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目次

  1. アムステルダム公共図書館 見学レポート①
  2. アムステルダム公共図書館 見学レポート②
  3. アムステルダム公共図書館 見学レポート③
  4. アムステルダム散策 番外編

 


旅のはじまりは雨に濡れながら

 

今から8年前、2度目に訪れたオランダのアムステルダムは、どしゃ降りの雨でした。

到着間もなく、アムステルダム公共図書館訪問のアポイントがあったので、駆け足でタクシー乗り場へ向かい、「図書館までお願いします」というと、「それなら近いから歩いた方が早いよ、駅のあっち側」と、指をさしてやんわり乗車拒否。傘持ってないのに。

嫌な予感は的中するもので、運転手さんはすぐ近くといったけれど、知らない国だし、当時はスマホもなくて、なかなか図書館が見つかりません。びちゃびちゃに濡れながら、スーツケースを引きずってたどり着いた頃には、アポイントの時間をとうに過ぎていました。

 


すっかり落ち込んだ僕の気持ちを吹き飛ばしてくれた図書館

 

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入口ではシロクマのぬいぐるみが、うらやましいくらい乾いた毛並みで迎えてくれました。
アムステルダムにある公共図書館は、去年(2007年)の7月にオープンしたばかり。外観はまるで美術館です。総面積は、ヨーロッパ最大規模(当時)の広さを誇ります。

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1階には児童書コーナーがあります。まず児童書の数におどろいて、そのあとインテリアのセンスにおどろきます。快適すぎる! ソファの真ん中で寝っ転がって、天井の写真を撮っている大人がいるくらい。わかります、その気持ち。

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子どもにとっては、まさに本のお城でしょう。少々騒いだってなんてことありません。日本だと声を出すのもためらうことがあるのに。

 


オランダの子どもたちに人気の絵本

 

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図書館員にいくつか人気の本を紹介してもらいました。どれも見ていて楽しい気分になる絵本ばかりです。作品を選び抜く子どもの目に狂いはありませんね。

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中にはこんな大きな絵本もありました。どうやってめくるのでしょうか。そのまま絵本の世界に飛び込めそうです。

本の角のくたびれた感じを見ると、じわじわ嬉しい気持ちになります。滞在10分で、すっかりアムステルダム公共図書館の気持ちよさに魅了されました。雨のアンラッキーからの逆転ハッピー。

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幼児向け絵本の出版社エンブックス(代表:西川季岐/にしかわとしみつ 事業所:東京都豊島区)は、オリジナル絵本の製本サービス「エホンリー」のサイトをリデザインし、2015年4月13日(月)より公開いたしました。

エホンリーは、2014年7月のリニューアルに伴い、創作や編集に関する複雑な機能を全て廃止し、「描いて、送る」だけに特化したサービスへと転換いたしました。以降、順調に製本数を伸ばしはじめ、これまでに累計69冊のオリジナル絵本をお届けしております。

ご利用いただいたユーザーからは「売り込みに行った海外の出版社から高い評価をいただいた」「卒業の記念に創作して忘れられない思い出になった」「想像以上のきれいな仕上がりでまた使いたい」など、うれしい感想をいただいております。

今回のリデザインで、以前よりお問い合わせの多かった「具体的な作り方」がわかりやすくなりました。2015年は年間200冊の製本を目指します。今後も改善を重ねながら、より良いサービスを提供していきますので、よろしくお願いいたします。

エホンリーについて

「誰でも、簡単に」オリジナル絵本づくりができるオンデマンド製本サービス。「1冊から製本できる」「4つ製本タイプから選択できる」「圧倒的低価格」「市販の絵本と同レベルの製本クオリティ」が特徴。これまでにないアプローチで絵本市場の新規開拓を狙う。

主な変更点

  • 製本タイプ別の具体的なサイズ表記
  • データ作成方法の表記
  • 「お振込」による決済方法の追加
  • 製本に関する専門知識のビジュアル補足

エホンリーをはじめる

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「そもそもアニメを子どもが好きなのは情報量が少なくて分かりやすいからなんですよ」

「実写だと子どもには情報量が多すぎて、複雑すぎてよく理解できないんです。子どもには単純な絵のほうが分かりやすいんです」

 


絵本の読者は、子どもの中でも年齢の低い園児が中心です。だから「情報量が少なくて分かりやすい」という、この基本的な考えは絵本にも当てはまります。

赤ちゃん絵本の「ミッフィー」と、幼児絵本の『ぐりとぐら』では、その線の数があきらかに違います。僕が大好きな赤羽末吉の『スーホの白い馬』も、壮大なモンゴルの大地が強烈な記憶に残っていますが、改めて見ると意外なほど線は少ない。それぞれの年齢層に適切な線の数は、売れている絵本から見えてくるんですよね。

