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オリジナル絵本の製本サービス「エホンリー」では、これまでペーパーバック絵本については A5サイズ(幅148 × 高210ミリ)のみご利用いただけましたが、今回新たに人気のハードカバー絵本と同サイズ(幅200 × 高264ミリ)のペーパーバック絵本をお選びいただけるようになりました。

どなたでも絵本作家になった気分で、お子さまのためにあるいはお子さまとご一緒に、世界中のどこの本屋さんにも売っていない特別な1冊を創作してもらえたらうれしいです。

仕様の詳細や絵本づくりのヒント、ハードカバー絵本とペーパーバック絵本の違いなどはサービスページからご覧いただけます。また、わかりにくいことがございましたら、いつでもお気軽にエンブックスまでお問い合わせください。

▶オリジナル絵本の製本サービス「エホンリー」

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目次

  1. 2008年度 IBBY世界大会 レポート①
  2. 2008年度 IBBY世界大会 レポート②

 


IBBY大会テーマは「歴史の中の物語」

 

隔年で開催されるIBBY(国際児童図書評議会)の世界大会。2008年はデンマークの首都コペンハーゲンで行われました。大会といっても、何かを競い合ったりするものではなく、各国の児童書における研究報告や今後の展望について話をする大真面目な場です。

北欧デザインで知られるように、コペンハーゲンの街はやはり洗練されたナチュラルなイメージがあります。少し散策すると目に入ってくるのは、鮮やかな花、やさしい色の壁、豊かな水。そして、幼い子どもを乗せてのんびり走る自転車の多いこと。

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レセプションはチボリ公園で開催されました。チボリ公園は1843年に開園した世界最古のテーマパークで、中央駅に近い街の真ん中に広大な敷地を有し、観覧車やメリーゴーランドがあります。

通されたのは、公園の一角にある、こじんまりとした、でもとても雰囲気の良い劇場です。世界各国から集まったおよそ400人で席はいっぱい。いろんな国の言葉が飛び交う客席は、それだけでも楽しい舞台の一幕のようです。

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オープニングは、ピアノの演奏があったり、子どもたちによる合唱があったり、絵本を題材にした劇があったりと、どれもステキな演出のおもてなしで、会場全体がごきげんな空気に包まれます。

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王女様にも会えた国際アンデルセン賞授賞式

 

華やかなプログラムのあとは一転、司会者がしばしの静寂へと誘います。静寂のまま、一同起立。扉からゆっくりと入っていらっしゃったのは、デンマークのマルガレーテ王妃です。絵本の世界ではなくて、現実の世界の王女様の登場に、会場が一気に盛り上がります。

「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞は、この世界大会で発表されます。世界中の児童文学にかかわる作家の中から、作家賞と画家賞のそれぞれ、たったひとりずつが選出されます。


2008年度の受賞者

作家賞
ユルク・シュービガー(Jürg Schubiger、スイス)
画家賞
ロベルト・イノチェンティ(Roberto Innocenti、イタリア)


舞台の上では、マルガレーテ王妃から、現在の世界最高峰の童話作家と絵本画家のふたりへ、アンデルセンの肖像を象った金メダルが贈られました。金メダルも眩しかったけど、3人の立ち居振る舞いがそれ以上に眩しくて、本当に夢のような時間でした。

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ロベルト・イノチェンティさんとの赤面エピソード

 

授賞式後のパーティ会場に、イノチェンティさんを見つけた僕は、思い切って「授賞式とっても素晴らしかったです」と、声をかけました。それでおもむろに、当時勤めていた会社案内を差し出すと「ぜひ一度ウチの絵本を読んでみてください」と、お願いしました。

すると、仕立てのいいスーツから、これまた仕立てのいいペンを取り出して、さらさらとサインを書くと「はい、どうぞ」と、会社案内が僕の手元に戻ってきました。きっと連日のサイン攻めで、無意識に反応してしまったに違いありません。お茶目な絵本作家さんのおかげで、とても大切な宝物ができました。

その後、少しのイタリア語を話す日本人が珍しかったのか、視線が合うたびに挨拶を交わしてくれるイノチェンティさん。すっかり打ち解けた気分になって「チャオ、ロベルト」なんて気さくに声をかけていましたが、今となってはアンデルセン賞画家の懐の深さがわかる赤面エピソードです。

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国境のない多様な空間で感じた大切なこと

 

