幼児向け

数を「言える」から数を「かぞえる」知識が身につく

 

数の概念、というとまだ小さな子どもにとっては理解することが難しいものです。
にもかかわらず、子どもが数をかぞえるのが大好きなのは、それを声に出すと歌のような調子でテンポが良く楽しいからかもしれません。

子どもが言葉に興味を持ちはじめると、普段の暮らしを通じて「いち、に、さん、し」の数も言えるようになっていきます。
そんなふうにどんどん広がっていく子どもの知的好奇心にあわせて、少しずつ数を「かぞえる」ことも理解していくのだと思います。

絵本にも「数」をテーマにした作品がたくさんあります。
「1、2、3」のような数そのもの、「ひとつ、ふたつ」のような量をあらわすもの、多いと少ない、何番目という順番など、同じ数でもいろんな意味があります。それぞれの成長に応じた楽しくて役に立つ絵本を選んで、手にとってみてください。


『かぞえてみよう』

作/さかざき ちはる
定価/968円(税込)
対象/赤ちゃんから
白泉社
2013年5月発行

ぺんぎんさん、うさぎさん、りすちゃん……数えていくとあらら、動物たちが数字にへんしんだ! 最後は何と無限大!? はじめて「数」に出逢える、楽しいファーストブック。

 


『りんごはいくつ?』

作/よねづ ゆうすけ
定価/935円(税込)
対象/赤ちゃんから
講談社
2012年10月11日発行

ページにかくれた動物たちがりんごを1つずつ食べていきます。さて、りんごはいくつかな? 楽しいしかけのカウンティングブック。

 


『どのこかな? かぞえてみよう123』

作/ヒド・ファン・ヘネヒテン
定価/990円(税込)
対象/赤ちゃんから
ブロンズ新社
2014年4月発行

「1ぽんあしのフラミンゴ、どのこかな? さかなをつかまえたの、どのこかな?」。くらべて、かぞえて、みつけてみよう。ラストは、みんなであつまって、うみべへあそびに行きます。みんな、なにをしてあそんでいるのかな?

 


『かずのえほん いくつかな?』

作/谷川 俊太郎
絵/堀内 誠一
定価/1100円(税込)
対象/赤ちゃんから
くもん出版
2010年6月発行

1960年代に堀内誠一さんが描いた絵本のイラストに、2010年、谷川俊太郎さんが新たに詩を書き下ろしました。かたつむりがおさんぽしながら1から10まで数える、美しくて楽しいかずのえほんです。

 


『はじめての123』

絵/たかい よしかず
定価/638円(税込)
対象/赤ちゃんから
永岡書店
2012年3月発行

かずが1から100まで数えられるようになる本。ひと見開きに数字と、かずを表す絵が掲載されています。また、絵を見ながらものの名前や数え方も一緒に学習できます。お子様の手に合うサイズで、お出かけにもぴったりの1冊。

 


『かずのえほん』

絵/わらべ きみか
定価/1760円(税込)
対象/2、3歳から
ひさかたチャイルド
2002年1月発行

「かぞえるコーナー」と、「かんがえるコーナー」とで構成した新しい数の絵本。かぞえることだけにとどまらず、数学の基礎となる考える力を養います。

 


『ひょっこり ひとつ』

作/佐々木 マキ
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
2016年8月25日発行

クマが森の中できのこを見つけて「ひょっこり ひとつ」、カバが空を見上げるとくもが「ふんわり ふたつ」、ライオンが大きな花を見て「みごとな みっつ」、ほかにもりんごをよっつ丸ごと飲み込むヘビや、ここのつのキャベツを追いかけるブタなど、おかしな動物たちが登場するゆかいなかぞえうたの絵本。

 


『かぞえてみよう』

文・絵/ディック・ブルーナ
定価/770円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2018年2月10日発行

燭台に灯のともったろうそくが、1本。女の子のお下げに結ばれたリボンは、2個。器に盛られたりんごは、3個。並んだスプーンは、4本。ぴょんぴょん跳ねてるこうさぎは、5羽。ブルーナさんならではの明快なフォルムと色づかいで、子どもにとって身近なものや動物と、その数が描かれます。子どもは、数を数えるのが大好き。数に興味をもちはじめた子どもにぴったりの、楽しくってわくわくできる数の絵本です。