実際、「画面の情報量」まで意識して描ける(描いている)画家は少ないと思います。逆にいうと、それを意識できれば、絵本作家としてステージが上がるということになるでしょう。

僕はよく「余白を意識して」といいます。余白というのは文を配置するスペースであると同時に、画面の情報量をコントロールするスペースであるわけです。とりわけ、絵に自信のある画家は、技術があるぶん、それを最大限に活かそうとして、描きたがる傾向があります。あるいは、画用紙に対して「未完成」にみえる不安なのかもしれません。

もちろん絵描きとしてはごく当然。でも「過ぎたるは及ばざるが如し」で、描きすぎると子どもにはわからなくなってしまうということを、絵本画家は知っておかないといけません。

とはいえ、線の数を減らすというのは簡単ではありません。例えば、二本の垂直の線を描いて、その上に大きな丸ひとつで「木」を描いたとして、それは画家の仕事ではないし、物語の世界はとてもつまらないものになってしまいます。

線の数を減らす一方で、物語としての情報量は増やす(難)。描くべきところ(見せたいところ)と、そうでないところの緩急を計算して、適切な「画面の情報量」にしていく。これが絵本画家としての腕の見せどころではないでしょうか。

最近で一番学びの多かった1冊。コンテンツづくりに興味のある方は必読です!

 


『コンテンツの秘密』

著/川上 量生
定価/902円(税込)
NHK出版
2015年4月10日発行

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名古屋デザイナー学院にお招きいただいて実現した、エンブックスにとってはじめての講演会。

絵本を含むアート全般を勉強する学生たちに、彼らが本来学びたいであろう制作の実践的なテクニックではない絵本界の実情や、裏方としての編集の話をするんですから、当日は少なくない心配を抱えて臨みました。

結果的には、120名の満員御礼に応えるカタチで90分の持ち時間を延長し、およそ2時間の長丁場になりました。みんな熱心に耳を傾けてくれてうれしかったです。

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作成した資料はPDFにして90枚。おおまかなプロットはこんな感じです。

  • 絵本にかかわるきっかけ
  • 絵本のマーケットの現状と課題
  • これからの絵本とエンブックスのこと
  • 具体的な絵本づくり
  • 次世代を担う作家さんへメッセージ

 


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僕自身も絵描きからスタートしているからこそクリエイターの気持ちはよくわかります。描くことにチカラを注いでいるうちは、対話しているのはたいてい自分自身で、どうやったらもっと上手く描けるか、どうやったら新しい表現ができるか、そんなことばっかりに気が向きがちです。

ところが、クリエイティブというものは、実はすごく「時代性」と相性が良いものなんです。言い換えると「ニーズ」。例えば、今「モナリザ」を描いても「うまい」以上のことにはならないと思います。あれはルネサンスという時代に求められた作品だったから。同じ理由で、ルネサンスにピカソの絵は受け入れられなかったでしょう。

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自分の足元にある「時代」は、見えにくいものです。でも、クリエイターは「世の中」を知らなくちゃいけない。そんな話をしました。

この講演を聞いてくれた若い学生が、そのうちすばらしい絵本作家に育ったときに、一緒に仕事ができたら最高です。

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◎仕様

ニコニコしょうてんがい『ニコニコしょうてんがい』
ぶん・え/ソ・ミジ
定価/825円(本体750円+税)
対象/幼児から
2012年4月20日発行

32Pペーパーバック製本
サイズ/幅148×高210mm
ISBN 978-4-905287-02-5

エンブックスで買う


◎概要

舞台は東京の下町に実在する、その名も「ニコニコしょうてんがい」。男の子のなにげない日常を通じて、誰かと触れ合い、つながっていくことのよろこびが描かれます。
何も特別なことはなくても、合言葉の「ニコニコニッコリ」を繰り返しているうちに、確かにそこにあふれるしあわせを感じることができる。読んだあと自然と笑顔になる作品。

 


◎作家プロフィール

ソ・ミジ
韓国出身のアーティスト・イラストレータ。東京在住。
▶ https://seomiji.kr/

 


▶ 原画展レポートを読む

 


◎試し読み

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目指したのではなく、導かれるように絵本作家へ

 

細いカラダ、丸眼鏡に蓄えたひげ、つぶらな瞳。
それでいて、発する言葉は強く、あちこちにほとばしるエネルギーは、いかにも芸術家らしい。

大学時代に制作した絵本『しばてん』を、親交のあった和田誠さんが、すでに売れっ子作家だった今江祥智さんに売り込んでくれたことが絵本作家になるきっかけだそうです。
だいたいこういうエピソードは、どうして著名な人同士がつながっているのか不思議に思っていたこともありますが、違うんですよね。良い環境が人をつくる、その結果が今なんです。だから腕を磨くのと同じくらい、どこに属すのかを見極めることが大事。