翌日からはいくつかの会場に分かれて、様々なテーマを掲げた講演や勉強会が行われました。こうやって各国の児童書事情を共有し、良いところも、課題も含めて、またそれぞれが持ち帰り、次の創作につなげていきます。

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大会最終日は、コペンハーゲン市長の計らいで、市庁舎の1階フロアは世界中の絵本作家によるイラストレーション原画展会場になりました。絵を眺める人。絵について談笑する人。作家の名前をメモする人。絵と一緒に写真におさまる人。

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2階フロアは今夜のための特別なパーティ会場に。重たそうなシャンデリアが天井からぶら下がり、テーブルはどこまでも長く、向こう側がぼんやりするほどです。

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テーブルにはデンマークのごちそうが並びます。食器はすべてロイヤルコペンハーゲン。デンマークのデンマークらしいおもてなし。まるで映画の中の貴族にでもなったような気分で、ナイフとフォークの持ち方まで上品になるようです。料理をお皿に盛りながら、テーブルに沿って歩きます。硬い石の床は、歩く度にコツコツと革靴の底を心地よく響かせます。「こんばんは」「ごきげんよう」おいしい食事に会話も弾みます。

ここに国境はなく、とても穏やかで、平和で、それでいてエキサイティングな時間が流れます。実はこれこそが世界大会の醍醐味であって、そのことを知るために、あるいは思い出すために隔年で集まるようになったのかと思いました。僕たち絵本にかかわるもの全てが、子どもたちに伝える大切なことのひとつとして、この素晴らしい数日間の体験を心に留めておきたいです。

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◎仕様

ペラペラらいおん『ペラペラらいおん』
ぶん・え/ミズノ マサミ
定価/2750円(本体2500円+税)
対象/幼児から
2014年9月1日発行

32Pハードカバー製本(カバーなし)
サイズ/幅200×高264mm
ISBN 978-4-905287-14-8

*この絵本は受注生産でお届けします

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◎概要

「むれにいんせきがおちて」ペラペラになったボスらいおんのお話です。
突然姿が変わったせいで、困ったことがいろいろ起きる展開は、ユーモアたっぷり。でも、本当にすごいのは中盤、ボスらいおんがペラペラのからだを「ワハハ」と笑って受け入れる場面です。「そのままでいい」と受け入れることは、気持ちが楽になるだけではなくて、実は「本当の強さ」なのかもしれません。国内受賞歴多数のミズノマサミ渾身の一作。

 


◎作家プロフィール

ミズノ マサミ
MOEイラスト・絵本大賞 編集部賞、第7回武井武雄記念日本童画大賞 審査員特別賞、第1・2回 CJ Picture Book Award 50 Finalists入選など受賞多数。

 


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エンブックスの理念を「子どものうれしいを増やす」に変えることにしました。
立ち上げ時は「子どもともっとコミュニケーション」、その後の「Make Kids Smile」と、軸は変わらないのですが、今エンブックスが伝えたいことをまとめなおしましたので、読んでもらえたらうれしいです。

 


親子のコミュニケーション不足がもたらす未来を想像してほしい

 

「待機児童」なんて言葉は、10年前にはまだなかったと思います。それくらい共働き世帯はどんどん増えていて、今では僕の子ども時代(1970年代)の専業主婦世帯数とそっくり入れ替わりました。

一方で、子どもの数はどんどん減っています。それでも保育園が不足しているというので、大きな問題になっているわけですが、その裏で確実に減っているのは「親子コミュニケーション」の総量です。

厄介なことにコミュニケーションは目に見えないので、ものすごいスピードで減っていても気づきにくく、多くの人の関心は今目の前にある問題に向けられがちです。

でも、僕は親子コミュニケーションの不足が、いずれ未来にもっと大きな問題となって現れる可能性を想像し心配しています。人間が生きていくうえでの本質的な問題として捉え、「不」を解消しなくちゃいけないと思っています。

 


絵本は単なる読みものではなく親子のコミュニケーション・ツール

 

「どうして絵本なんですか」と質問されることがあります。もともと僕自身が絵本作家として描きたくて、もがきながらたどり着いた現状ですが、エンブックスとして絵本づくりに取り組んできてわかったのは、読んで聞かせることが前提の絵本は「親子のコミュニケーション・ツール」であるということです。

