◎食べ物を大切にする心が育まれる絵本
「はたけで そだった だいこん」。わさわさと茂った葉を引っ張ると、土のなかから白い大根が顔を出す。「やおやさんに ならびました。ふとった だいこんですよ」。葉を短く切られたたくさんの大根がどっしりと横たわっている。大根、キャベツ、トマト、ほうれんそう、さつまいも。それぞれの野菜が畑に生えている様子を見開きで見せ、次の見開きで八百屋に並ぶ様子を見せていく。
「これはかぼちゃの種、いのちのつぶだよ」。そうおじいさんが言って、一家は種まきをした。たった一つぶのかぼちゃの種から、つるが育って、収穫して、盛大なかぼちゃパーティーを開くまでを、ねずみさんと一緒に体験する。
文・絵/サラ・ガーランド
訳/まきふみえ
庭に自分の「はたけ」をもらったエディは、土を掘り返し、野菜のタネをまいた。タネはどうやったら育つの? ナメクジがついたらどうしよう。エディの心配は尽きない。
毎日の食事、何気なく食べているが、材料そのままの形だったらどうする? と問いかける。ハンバーグは牛を解体して肉にしてから、野菜は畑で育てて出荷されて、それぞれ調理される。みんな命あるものを食べて生きていることを分かりやすく説き、食べられるようになるまでに多くの人の手が介在することを示す。だからこそ、「いただきます」なのだ。重く真面目なテーマをやさしく仕上げている。
おいしいものをいろいろ食べるために「おおきなからだになりたい」女の子と、大好物をたくさん食べるために「ちいさくなりたい」オオカミ。そんなふたりの夢が、ある朝とつぜん叶う。よろこんだふたりは、とびきりの朝食を用意して「しあわせ! 」な気分に。ところが、食べれば食べるほど嬉しい気分が離れていくみたい。
◎好き嫌いしないように考えるきっかけになる絵本
「ぼく、すてられちゃうのかな……」。ある日、れいちゃんは冷蔵庫の中でくさりかけて悲しそうにしている野菜の声を聞いた。キュウリ嫌いのれいちゃんは……。
文・絵/ローレン・チャイルド
訳/木坂涼
チャーリーのいもうとローラには、きらいな食べ物がたくさん。とくにトマトは「ぜったい」いやなんだって。チャーリーは、なんとかしてローラにたべさせようとするが……。
りっちゃんは病気になったお母さんのために、サラダを作りはじめた。そこへ動物たちが次々にあらわれて、サラダ作りのアドバイス。最後には飛行機でぞうまでがやってきて、サラダ作りを手伝ってくれる。
文/吉田隆子
絵/せべまさゆき
食事が人間の元気をつくることを楽しく語りかける。食べ物を4つの色のグループに分け、その種類や生まれるまでの様子を紹介。
◎行儀よく食事することを教えてくれる絵本
ぽかぽかミルクあったかそう。ねこのミケがカップをもっている手の仕掛けをめくると、「いただきまーす」とミルクをごくり。こいぬのコロも大きなお口で「いただきまーす」とサンドイッチをぱくり。ことりのピイちゃんも元気な声で「いただきまーす」。ゆうちゃんも、ママも、かいじゅうさんも「いただきまーす」。あーおいしかった。ごちそうさま。
これはお行儀の本ではない。いざ食事をはじめようとするくまくんの悪戦苦闘ぶりをあるがままに、しかしあたたかくユーモラスに語った楽しい絵本。
◎食事とからだの健康の関係がわかる絵本
黄色い栄養のカバンを持って旅に出た食べ物たちが、ももいろのトンネルをとおって、いぶくろこうえんを通り、しょうちょうのジェットコースターに乗って進む。食べ物が口から入って身体の中で消化され、栄養となって、排泄されるまでのプロセスを、わかりやすく楽しく描いたロングセラー絵本。
子どもにとって興味のある、そして大事な「うんち」をユーモアいっぱいにみせる。「いきものはたべるから、みんなうんちをするんだね」というお話。
昨日たべたとうもろこしが、うんこに出てきた。どうしてだろう? 「ぼく」といっしょに、おなかのなかを旅しながら、「たべもの」と「うんこ」の間をつなぐ「消化のしくみ」を楽しく学べる絵本。