話がそれましたが、今江さんは電車の中でそれを読んで、感動して涙したといいます。
田島さんは、自分の絵が「顔も知らない誰かを感動させることができるんだ」と感激して、本格的に絵本を出版社に売り込んでいきます。

ところが、どこも相手にしてくれなかった。
唯一、福音館書店の松居直さんだけが「この作品は子ども向きじゃないけれど、絵がおもしろいから、僕とつきあってくれますか」と声をかけてくれたそうです。いかにも松居さんらしい穏やかな言い回しで、そのときの様子が目に浮かぶようです。

当時の田島さんは何しろお金がなくて、「松居さん、つきあっている間もお金はもらえますか」と尋ねました。
もちろん、そんなことはできるはずがないのですが、その代わりに「なるべく早く本にしましょう」と松居さんは答えました。
そうやってできたはじめての絵本が『ふるやのもり』(文・瀬田貞二)で、1964年のことです。
本屋に並んだ時は「うれしかった!」と目を輝かせ、ずっと棚の横でお客さんが来るのを待っていたと、当時を振り返っていました。

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「こどもの美しい花園を踏みにじる汚い絵」と酷評されて奮起

 

おそらく、その頃の田島さんは、こどものよろこびのため以上に、自分が生きることで精一杯だったと思います。
そうだとしても、幼稚園の先生たちからは「こども向きじゃない汚らしい絵だ」と散々な言われようでした。なかでも

「芸術家のエゴで、こどもの美しい花園を踏みにじるのはやめてほしい」

という言葉は強烈で、今でもはっきりと記憶しているといいます。

一方で、長新太さんや赤羽末吉さんといった憧れの作家たちが、独創的な絵を気に入ってくれ、瀬川康男さんはその頃住んできた3畳間を尋ねてやってきて、泊まって帰ったこともあったそうです。そうしたことを励みに、どんなに敵が多くてもこの道はゆずれない、と絵本作家としての覚悟を決めました。

今も通じる難しい問題だなと思うのは、覚悟を決めても、散々に言われた絵描きの仕事が続かないことです。
幼稚園の先生や、親の目線に合わせるだけでは、表現者は窮屈になるし、新しいものは生まれない。だからといって、本を選んで買う読者を無視していれば、そもそも絵本を手にとってもらうことはできません。やがて田島さんは栄養失調になります。

なんとか生かさないといけない。これは想像ですが、田島さんの画家としての才能を信じた編集者や仲間の作家たちが、アイデアを絞り出したんだと思います。売れっ子の今江祥智さんの文に、絵を描けば本にできるんじゃないか。この『ちからたろう』(ポプラ社、1968年)はよく売れて、翌年には「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」において「金のりんご賞」を獲得します。

 


老いて知る表現者としての本当の戦いかた

 

「若い時は戦う姿勢が強すぎた」と田島さんはいいます。
自分の思い描く世界と、それを受け入れてくれる世界のギャップが苦しかったんだと思います。

『ちからたろう』がせっかく評価されたにも関わらず、ようやくつながった次の作品では、まったく違う表現の絵を描いて、編集者や読者の期待を裏切る。
少なくない印税が入るようになったらなったで、「お金が入るとダメになる」と考え、今まさに売れている絵本を出版社に掛けあって絶版にしてもらう。そんなことをしているうちに、またお金がなくなったら、今度は違う出版社に再販のお願いをする。
出版社である僕の立場からすれば、嫌な汗が流れるような恐ろしい話です。絵本づくりにどれだけの人がかかっているのか、周囲の苦労など微塵も考えなかったそうです。

それでも、今もこうして絵本作家として活躍を続けられていることは、芸術家としてのプライドと、絵本づくりにおけるアウトプットの試行錯誤に、自分なりの折り合いをつけることができたからでしょう。
そして、それ以上に大きいのは、こどもが大好きだということ。廃校を舞台にした立体絵本「絵本と木の実の美術館」の活動を、とても楽しそうに話す田島さんの姿から、そんなふうに感じました。

 


『ちからたろう』

文/今江 祥智
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ポプラ社
1967年6月発行

百かんめの金ぼうをかた手に、のっしじゃんが、のっしじゃんがと力修行にでて行くちからたろうのゆかいなお話。

 


『ふるやのもり』

再話/瀬田 貞二
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1969年4月10日発行

じいさんとばあさんが育てている子馬をねらって、泥棒と狼は、それぞれ厩に忍びこんでかくれていました。じいさんとばあさんが「この世で一番怖いのは、泥棒よりも、狼よりも“ふるやのもり”だ」と話しているのを聞いて、泥棒と狼は、どんな化け物だろうと震えていると、そのうち雨が降ってきて古い家のあちこちで雨漏りしてきて……。

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目次

  1. アムステルダム公共図書館 見学レポート①
  2. アムステルダム公共図書館 見学レポート②
  3. アムステルダム公共図書館 見学レポート③
  4. アムステルダム散策 番外編