 


『かずあそび ウラパン・オコサ』

作・絵/谷川 晃一
定価/1430円(税込)
対象/3歳から
童心社
1999年2月20日発行

1はウラパン、2はオコサ……。1と2だけでたのしく遊べる、ちょっとふしぎな数遊び絵本。魔法がかかったようなやわらかな色彩の絵と言葉が、ふしぎな世界へと誘います。

 


『かぞえてみよう』

文・絵/安野 光雅
定価/1760円(税込)
対象/幼児から
講談社
1975年11月19日発行

楽しみながら数の知識が身につく絵本。美しい田園風景を描きながら、はじめて数に出会う子どものために、数字を楽しく見せてくれる絵本。講談社出版文化賞絵本賞など数々の賞に輝く傑作です。

 


『かずのえほん 1・2・3』

作/五味 太郎
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
絵本館
1992年11月発行

これは「かず」をおぼえるための絵本ではなく「かず」となかよしになれる絵本です。たのしんでいるうちに「数っておもしろい!」と感じることでしょう。

 


『ひとつ すこし たくさん』

絵/トム・スローター
文/マーサ・ジョスリン
訳/うみ ひかる
定価/1100円(税込)
対象/幼児から
西村書店
2006年12月5日発行

「すこし」っていくつ? 「たくさん」ってどれくらい? 数に親しみはじめた子どもたちは、大まかな数の表現をどう認識するのでしょう。モダンアートを楽しみながら、同時に数の概念が自然に理解できるように工夫されたユニークな絵本。

 


『かぞえておぼえる かずのえほん』

絵/島田 ゆか
定価/1650円(税込)
対象/幼児から
すずき出版
1996年4月発行

ひろくんの家には、テレビが一台、フライパンがふたつ……。画面の中のさまざまなものを実際にかぞえて、1~100までの数字をしっかり覚えます。数字の練習ページ付き。

 


『はじめてであう すうがくの絵本』

作/安野 光雅
定価/1760円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1982年11月20日発行

発見の喜び、創造の楽しさに満ちた数学の本と、すでに定評のあった作品を再編集し、新しい体裁でおとどけします。第1巻《なかまはずれ》《ふしぎなのり》《じゅんばん》《せいくらべ》

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絵さがし遊びは子どものほうが親より得意?

 

親子で一緒に楽しみながら、アタマの体操もできるのが絵さがし遊び絵本。
「さがす」ことに没頭していると、いつのまにか時間を忘れて絵本の滞在時間が長くなりがちなので、ちょっと遠出するときなど、親としてはここぞというときに役に立つ絵本のジャンルかもしれません。

おはなし絵本を読んであげるときもそうですが、子ども時代の特別な目は、文字ではなく「絵を読む」ことができます。
だから絵さがし遊びは、つい文字情報を追ってしまう親世代よりも子どものほうが得意なはず。まさに子ども向けによくできた遊びだと思います。

実際に今回ご紹介する作品の中で『きんぎょがにげた』『うずらちゃんのかくれんぼ』、「ウォーリー」シリーズはミリオンセラーを超える大人気ロングセラー絵本です。
赤ちゃん向けの優しい絵さがし遊びから、負けず嫌いのパパママは子どもよりも夢中になりそうな本格派まで、家族揃って楽しめるものがたくさんあります。

 


『きんぎょがにげた』

作/五味 太郎
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1982年8月31日発行

きんぎょが1ぴき、金魚鉢からにげだした。どこににげた? カーテンの赤い水玉模様の中にかくれてる。おや、またにげた。こんどは鉢植えで赤い花のふり。おやおや、またにげた。キャンディのびん、盛りつけたイチゴの実の間、おもちゃのロケットの隣……。ページをめくるたびに、にげたきんぎょがどこかにかくれています。子どもたちが大好きな絵探しの絵本。小さな子も指をさしながらきんぎょを探して楽しめます。

 


『うずらちゃんのかくれんぼ』

作/きもと ももこ
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1994年2月25日発行

うずらとひよこがかくれんぼを始めました。色と形を上手に使って、花に隠れたり、ひょうたんに隠れたり……。うずらちゃんと一緒に、楽しいかくれんぼ遊びのできる絵本です。

 


