにおはながひとつさいてるぞ!」やわらかいタッチの美しい絵と、詩のような文で、自然の摂理と喜びをやさしく子どもに語りかけます。

 


『スーホの白い馬』

再話/大塚 勇三
絵/赤羽 末吉
定価/1540円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1967年10月1日発行

モンゴルに住んでいた羊飼いの少年スーホは、貧しいけれどよく働き、美しい声をした少年でした。そのスーホがある日つれて帰った白い子馬は、だんだん大きくなり、スーホととても仲良くなりました。スーホは白い馬のために、白い馬はスーホのために一生懸命でしたが……。モンゴルに伝わる楽器、馬頭琴の由来の哀切な物語。

 


『あおくんときいろちゃん』

絵/レオ・レオニ
訳/藤田 圭男
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
至光社
1967年発行

あおくんはきいろちゃんと遊びたくて、あちこち探し回ってようやく見つけました。二人はうれしくて抱き合って喜ぶうちに、混ざって緑色になってしまいます。家に帰ると、あおくんの家でもきいろちゃんの家でも「うちの子じゃない」と言われてしまい、二人は悲しくて泣いて全部涙になってしまいました。すると……。

 


『すてきな三にんぐみ』

作/トミー・アンゲラー
訳/いまえ よしとも
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1969年12月発行

宝集めに夢中だった、黒マントに黒帽子の3人組の大盗賊。ひょんなことから孤児たちを集め、すてきなお城をプレゼントしました。

 


『スイミー』

作/レオ・レオニ
訳/谷川 俊太郎
定価/1602円(税込)
対象/3歳から
好学社
1969年発行

小さな黒い魚スイミーは、兄弟みんなが大きな魚にのまれ、ひとりぼっちに。海を旅して出会った仲間と大きな魚に立ち向かいます。

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ちょうど僕が就職活動をしていた時代、入社試験に「だんご3兄弟について述べよ」という問題があったことを鮮明に覚えています。それくらい「だんご3兄弟」は大ブームを起こしました。

それを仕掛けたのが佐藤雅彦さんで、僕の最も尊敬するクリエイターのひとりです。
名前は知らなくても、湖池屋の「ポリンキー」やNECの「バザールでござーる」のテレビコマーシャルを記憶している人は多いと思いますし、あるいはソニーから発売されたパズルゲーム「I.Q」にハマった人、NHKの「ピタゴラスイッチ」に釘付けになった人は、みんな佐藤さんのクリエイティブを楽しんだことのある人です。

その佐藤さんが2013年に紫綬褒章を授与された際のインタビューは、今でもときどき振り返ってみています。ずっと表現に関わってきたトップランナーの言葉は、貴重な先人の知恵です。

人類の歴史で、これほど簡単に誰でも先人の知恵を共有できたことはありません。そのため、知っていることの優位性は薄れますが、圧倒的に高いステージから創作をスタートできることは幸運な時代だと思います。

 


 

(以下、インタビューより抜粋)

ジャンプをするために大切なのは、うまく待つことと、ものすごく研究すること

表現を解釈する人、テレビだったら視聴者、書籍だったら読者は鑑賞者としてプロだと思っています。
受け取る人にとって、「あ、これは新しい分かり方だ」ということがないと、その表現を認めてもらえません。いつもそこで何らかのジャンプが行われなくちゃいけません。過去の表現を流用したりすると軽く見抜かれてしまいます。
やったことがなくて、やられたことがなくて、まだ言語化されてないけれど「これは面白いんじゃないか」というものを見つけること。ジャンプしたあかつきには言語化できます。大切なのは、うまく待つことと、ものすごく研究することだと思います。

 


