デジタル絵本をちょっとまじめに考える

7月19日にリリースされ、大きな話題を呼んでいるeBookリーダー「Kobo」。
楽天の傘下に入ったことで日本でも認知されるようになりました。
電子書籍の本質は「読む体験」を変えることだといいますが、絵本の未来にデジタル化はあるのでしょうか。

 


絵本をデジタル化するなら、何かしらの付加価値をつけようと考えますから、「動く」とか「音が出る」とかから始まって、「操作する」というところに向かうのは容易に想像できます。
そこまでしておいて、どうしてわざわざ「絵本」といいたいのかは、僕にはよくわかりませんが、とにかくそういう発想でデジタル絵本を作っていけば、その機能はゲームに近づいていくに決まっています。

一方で、日本の絵本界は今のところデジタル化の流れに前向きではないように思います。
その理由は、例えば「色」が端末に依存する問題だったり、「読んであげる」という大前提が崩れることを心配して、ということなのでしょう。とりわけ、2つ目の理由はもっともだと思います。

そもそも、絵本とゲームとは同じ楽しみの中にあって全く役割が違うと思うのです。
絵本は大人が子どもに「読んであげる」コミュニケーション・ツールです。対して、ゲームは基本的に「個」で楽しむもの。ネットワークがつながっていたとしても、臨む姿勢はやはり別物です。

そういう意味で、デジタル絵本はやはり「絵本ではない」のだと思います。もしも絵本とゲームが競合になったときは、大きな過ちを犯していることに気づかなければいけません。

逆にいえば、「親子のコミュニケーション」を実現できるデジタル絵本ならアリ(!)ということで、そこに未来のスタンダードになる新たな媒体のヒントがあるように思います。