『ミッケ!』

文/ジーン・マルゾーロ
写真/ウォルター・ウィック
訳/糸井 重里
定価/1496円(税込)
対象/幼児から
1992年8月6日発行
小学館

「みずでっぽうをミッケ!」「カウボーイハットもミッケ!」おもちゃばこにかくれている、いろんなものをみんなで探しっこ。精巧なジオラマを写した写真の中に隠されているさまざまなものを探していく謎解き絵本です。シリーズ国内累計900万部突破。

 


『どこ? つきよのばんのさがしもの』

作/山形 明美
撮影/大畑 俊夫
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
2003年10月11日発行
講談社

まんげつのよる、クロをおってはじまった、ふしぎなさがしもののたび。クロは どこ? さがしものは、ほかにも、たくさん。さあ、さがして、みつけて、おいかけて! ここにあるのは、ぼくがもちかえった、ふしぎなおみやげ。どのページからもってきたものか、わかるかな。家族みんなで遊べるシリーズ。

 


『さがしてみようみつけてみよう』

作・絵/五味 太郎
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
1998年11月発行
偕成社

しげみの中にかくれた動物たちをさがしたり、正しい道順をみつけて子犬を救い出したり。さがして、みつけるゲームがいっぱい。

 


『100にんかくれんぼ』

作・絵/せべ まさゆき
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
2009年4月発行
偕成社

子ども100人、王さま100人、マラソンランナー100人……。数えて、探して、一冊で何通りもの遊びかたがある探し絵絵本。

 


『たいけつ! たからさがし』

作・絵/うるまでるび
定価/1430円(税込)
対象/3歳から
2012年9月27日発行
学研プラス

オバケ学校のこわれた銅像の下から、ヒミツの宝のありかを示す巻き物が出てきました。宝の山はいったいどこに? けんか別れしたシロッチとクロッチは、それぞれ宝さがしの旅に出発します。緻密な絵さがしや迷路など楽しいクイズをたっぷり楽しむシリーズ絵本。

 


『どこどこどこ いってきまーす』

作・絵/長谷川 義史
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
2003年12月日発行
ひかりのくに

遊園地でのトイレ、銭湯ではぐれたじいちゃん、盆踊りでの迷子など、日本の暮らしに溶け込んだ「さがしもの」が次々と掲示されます。掲示されているもの以外もいっぱいかくれています。

 


『どこどこ? セブン』

定価/1430円(税込)
対象/幼児から
2003年4月10日発行
自由国民社

ここにはとなりどうしおなじにみえるふたつのせかいがあります。でもおなじにみえるだけでよーくみてみると……! 写真を使ったまちがい探し絵本です。楽しくファンタジックな世界にかくされた7つの違いを、同じように見える左右の写真から探し出していく本です。

 


『NEW ウォーリーをさがせ!』

作・絵/マーティン・ハンドフォード
訳/唐沢 則幸
定価/1485円(税込)
対象/5歳から
2017年4月24日発行
フレーベル館

赤と白の縞模様の服と丸いメガネがトレードマークの主人公ウォーリー。様々な世界で起きている事件の解決をしろひげに依頼されて、世界中を旅しています。ページ毎に人混みの絵が描かれていて、その中に一人だけいるウォーリーやウォーリーの仲間たち、彼らの持ちものなどを探して楽しめます。「ウォーリー」シリーズの記念すべき第1作目がこの「ウォーリーをさがせ!」。1988年の初登場から30周年で新装版が登場。

 


『にたものランド』

作/ジョーン・スタイナー
訳/まえざわ あきえ
定価/1870円(税込)
対象/5歳から
1999年12月28日発行
徳間書店

ここは魔法の国、ふだん見慣れているものが、別のものに見えてくる。絵の具のチューブはズボンに、手ぶくろはソファに……。形はいつものままなのに、なぜか姿を変えてしまう秘密は、本の中にあります。

 


『とこちゃんはどこ』

作/松岡 享子
絵/加古 里子
定価/990円(税込)
対象/小学低学年から
福音館書店
1970年7月1日発行

赤い帽子と青い半ズボンの元気な男の子、とこちゃん。市場でお母さんがおしゃべりしているまに、とことこかけだして、どこかへいってしまいました。人ごみの中をさがしていくと、ああ、いたいた。動物園、浜辺にお祭り、デパート……人ごみにまぎれたとこちゃんを探そう。絵さがしの絵本の元祖ともいえる、子どもの大好きな絵本です。