作り方をつくる。自分の「表現方法論」をつくって具体的にする

コマーシャルを作っていた時期は、作り方をつくっていました。
自分の表現方法論を作っては、それを具体的に、例えばトヨタ自動車から「カローラⅡ」の依頼がきたら「映像は音から作る」という方法論で「カローラⅡに乗って♪」と小沢健二が歌ったら、すごくカローラⅡのブランドが上がるとか。
NECから店頭フェアのCMをやりたいと言われた時、いいネーミングがないという時は「濁音時代」という方法論がありました。「ダースベイダー」「午後の紅茶」とか濁音がやけに強いという方法論ですが、そのときに「バザールでござーる」や「だんご3兄弟」など「濁音時代」での方法論で作りました。
その時から表現方法論を作っては試していました。何百本も作った後に自分はこの表現方法を作りたかったんだということが分かりました。

 


新しいものを作るとき、作り方が新しければおのずとできたものも新しい

新しいものを作るとき、作り方が新しければ自ずとできたものも新しいということを教えています。
みんなに言っているのは、作り方を作るということです。いきなりマニュアルを教わって作るというやり方もあるが、そうではなくて作り方を作る。
テレビコマーシャルの作り方を「音から作る」とか、それまでの作り方をちょっと変えたんです。そうすると、みんな「なんか違うぞ」と思う。表現を目指している人たちではなく、新しい製品や新しい事業を作る人にもそう大学で教えています。自分の作り方ってすごく自分のオリジナルがそこに入ります。

 


子ども時代に何かに熱中したことがある人は本当の面白さを知っている

小さいころ虫も魚も、遊びも自分で作ってものすごく夢中になっていました。
「study」だと勉強と訳すが、その語源はラテン語の「studious」で夢中になる、熱中する状態のことです。「studious」になることを覚えた子どもだったら、将来表現をやろうと、研究をやろうと、物を作る人になろうと集中の仕方がわかっているので自分のやりたいことに到達できます。
一番いけないのは体裁だけを整えて「こっちのほうが見映えがいい」とか表面だけのことを覚えて取り繕うことだけが巧みになると。
一度熱中した経験がある子は何が本当に面白いのか分かります。「これが面白いですよ」とかいっぱい情報がありますが、そのときに大事なのは自分の考え、自分の意見です。「なんだつまんないじゃないか」とか「なんか世の中間違っているな」と思ってもいいと思います。

 


考えの整頓『ベンチの足』

定価/1980円(税込)
暮しの手帖社

 


『考えの整頓』

定価/1760円(税込)
暮しの手帖社

 


『新しい分かり方』

定価/2090円(税込)
中央公論新社

 


『このあいだに なにがあった?』

定価/990円(税込)
福音館書店

 


『なにかがいる』

定価/990円(税込)
福音館書店

 


『中を そうぞうしてみよ』

定価/990円(税込)
福音館書店

 


『コんガらガっち どっちにすすむ? の本 』

定価/1320円(税込)
小学館

 


『もぐらバス』

定価/1100円(税込)
偕成社

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目次

  1. 2008年度 IBBY世界大会 レポート①
  2. 2008年度 IBBY世界大会 レポート②

 


IBBY大会テーマは「歴史の中の物語」

 

隔年で開催されるIBBY(国際児童図書評議会)の世界大会。2008年はデンマークの首都コペンハーゲンで行われました。大会といっても、何かを競い合ったりするものではなく、各国の児童書における研究報告や今後の展望について話をする大真面目な場です。

北欧デザインで知られるように、コペンハーゲンの街はやはり洗練されたナチュラルなイメージがあります。少し散策すると目に入ってくるのは、鮮やかな花、やさしい色の壁、豊かな水。そして、幼い子どもを乗せてのんびり走る自転車の多いこと。

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レセプションはチボリ公園で開催されました。チボリ公園は1843年に開園した世界最古のテーマパークで、中央駅に近い街の真ん中に広大な敷地を有し、観覧車やメリーゴーランドがあります。

通されたのは、公園の一角にある、こじんまりとした、でもとても雰囲気の良い劇場です。世界各国から集まったおよそ400人で席はいっぱい。いろんな国の言葉が飛び交う客席は、それだけでも楽しい舞台の一幕のようです。