 


不思議な縁で導かれたアムステルダムで最も有名な絵本店

 

アムステルダムでの移動手段は、トラムと呼ばれる路面電車です。小回りが効くので、ちょっとした移動に便利。
ただ、路線図を頼りに降車駅を確認して乗ったとしても、僕のようにゆったりした気分で街を眺めていると、ひと駅乗り過ごしてしまうなんてこともあります。

反対車線を走る路面電車に乗るのか、それとも今乗って来た道を歩いて戻るのか。結局、散歩がてら戻っていると、道沿いにかわいい本屋さんを発見。路面電車の車窓からは見逃していた本屋さんです。

早速、店主に尋ねてみると、そこがアムステルダムで最も有名な絵本店だとわかりました。ほんの数分前の選択が導いてくれた不思議な出会い。これこそが旅のおもしろさですよね。

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前日にアムステルダム公共図書館でおすすめしてもらった本を探していると、
「あれをごらん」と、店主が僕の肩をたたきます。

本屋の入口にあったのは、まさに絵本の表紙そのもの。しばらくすると、近所の子どもたちが遊びにやって来て、ますます表紙そっくりの光景に。あの時の、店主の誇らしげな顔は忘れません。

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『いやいやえん』

作/中川 李枝子
絵/大村 百合子
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1962年12月25日発行

 


僕自身がどうだったのかは覚えていませんが、甥っ子の口癖が「いーや!」だったのは、記憶に新しいです。
そんな体験を経て、改めて手にとった『いやいやえん』は、本当にすごい1冊だと感激しました。

おもしろさの理由は、なんといってもお話のリアリティです。

元気だけど、わがままできかんぼうの保育園児のしげるが主人公の童話集。しげるたちが積み木でつくった船でクジラをとりにでかけるお話や、山のぼりで山の果物を食べすぎてしまうお話、赤いバケツをもって保育園にやってきた小ぐまの話など、全部で7つのお話がはいっています。表題作『いやいやえん』では、なんでもいやだ、いやだと駄々をこねるしげるが、「いやいやえん」に連れてこられます。「いやいやえん」とはいったどんな園なのでしょうか?

積み木でつくった船に乗って、男の子がくじらを釣りに海へ出る「くじらとり」のお話も、手紙を書いてちゅーりっぷほいくえんにやってきたくまの子と、園児が次第に仲良くなる「やまのこぐちゃん」のお話も、子どもにとっては全部「ホント」のこと。

のびのびと、それでいて何でもありにはしない、「あるある」の絶妙のさじ加減。

原作は中川李枝子さん(『ぐりとぐら』の作者)が24歳のときに書かれたそうで、その若さで本質を見抜く目におどろきます。

当時は現役の保母さんですから、お話のタネの宝庫だったんですよね。

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パリのルーブル美術館へ行ったとき、館内に堂々とイーゼルをたてかけて模写をしている学生の姿がありました。
実際に自分の腕で名画を描いてみることで、あらためて構図のすばらしさに驚き、筆の運びかたに画家の思いを感じ、色彩の豊かさに圧倒されることがあるだろうと思います。
教科書で学ぶことも大切ですが、おそらくその何百倍の学びがあるはずです。

僕も小学校時代は「自由帳」のはじっこに、レオ・レオニの『スイミー』や赤羽末吉の『スーホーの白い馬』を真似て描いていました。大学生になってからは、ロートレックからレンブラント、さらに美人画の上村松園まで、良いと思った画家の作品はなんでも真似て描いてみたものです。

実は「学ぶ」と「真似る(まねぶ)」は同じ語源だそうです。
「真似る」ことで先人の知恵や工夫を知る。これから絵本作家になろうというなら、やはり名作といわれる絵本を、それこそ全ページに渡って模写してみることをススメます。もちろん時間のかかる作業ですが、絵本とは何ぞやを知るには急がば回れです。

物語の組み立てかた、次のページをめくらせる工夫や、余白の使いかた、文章の量と音読したときのリズム。自分ひとりで創作したときには気づかなかったさまざまな発見があることでしょう。

そういえば、ある大作家にお話をうかがったとき、「西条八十の詩に挿絵を描いてみなさい」とおっしゃっていたのを思い出しました。これも模写と同じこと。「良い絵本の描き方」に正解はありませんが、先人たちが試行錯誤してきたことの上に、次の創作があることを知っておかなければいけません。

 


カタタタキ
詩:西條八十

 

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タントン タントン タントントン

カアサン シラガガアリマスネ
タントン タントン タントントン

オエンガワニハ ヒガイッパイ
タントン タントン タントントン

マッカナケシガ ワラッテル
タントン タントン タントントン

カアサン ソンナニイイキモチ
タントン タントン タントントン

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