だから今は、絵本をつくっているのではなく、親子が一緒に楽しむ時間をつくっていると考えています。

子どもにとって何よりうれしいのは、親がそばにいてくれる空間であり時間です。その空間や時間をより有意義にするのが「良い絵本」なんだと思います。僕たち作り手は、なるべくつまらないものを届けないように、気をつけ工夫しながら「良い絵本」づくりに取り組んでいます。

 


エンブックスの理念は子どもの「うれしい」を増やすこと

 

泣いたり怒ったりも全部含めて親子コミュニケーションですが、その中でも子どもの「うれしい」を増やしたい、これがエンブックスの理念です。子どものうれしいは親もうれしいだろうし、うれしいの循環は世界の空気清浄機になるはずだから。

もう少し丁寧にいうと、子どものうれしいを増やすことができるのはやっぱり親が一番なので、エンブックスとしては絵本を通じてきっかけを与えることができれば良いと思っています。

だからこそ、まずは絵本界の再活性化を成し遂げたいし、若い絵本作家の創作意欲が決して途絶えないような新しい仕組みをつくらなければいけません。もちろん単に出版の枠にとらわれず、絵本よりもっと優れた親子コミュニケーションツールの発明をするのも楽しそうです。

 


言葉が人生を豊かにする

 

人間と動物の大きな違いのひとつに「言葉」があります。言葉があるからこそ、相手に伝えることができるし、相手の考えを聞くことができます。発するまでもなく頭の中で考えるときもやっぱり言葉が必要です。

つまり人間は言葉とともに生きて、言葉のキャッチボールによって社会と関わっていく生きものなのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは言葉のない世界からやってきて、親の発した言葉を食べて大きくなっていきます。だから、食べ物の栄養を気にかけるのと同じように、幼い子ども時代には良い言葉をたくさん食べさせてあげて欲しいと思います。

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目次

  1. ミリオンセラー絵本 1950〜60年代
  2. ミリオンセラー絵本 1970年代
  3. ミリオンセラー絵本 1980年代
  4. ミリオンセラー絵本 1990年代〜

 


  1. 『きんぎょがにげた』 284万部
    文・絵/五味 太郎
    1982年発行
  2.  


  3. 『じゃあじゃあびりびり』 282万部
    文・絵/まつい のりこ
    1983年発行
  4.  


  5. 『いないいないばああそび』 264万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  6.  


  7. 『ウォーリーをさがせ!』 242万部
    文・絵/マーティン・ハンドフォード
    訳/唐沢 則幸
    1987年発行
  8.  


  9. 『がたんごとんがたんごとん』 243万部
    文・絵/安西 水丸
    1987年発行
  10.  


  11. 『ウォーリーのふしぎなたび』 217万部
    文・絵/マーティン・ハンドフォード
    訳/唐沢 則幸
    1989年発行
  12.  


  13. 『ウォーリーをおえ!』 210万部
    文・絵/マーティン・ハンドフォード
    訳/唐沢 則幸
    1988年発行
  14.  


  15. 『ごあいさつあそび』 205万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  16.  


  17. 『おつきさまこんばんは』 204万部
    文・絵/林 明子
    1986年発行
  18.  


  19. 『くだもの』 199万部
    文・絵/平山 和子
    1981年発行
  20.  


  21. 『ノンタンのたんじょうび』 183万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1980年発行
  22.  


  23. 『ノンタンあわぷくぷくぷぷぷう』 173万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1980年発行
  24.  


  25. 『ぐりとぐらのえんそく』 169万部
    文/なかがわ りえこ
    絵/やまわき ゆりこ
    1983年発行
  26.  


  27. 『ひとりでうんちできるかな』 165万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  28.  


  29. 『ノンタンボールまてまてまて』 161万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1982年発行
  30.  


  31. 『ノンタンおしっこしーしー』 151万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1987年発行
  32.  


  33. 『いただきますあそび』 146万部
    文・絵/木村 裕一
    1989年発行
  34.  


  35. 『まどから おくりもの』 141万部
    文・絵/五味 太郎
    1983年発行
  36.  


  37. 『どうぞのいす』 140万部
    作/香山 美子
    絵/柿本 幸造
    1981年発行
  38.  


  39. 『こんとあき』 133万部
    文・絵/林 明子
    1989年発行
  40.  


  41. 『14ひきのあさごはん』 131万部
    文・絵/いわむら かずお
    1983年発行
  42.  