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オープニングは、ピアノの演奏があったり、子どもたちによる合唱があったり、絵本を題材にした劇があったりと、どれもステキな演出のおもてなしで、会場全体がごきげんな空気に包まれます。

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王女様にも会えた国際アンデルセン賞授賞式

 

華やかなプログラムのあとは一転、司会者がしばしの静寂へと誘います。静寂のまま、一同起立。扉からゆっくりと入っていらっしゃったのは、デンマークのマルガレーテ王妃です。絵本の世界ではなくて、現実の世界の王女様の登場に、会場が一気に盛り上がります。

「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞は、この世界大会で発表されます。世界中の児童文学にかかわる作家の中から、作家賞と画家賞のそれぞれ、たったひとりずつが選出されます。


2008年度の受賞者

作家賞
ユルク・シュービガー(Jürg Schubiger、スイス)
画家賞
ロベルト・イノチェンティ(Roberto Innocenti、イタリア)


舞台の上では、マルガレーテ王妃から、現在の世界最高峰の童話作家と絵本画家のふたりへ、アンデルセンの肖像を象った金メダルが贈られました。金メダルも眩しかったけど、3人の立ち居振る舞いがそれ以上に眩しくて、本当に夢のような時間でした。

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ロベルト・イノチェンティさんとの赤面エピソード

 

授賞式後のパーティ会場に、イノチェンティさんを見つけた僕は、思い切って「授賞式とっても素晴らしかったです」と、声をかけました。それでおもむろに、当時勤めていた会社案内を差し出すと「ぜひ一度ウチの絵本を読んでみてください」と、お願いしました。

すると、仕立てのいいスーツから、これまた仕立てのいいペンを取り出して、さらさらとサインを書くと「はい、どうぞ」と、会社案内が僕の手元に戻ってきました。きっと連日のサイン攻めで、無意識に反応してしまったに違いありません。お茶目な絵本作家さんのおかげで、とても大切な宝物ができました。

その後、少しのイタリア語を話す日本人が珍しかったのか、視線が合うたびに挨拶を交わしてくれるイノチェンティさん。すっかり打ち解けた気分になって「チャオ、ロベルト」なんて気さくに声をかけていましたが、今となってはアンデルセン賞画家の懐の深さがわかる赤面エピソードです。

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国境のない多様な空間で感じた大切なこと

 

翌日からはいくつかの会場に分かれて、様々なテーマを掲げた講演や勉強会が行われました。こうやって各国の児童書事情を共有し、良いところも、課題も含めて、またそれぞれが持ち帰り、次の創作につなげていきます。

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大会最終日は、コペンハーゲン市長の計らいで、市庁舎の1階フロアは世界中の絵本作家によるイラストレーション原画展会場になりました。絵を眺める人。絵について談笑する人。作家の名前をメモする人。絵と一緒に写真におさまる人。

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2階フロアは今夜のための特別なパーティ会場に。重たそうなシャンデリアが天井からぶら下がり、テーブルはどこまでも長く、向こう側がぼんやりするほどです。

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テーブルにはデンマークのごちそうが並びます。食器はすべてロイヤルコペンハーゲン。デンマークのデンマークらしいおもてなし。まるで映画の中の貴族にでもなったような気分で、ナイフとフォークの持ち方まで上品になるようです。料理をお皿に盛りながら、テーブルに沿って歩きます。硬い石の床は、歩く度にコツコツと革靴の底を心地よく響かせます。「こんばんは」「ごきげんよう」おいしい食事に会話も弾みます。

ここに国境はなく、とても穏やかで、平和で、それでいてエキサイティングな時間が流れます。実はこれこそが世界大会の醍醐味であって、そのことを知るために、あるいは思い出すために隔年で集まるようになったのかと思いました。僕たち絵本にかかわるもの全てが、子どもたちに伝える大切なことのひとつとして、この素晴らしい数日間の体験を心に留めておきたいです。

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目次

  1. ミリオンセラー絵本 1950〜60年代
  2. ミリオンセラー絵本 1970年代
  3. ミリオンセラー絵本 1980年代
  4. ミリオンセラー絵本 1990年代〜

 


  1. 『きんぎょがにげた』 284万部
    文・絵/五味 太郎
    1982年発行
  2.  