 


『シモンのおとしもの』

作/バーバラ・マクリントック
訳/福本 友美子
定価/1760円(税込)
対象/小学低学年から
2007年3月発行
あすなろ書房

うっかりやのシモンは落し物をしてばかり。セーヌ川、ポンヌフ、ルーブル美術館……パリの街でシモンの落し物を探そう。素敵な風景が楽しめる絵さがし絵本。

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◎仕様

わにのだんす『わにのだんす』
ぶん/今井 雅子
え/島袋 千栄
定価/1540円(本体1400円+税)
対象/幼児から
2018年7月10日発行

32Pハードカバー製本
サイズ/幅200×高264mm
ISBN 978-4-8021-3109-4

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◎概要

踊ることが大好きなわにが道端でダンスをして見せると、通りがかりのわにたちは喜んでお金をくれました。わにはそのお金で好きなものを買いました。味をしめたわには、場所を変えては踊り、お金を貯めて次々に好きなものを買っていきます。もっともっとと考えたわにが、最後にたどり着いた場所で見つけた、本当に欲しかったものとは?
子どもが「はじめて出会う経済の本」。モノには「価値」があること、同時に「お金で買えない価値」があることを楽しく知ることができる絵本です。

 


◎作家プロフィール

今井 雅子
大阪府堺市出身。1970年生まれ。京都大学 教育学部卒。卒業後は広告代理店マッキャンエリクソンにてコピーライターとして勤務し、会社勤めのかたわら脚本家修行を開始。入社12年目の夏に退職しフリーの脚本家へ。映画「子ぎつねヘレン」「嘘八百」、NHK朝の連続ドラマ「てっぱん」、Eテレ「おじゃる丸」などの脚本執筆のみならず、童話、作詞など多方面で活躍中。

島袋 千栄
セツモードセミナー卒業。日産「モコ」、花王「アタックギフト」など数多くのコマーシャルアートを手掛ける。NHK「趣味悠々」にアート講師として出演経験も。

 


◎試し読み

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▶ 創作エピソードを読む

 


◎読者のお便り

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『オムライス ヘイ!』

作/武田 美穂
定価/1210円(税込)
対象/2、3歳から
ほるぷ出版
2012年7月1日発行

「オムライス、ヘイ! ざいりょうだ!」「にゅるにゅるにゅるにゅるケチャップだ!」。オムライスができるまでを、おいしそうなイラストと、リズミカルな文章で描いた大好評のたべもの絵本シリーズ。

 


『ごはん』

作/平野 恵理子
定価/1540円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2015年04月10日発行

表紙は、どーんとごはん茶椀のごはん。表紙をめくると、扉にどーんとおひつのごはん。扉をめくると、「たきこみごはん」の文字の隣に、どーんと豆ごはん! そのページをめくると、今度は、たけのこごはん、あさりごはん、かきごはん……とおいしそうなたきこみごはんが、ずらーり! そのあとも、オムライスがどーん! かつどんがどーん! そして、どーんのあとはずらーり! もう、たまらない!

 


『おいしい おと』

文/三宮 麻由子
絵/ふくしま あきえ
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2008年12月31日発行

今日のごはんは何かな? 春巻き、ウィンナ、わかめのみそ汁、レタスにプチトマト。春巻きを食べると、どんな音がするかな? ウィンナやレタスはどうかな? ある日の食卓の、おいしい音が勢ぞろい。これを読んだら、食事がよりいっそう楽しくなること請合い! くいしんぼさんの手が、あっちからも、こっちからも伸びてきますよ。

 


『めん たべよう!』

作/小西 英子
定価/1650円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2018年9月10日発行

子どもは麺料理が大好き。離乳食でもうどんなどは早い段階で取り入れられますし、少し大きくなったら、スパゲッティやラーメンを美味しそうにすする子どもも多くなることでしょう。そんな麺料理をうどん・スパゲッティ・そば・ラーメンの4種に絞って描きました。どの場面も、あたたかな湯気やだしの香りが漂ってきそうな臨場感に満ちています。読めばきっと麺を食べに行きたくなる、そんな美味しい(悩ましい?)絵本です!