  43. 『おふろだいすき』 127万部
    文/松岡 享子
    絵/林 明子
    1982年発行
  44.  


  45. 『わすれられないおくりもの』 126万部
    文・絵/スーザン・バーレイ
    訳/小川 仁央
    1986年発行
  46.  


  47. 『みんなうんち』 115万部
    文・絵/五味 太郎
    1981年発行
  48.  


  49. 『アンパンマンのサンタクロース』 109万部
    文・絵/やなせ たかし
    1981年発行
  50.  


  51. 『なぞなぞえほん 1のまき』 108万部
    文/中川 李枝子
    絵/山脇 百合子
    1988年発行
  52.  


  53. 『あいうえおえほん』 106万部
    作/とだ こうしろう
    1982年発行
  54.  


  55. 『なぞなぞえほん 2のまき』 106万部
    文/中川 李枝子
    絵/山脇 百合子
    1988年発行
  56.  


  57. 『なぞなぞえほん 3のまき』 106万部
    文/中川 李枝子
    絵/山脇 百合子
    1988年発行
  58.  


  59. 『14ひきのひっこし』 103万部
    文・絵/いわむら かずお
    1983年発行
  60.  


  61. 『ずーっと ずっと だいすきだよ』 103万部
    文・絵/ハンス・ウィルヘルム
    訳/久山 太市
    1988年発行
  62.  


  63. 『ノンタンはみがきはーみー』 100万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1989年発行
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目次

  1. ミリオンセラー絵本 1950〜60年代
  2. ミリオンセラー絵本 1970年代
  3. ミリオンセラー絵本 1980年代
  4. ミリオンセラー絵本 1990年代〜

 


  1. 『はらぺこあおむし』 420万部
    文・絵/エリック・カール
    訳/もり ひさし
    1976年発行
  2.  


  3. 『しろくまちゃんのほっとけーき』 319万部
    作/わかやま けん
    1972年発行
  4.  


  5. 『ノンタンぶらんこのせて』 267万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1976年発行
  6.  


  7. 『からすのパンやさん』 256万部
    文・絵/加古 里子
    1973年発行
  8.  


  9. 『ノンタンおやすみなさい』 249万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1976年発行
  10.  


  11. 『ノンタン! サンタクロースだよ』 246万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1978年発行
  12.  


  13. 『はじめてのおつかい』 241万部
    文/筒井 頼子
    絵/林 明子
    1977年発行
  14.  


  15. 『100万回生きたねこ』 230万部
    文・絵/佐野 洋子
    1977年発行
  16.  


  17. 『おしいれのぼうけん』 228万部
    文/ふるた たるひ
    絵/たばた せいいち
    1974年発行
  18.  


  19. 『ノンタンおよぐのだいすき』 201万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1976年発行
  20.  


  21. 『おふろでちゃぷちゃぷ』 199万部
    文/松谷 みよ子
    絵/いわさき ちひろ
    1970年発行
  22.  


  23. 『ノンタンおねしょでしょん』 195万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1978年発行
  24.  


  25. 『ぐりとぐらのかいすいよく』 191万部
    文/なかがわ りえこ
    絵/やまわき ゆりこ
    1977年発行
  26.  


  27. 『あかんべノンタン』 173万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1976年発行
  28.  


  29. 『ピーターラビットのおはなし』 159万部
    作・絵/ビアトリクス・ポター
    訳/いしい ももこ
    1971年発行
  30.  


  31. 『ぞうくんのさんぽ』 155万部
    文・絵/なかの ひろたか
    1977年発行
  32.  


  33. 『ノンタンほわほわほわわ』 146万部
    文・絵/キヨノ サチコ
    1977年発行
  34.  


  35. 『ベンジャミンバニーのおはなし』 144万部
    作・絵/ビアトリクス・ポター
    訳/いしい ももこ
    1971年発行
  36.  


  37. 『モチモチの木』 144万部
    作/斎藤 隆介
    絵/滝平 二郎
    1971年発行
  38.  


  39. 『かわいそうなぞう』 143万部
    文/土家 由岐雄
    絵/武部 本一郎
    1970年発行
  40.  


  41. 『フロプシーのこどもたち』 140万部
    作・絵/ビアトリクス・ポター
    訳/いしい ももこ
    1971年発行
  42.  