  3. 『じゃあじゃあびりびり』 282万部
    文・絵/まつい のりこ
    1983年発行
  4.  


  5. 『いないいないばああそび』 264万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  6.  


  7. 『ウォーリーをさがせ!』 242万部
    文・絵/マーティン・ハンドフォード
    訳/唐沢 則幸
    1987年発行
  8.  


  9. 『がたんごとんがたんごとん』 243万部
    文・絵/安西 水丸
    1987年発行
  10.  


  11. 『ウォーリーのふしぎなたび』 217万部
    文・絵/マーティン・ハンドフォード
    訳/唐沢 則幸
    1989年発行
  12.  


  13. 『ウォーリーをおえ!』 210万部
    文・絵/マーティン・ハンドフォード
    訳/唐沢 則幸
    1988年発行
  14.  


  15. 『ごあいさつあそび』 205万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  16.  


  17. 『おつきさまこんばんは』 204万部
    文・絵/林 明子
    1986年発行
  18.  


  19. 『くだもの』 199万部
    文・絵/平山 和子
    1981年発行
  20.  


  21. 『ノンタンのたんじょうび』 183万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1980年発行
  22.  


  23. 『ノンタンあわぷくぷくぷぷぷう』 173万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1980年発行
  24.  


  25. 『ぐりとぐらのえんそく』 169万部
    文/なかがわ りえこ
    絵/やまわき ゆりこ
    1983年発行
  26.  


  27. 『ひとりでうんちできるかな』 165万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  28.  


  29. 『ノンタンボールまてまてまて』 161万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1982年発行
  30.  


  31. 『ノンタンおしっこしーしー』 151万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1987年発行
  32.  


  33. 『いただきますあそび』 146万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  34.  


  35. 『まどから おくりもの』 141万部
    文・絵/五味 太郎
    1983年発行
  36.  


  37. 『どうぞのいす』 140万部
    作/香山 美子
    絵/柿本 幸造
    1981年発行
  38.  


  39. 『こんとあき』 133万部
    文・絵/林 明子
    1989年発行
  40.  


  41. 『14ひきのあさごはん』 131万部
    文・絵/いわむら かずお
    1983年発行
  42.  


  43. 『おふろだいすき』 127万部
    文/松岡 享子
    絵/林 明子
    1982年発行
  44.  


  45. 『わすれられないおくりもの』 126万部
    文・絵/スーザン・バーレイ
    訳/小川 仁央
    1986年発行
  46.  


  47. 『みんなうんち』 115万部
    文・絵/五味 太郎
    1981年発行
  48.  


  49. 『アンパンマンのサンタクロース』 109万部
    文・絵/やなせ たかし
    1981年発行
  50.  


  51. 『なぞなぞえほん 1のまき』 108万部
    文/中川 李枝子
    絵/山脇 百合子
    1988年発行
  52.  


  53. 『あいうえおえほん』 106万部
    作/とだ こうしろう
    1982年発行
  54.  


  55. 『なぞなぞえほん 2のまき』 106万部
    文/中川 李枝子
    絵/山脇 百合子
    1988年発行
  56.  


  57. 『なぞなぞえほん 3のまき』 106万部
    文/中川 李枝子
    絵/山脇 百合子
    1988年発行
  58.  


  59. 『14ひきのひっこし』 103万部
    文・絵/いわむら かずお
    1983年発行
  60.  


  61. 『ずーっと ずっと だいすきだよ』 103万部
    文・絵/ハンス・ウィルヘルム
    訳/久山 太市
    1988年発行
  62.  


  63. 『ノンタンはみがきはーみー』 100万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1989年発行
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