 


『サラダでげんき』

文/角野 栄子
絵/長 新太
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2005年3月10日発行

りっちゃんはお母さんが病気になってしまったので、なにかいいことをしてあげたいと考えます。そこで、美味しいサラダを作ることにしました。きゅうり、きゃべつ、とまと、をお皿に乗せたところで、ねこ、いぬ、すずめ、あり、うまが次々とやってきて、サラダ作りのアドバイス。北極からは白熊の電報が届き、最後にはぞうが飛行機に乗って登場します。みんなが手伝ってくれたおかげで、美味しいサラダの出来上がり。りっちゃんのお母さんはそのサラダを食べてたちまち元気になりました。

 


『きょうのごはん』

作/加藤 休ミ
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
偕成社
2012年9月発行

ネコがご近所を練り歩いて夕飯パトロール! ここのお家の今晩のごはんはなにかな? リアルな食べ物の絵はまさに垂涎ものです。

 


『おいしいよ! はじめて つくる かんこくりょうり』

文/ペ・ヨンヒ
絵/ チョン・ユジョン
訳/かみや にじ
定価/2200円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
2013年5月20日発行

プルコギ、チャプチェ、チヂミ……最近、こんな韓国料理の名前も、ずいぶん身近になりました。でも、作るのは? それが、意外と簡単なんですよ。この本の原題は「小さな手のための料理の本」、つまり、小さな子どもと作る韓国料理の本なのです。だから、どれも作り方はとってもシンプルで、その上、とびっきりおいしい料理ばかり。子どもたちが大好きなおやつもたくさん載ってます。

 


『ごはんは おいしい』

文/ぱく きょんみ
写真/鈴木 理策
定価/1760円(税込)
対象/5歳から
福音館書店
2017年10月15日発行

「ごはんは おいしい/ごはんは あったかい/わたしは ごはんが だいすき」ごはんの湯気に包まれて、聞こえてくるのは大好きなおばあちゃんの声。「ごはん いっぱい たべてねー」 おばあちゃんは田んぼの四季のお話を歌うように語ります。おばあちゃんのお話は、季節、そして命が巡り巡ってはるか遠くから「わたし」に繋がっていることを伝えてくれます。ことばと写真、それぞれをじっくりかみしめるように味わえる写真絵本です。

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『きょうのおべんとう なんだろな』

作/岸田 衿子
絵/山脇 百合子
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1994年3月20日発行

野原でたくさん遊んだ動物達は、「きょうのおべんとうなんだろな」と、それぞれ自分のお弁当を開けます。大きなぞうさんも、小さな虫さんも、みんな自分の大好物が入っていてうれしそう。

 


『おでかけのまえに』

作/筒井 頼子
絵/林 明子
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1981年10月20日発行

ピクニックにでかける前の、小さい女の子のはずむ心を、ごくあたりまえの家庭を舞台に描きだした、ほのぼのとのびやかな絵本です。

 


『14ひきのぴくにっく』

作/いわむら かずお
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
童心社
1986年11月15日発行

「きょうは なんて いい てんき。みんなで、はるの のはらへ でかけよう」お弁当と水筒をもって、出発です。森には、あちこちに、新しい春の命が。ゼンマイが芽を出し、目を覚ましたアマガエルたちの鳴く声がきこえてきます。すみれ、やまぶき、ちごゆり、ふでりんどう……花々が咲き、春の訪れを告げています。14ひきたちは、森をぬけ、つくしの道をあるいて小川をわたり、たんぽぽ野原へ……。人気シリーズの第5作。

 


『おべんとう だれと たべる?』

作/あずみ虫
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2015年3月20日発行

「おべんとおべんとクマさんのおべんとう……」わらべ歌のようなリズミカルな文章にのって、動物や人間たちが色々なお弁当を作ります。できたらそれを持ってお出かけ。夏にクマさんが、秋におばあちゃんが、冬にたぬきさんが作るお弁当は、誰とどこで食べるものでしょう? お弁当は一人で食べてもおいしいけれど、誰かと食べるとまた格別のおいしさ。読み終わったあとは、きっとお弁当を作って外に出て行きたくなりますよ。

 


『おべんとうを たべたのはだあれ』

作/神沢 利子
絵/柿本 幸造
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
ひさかたチャイルド
1983年1月発行

お弁当を持って野イチゴをつみに出かけた女の子。でも、お弁当の中身がなくなって……。食べたのは誰でしょう?