  43. 『もこ もこもこ』 138万部
    文/谷川 俊太郎
    絵/元永 定正
    1977年発行
  44.  


  45. 『おばけのバーバパパ』 136万部
    文/アネット・チゾン
    絵/タラス・テイラー
    訳/やました はるお
    1972年発行
  46.  


  47. 『あーんあん』 128万部
    文・絵/せな けいこ
    1972年発行
  48.  


  49. 『とけいのほん 1』 127万部
    文・絵/まつい のりこ
    1973年発行
  50.  


  51. 『かいじゅうたちのいるところ』 127万部
    文・絵/モーリス・センダック
    訳/じんぐう てるお
    1975年発行
  52.  


  53. 『はははのはなし』 122万部
    文・絵/加古 里子
    1971年発行
  54.  


  55. 『はけたよはけたよ』 119万部
    文/神沢 利子
    絵/西巻 茅子
    1970年発行
  56.  


  57. 『さむがりやのサンタ』 115万部
    文・絵/レイモンド・ブリッグズ
    訳/すがはら ひろくに
    1974年発行
  58.  


  59. 『ねずみくんのチョッキ』 111万部
    文/なかえ よしを
    絵/上野 紀子
    1974年発行
  60.  


  61. 『はじめてのおるすばん』 107万部
    文/しみず みちを
    絵/山本 まつ子
    1972年発行
  62.  


  63. 『ふたりはともだち』 106万部
    作/アーノルド・ローベル
    訳/三木 卓
    1972年発行
  64.  


  65. 『あかちゃんのうた』 105万部
    文/松谷 みよ子
    絵/いわさき ちひろ
    1971年発行
  66.  


  67. 『とけいのほん 2』 105万部
    文・絵/まつい のりこ
    1973年発行
  68.  


  69. 『もしもしおでんわ』 104万部
    文/松谷 みよ子
    絵/いわさき ちひろ
    1970年発行
  70.  


  71. 『こぐまちゃんとどうぶつえん』 100万部
    作/わかやま けん
    1970年発行
  72.  


  73. 『こぐまちゃんのみずあそび』 100万部
    作/わかやま けん
    1971年発行
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目次

  1. ミリオンセラー絵本 1950〜60年代
  2. ミリオンセラー絵本 1970年代
  3. ミリオンセラー絵本 1980年代
  4. ミリオンセラー絵本 1990年代〜

 


  1. 『いないいないばあ』 700万部
    文/松谷 みよ子
    絵/瀬川 康男
    1967年発行
  2.  


  3. 『ぐりとぐら』 523万部
    文/なかがわ りえこ
    絵/おおむら ゆりこ
    1967年発行
  4.  


  5. 『てぶくろ』 318万部
    絵/エウゲーニー・M・ラチョフ
    訳/うちだ りさこ
    1965年発行
  6.  


  7. 『おおきなかぶ』 312万部
    文/A.トルストイ
    絵/佐藤 忠良
    訳/内田 莉莎子
    1966年発行
  8.  


  9. 『ねないこだれだ』 311万部
    作/せな けいこ
    1969年発行
  10.  


  11. 『ぐりとぐらのおきゃくさま』 301万部
    文/なかがわ りえこ
    絵/やまわき ゆりこ
    1967年発行
  12.  


  13. 『三びきのやぎのがらがらどん』 274万部
    絵/マーシャ・ブラウン
    訳/せた ていじ
    1965年発行
  14.  


  15. 『しろいうさぎとくろいうさぎ』 251万部
    /ガース・ウイリアムズ
    訳/まつおか きょうこ
    1965年発行
  16.  


  17. 『ぐるんぱのようちえん』 237万部
    文/西内 ミナミ
    絵/堀内 誠一
    1966年発行
  18.  


  19. 『しょうぼうじどうしゃじぷた』 215万部
    文/渡辺 茂男
    絵/山本 忠敬
    1966年発行
  20.  


  21. 『いいおかお』 209万部
    文/松谷 みよ子
    絵/瀬川 康男
    1967年発行
  22.  


  23. 『うさこちゃんとどうぶつえん』 203万部
    作/ディック・ブルーナ
    訳/石井 桃子
    1964年発行
  24.  


  25. 『ゆきのひのうさこちゃん』 200万部
    作/ディック・ブルーナ
    訳/石井 桃子
    1964年
  26.  


