全力で動物の鳴きマネをする大人多数 子どもが音に夢中になる赤ちゃん絵本『わんわん わんわん』


大変光栄なことに先日、高畠純さんとお会いする機会がありました。

『だれのじてんしゃ』(フレーベル館)は、見開きにヘンな形をした自転車が描かれていて、「だれの じてんしゃ?」と主人公が問いかけます。めくると、なるほどぴったりの「だれ」が明らかになる展開。

この作品は1983年に「ボローニャ国際児童図書展 グラフィック賞」を受賞していますが、初期の頃から子どもの気持ちをガッチリつかんできた素晴らしい絵本作家です。

中でも『わんわん わんわん』は最高。いぬ、ねこ、ぶたと動物の鳴き声だけで展開する絵本です。出版社の紹介では幼児向けとありますが、今の時代なら赤ちゃん絵本としてオススメしたい。

イヌが1匹「わんわん わんわん」。そこへネコがやってきて「ニャーゴ ニャーゴ」。ブタさんもやってきて「ぶひっ ぶひっ」。さらには、ウシさん「ンモー ンモー」、ニワトリさんも「クワッ クワッ クワッ」、ヤギさん登場「めへー めへー」。みんなで一緒にあそんでいると、そこへ「プォーン」と大きな泣き声。ゾウがゴリラを引きつれて通りすぎた。神妙な面持ちで口を閉ざし、ゾウとゴリラを見届けたなら、あとはもうみんなで大騒ぎ。

音読すれば子どもが夢中になって楽しんでいる様子が目に浮かびます。

高畠さんは、最初に文の配置やサイズを決めて創作するそうですが、だからこそ動物の絵と鳴き声が一見バラバラのようでいて、見事にリンクしています。ゆるい絵もシンプルな配色もものすごく計算されている。それをさりげなくやるところがすごい。子どもがそういうところを見逃さない目を持っていることを知っているのだと思います。

装丁には「くすくすえほん」とありますが、間違いなく「げらげらえほん」。

『わんわん わんわん』

文・絵/高畠 純
理論社
定価/本体1000円+税
ページ数/36ページ
1993年1月発行