  27. 『ちいさなうさこちゃん』 196万部
    作/ディック・ブルーナ
    訳/石井 桃子
    1964年発行
  28.  


  29. 『どろんこハリー』 195万部
    文/ジーン・ジオン
    絵/マーガレット・ブロイ・グレアム
    訳/わたなべ しげお
    1964年発行
  30.  


  31. 『だるまちゃんとてんぐちゃん』 195万部
    作/加古 里子
    1967年発行
  32.  


  33. 『そらいろのたね』 184万部
    文/なかがわ りえこ
    絵/おおむら ゆりこ
    1967年発行
  34.  


  35. 『わたしのワンピース』 180万部
    作/にしまき かやこ
    1969年発行
  36.  


  37. 『うさこちゃんとうみ』 175万部
    作/ディック・ブルーナ
    訳/石井 桃子
    1964年発行
  38.  


  39. 『もうねんね』 165万部
    文/松谷 みよ子
    絵/瀬川 康男
    1968年発行
  40.  


  41. 『ちびくろ・さんぼ』 159万部
    作/ヘレン・バンナーマン
    絵/フランク・ドビアス
    訳/光吉 夏弥
    1953年発行
  42.  


  43. 『11ぴきのねこ』 156万部
    作/馬場 のぼる
    1967年発行
  44.  


  45. 『のせてのせて』 148万部
    文/松谷 みよ子
    絵/東光寺 啓
    1968年発行
  46.  


  47. 『にんじん』 147万部
    作/せな けいこ
    1969年発行
  48.  


  49. 『いやだいやだ』 144万部
    作/せな けいこ
    1969年発行
  50.  


  51. 『スーホの白い馬』 143万部
    文/大塚 勇三
    絵/赤羽 末吉
    1967年発行
  52.  


  53. 『きかんしゃやえもん』 139万部
    文/阿川 弘之
    絵/岡部 冬彦
    1959年発行
  54.  


  55. 『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』 138万部
    作/バージニア・リー・バートン
    訳/むらおか はなこ
    1961年発行
  56.  


  57. 『かばくん』 134万部
    文/岸田 衿子
    絵/中谷 千代子
    1966年発行
  58.  


  59. 『ちいさいおうち』 124万部
    作/バージニア・リー・バートン
    訳/石井 桃子
    1954年発行
  60.  


  61. 『ひとまねこざる』 122万部
    作/H.A.レイ
    訳/光吉 夏弥
    1954年発行
  62.  


  63. 『花さき山』 118万部
    文/斎藤 隆介
    絵/滝平 二郎
    1969年発行
  64.  


  65. 『おさじさん』 114万部
    文/松谷 みよ子
    絵/東光寺 啓
    1969年発行
  66.  


  67. 『しずくのぼうけん』 113万部
    文/マリア・テルリコフスカ
    絵/ボフダン・ブテンコ
    訳/うちだ りさこ
    1969年発行
  68.  


  69. 『もじゃもじゃ』 112万部
    作/せな けいこ
    1969年発行
  70.  


  71. 『ももたろう』 111万部
    文/松居 直
    絵/赤羽 末吉
    1965年発行
  72.  


  73. 『二ほんのかきのき』 110万部
    作・絵/熊谷 元一
    1968年発行
  74.  


  75. 『おおかみと七ひきのこやぎ』 109万部
    文/グリム
    絵/フェリクス・ホフマン
    訳/せた ていじ
    1967年発行
  76.  


  77. 『もりのなか』 108万部
    作/マリー・ホール・エッツ
    訳/まさき るりこ
    1963年発行
  78.  


  79. 『すてきな三にんぐみ』 108万部
    作/トミー・アンゲラー
    訳/今江 祥智
    1969年発行
  80.  


  81. 『はなをくんくん』 101万部
    作/ルース・クラウス
    絵/マーク・シーモント
    訳/木島 始
    1967年発行
  82.  


  83. 『どうぶつのおやこ』 100万部
    絵/薮内 正幸
    1966年発行
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言葉は耳で覚えます。耳で聞いたその言葉が示す「何か」を、目で見たり触って感じたり何度も確かめながら、言葉と「何か」が結びついたときにはじめて意味が生まれます。だから、ほとんどの赤ちゃんはお母さんの言葉を食べて、一番耳にする言葉から覚えていくようになります。

ランキング1位の「まんま」は、生後10カ月から話されはじめ、平均1歳3カ月で話されたそうです。はじめて赤ちゃんが話す言葉をみていると、なるほどあいさつを中心にお母さんが子どもに話しかけながら、育児をしている様子が見えてくるようで、なんだかとても幸せな気分になります。今でもやっぱり「いないいないばぁ」をするんだとか、逆に新鮮。

マザータング(mother tongue)は母国語と訳しますが、子どもが自然に覚えるまさに母の言葉という意味です。人間はかしこいので、まさかスマホやロボットの機械語がマザータングになる時代がやってくるとは思いませんが、時代が変わっても子どもには親がたくさんの言葉をかけてあげることが大事であることは変わりません。

はじめて赤ちゃんが話す言葉ランキング20

順位 言葉
1 まんま(ごはん)
2 おっぱい
3 いないいないばぁ
4 ママ
5 はーい(返事)
6 ワンワン
7 ねんね
8 パパ
9 バイバイ
10 よいしょ
11 どうぞ
12 お母さん
13 お父さん
14 ニャンニャン
15 くっく(靴)
16 ある、あった
17 痛い
18 ないない(片付ける)
19 バナナ
20 ブーブー(車)

※2008年、NTTコミュニケーション科学基礎研究所調べ
対象:生後10カ月~3歳の子どもを持つ親398人
期間:2007年4月~2008年2月

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目次

  1. 2008年度 IBBY世界大会 レポート①
  2. 2008年度 IBBY世界大会 レポート②

 


アンデルセンはなぜ飛び抜けた童話作家になったのか

 

デンマークの首都コペンハーゲンから、バスに乗ってしばらく。島を渡って向かう先はオーデンセという街です。世界で最も有名な童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの生まれた街。

そこはまるで童話の中のように、例えばベンチの足が巨人の足になっていたり、信号機がアンデルセンになっていたりと、遊び心がいっぱいです。

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アンデルセンは14歳でひとりコペンハーゲンに移り住みます。それまでのオーデンセでの暮らしは、貧しくて仕方がなかったそうです。アンデルセンの生まれた1800年頃のこの街が、実際にどんな環境だったのかは想像することしかできませんが、アンデルセンの言葉に反するように、街の景色は穏やかで美しく見えます。

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低い屋根に短い煙突。似ているようでどれも違う壁の色、扉のデザイン。余計な装飾は全然ないのに、それでいて明るい印象。きっとアンデルセンの豊かな想像力のタネは、この街で育まれたに違いありません。

アンデルセンの生家は、一階建ての黄色くてかわいい家でした。少年時代の彼は、この窓から何を眺め、何を思って飛び出したのでしょう。

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現実世界の落胆が大きいほど空想世界は広がる

 

残念ながら生家には入れませんが、5分ほど歩いたところにアンデルセン博物館があり、部屋の様子が再現されています。博物館の入口には彼が得意とした切り絵のライオンが。ライオンの右手にはとても気持ちのいい庭園が広がります。

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「とにかく狭くって狭くって」

ガイドさんがいかにも気の毒そうに繰り返し言うので、一体どれほど小さな部屋で幼少期を過ごしたのかと思えば、確かに少し天井が低いとはいえ、外観と同じようにやっぱり中もかわいい部屋でした。日本のワンルームマンションのほうがよっぽど狭く、暮らしづらいと思います。

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アンデルセンの身長は185cm。当時としてはかなり大柄だったと思います。今ならパリコレでさっそうと歩くモデルになっていたかもしれませんが、時代のせいもあって、このとびぬけて背が高いことをはじめ、つぶらな目がちょこんとついていることも、大きな鼻も、くりんくりんの髪の毛も、全部コンプレックスだったといいます。

生い立ちをたどってみると、彼はずっと現実の世界に落胆していたような気がします。それで、自分が創りだす空想の世界に閉じこもったのかもしれません。落胆が大きかったからこそ、アンデルセンの空想力は誰よりも夢いっぱいで色鮮やかなものになったのでしょう。

「すべての人の一生は神の手によって書かれた一遍の童話である。」 H.C.アンデルセン

その膨らみきった空想のかたまりを、言葉として紡いだのが今も読み継がれる童話であり、はさみで形作ったのが無数の切り絵だとすれば、楽しみの裏側に、隠された悲しみや苦しみが見えてくるような気がします。いいえ、これこそが創作なんだと思います。(おしまい)

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