 


『おにぎりをつくる』

文/高山 なおみ
写真/長野 陽一
定価/1320円(税込)
ブロンズ新社
2020年1月発行

よういするのは、お米とお塩とお水だけ。留守番しているこどもたちにも、忙しいお母さんにも、おにぎりはいちばんの味方。5歳でも作れる、ほっかほかの提案です。

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『おにぎりをつくる』

文/高山 なおみ
写真/長野 陽一
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
ブロンズ新社
2020年1月発行

 


「今からおにぎり作る!」

この絵本『おにぎりをつくる』を手に取った時から、絶対言われると思っていたセリフ。
案の定、読み終わった瞬間にこう言われた。

よういするのは、お米とお塩とお水だけ。留守番しているこどもたちにも、忙しいお母さんにも、おにぎりはいちばんの味方。5歳でも作れる、ほっかほかの提案です。

長女は赤ちゃんの頃からおにぎりが大好物である。
特に海苔を巻いた塩むすびが好きで、こちらが止めるまで食べ続けてしまうくらいだ。

長女は結構飽きやすく、料理をやりたがる割にはすぐに飽きてしまうことが多いのだが、予想に反して、ずっと楽しそうに作ってくれた。

お米をつんつん触っては「あついねー!」
塩を手につけては「しょっぱい!」(なめてないのに……)
お米を握っては「ぎゅーー!」

もうおしゃべりが止まらない。

この絵本は小さな子どもが一人でおにぎりを握れるよう、大きなひらがなでレシピが描かれていたり、実際に子どもが握っている手の写真が使われていたりする。
つまり、この絵本を読めば自然とおにぎりが作れるようになっているのだ。

長女が大量に握った塩むすびはこの日の昼食と夕食に並んだ。
たくさんの小さなおにぎりがお皿にコロコロ並んでいて、なんとも可愛らしい。

「私が握ったのよ!」と、パパや次女に自慢しながらどんどん食べていく長女を見て、当分の間『おにぎりをつくる』ブームが続くことを覚悟した。

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『おかあさんがおかあさんになった日』

作/長野 ヒデ子
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
童心社
1993年7月15日発行

 


「赤ちゃんだからできない! ママやって!」

最近、3歳長女の赤ちゃん返りがひどい。すぐ「できない!」と泣きわめく。
そんな時、こちらも忙しいとつい
「1人でやりなさい! 赤ちゃんじゃないんだから」
と言ってしまうことがある。

叱られると、長女は目に涙をいっぱいためて黙るくせがある。
そんな様子を見ると心が痛むのだが、毎回優しく付き合ってあげられるわけではないのだ。

長女が1歳くらいの頃から、わが家では寝る前に絵本を一冊読むのが日課だ。
赤ちゃん返りをした日の長女はよく『おかあさんがおかあさんになった日』という絵本を持ってくる。

おかあさんは期待と不安の中、はじめて赤ちゃんを生んだ日、おかあさんに。

臨月を迎えた1人のお母さんが、赤ちゃんを生むために入院するところから話が始まる。
お母さんは「赤ちゃんに早く会いたいなあ」とわくわくしながら病院の中を散歩する。やがて陣痛が始まり、とうとう赤ちゃんに会える瞬間が近づいて……。

子どもは皆、自分が赤ちゃんの頃の話を聞きたがる。自分が愛されていることを実感できるからだ。長女ももちろんそれを聞きたくてと思っていたが、この日は違うことを言ったのだ。

「次女ちゃんが生まれた時も喜んだ?」

わが家には、もうすぐ1歳になる次女がいる。
長女は、いつもヨチヨチ後をついてくる次女が煩わしいのか、よく「来ないで!」と怒っている。本当は次女のことが嫌いなのではと気になっていた。

長女はまだ3歳。甘えたい気持ちもたくさん持っているだろう。
長女はきっと、「赤ちゃん」の次女と、「赤ちゃんではない」自分を分かっている。
彼女は少しずつだけど、確かにお姉ちゃんになりつつある。

絵本を読み終わった頃には長女は寝ていた。

長女はいつも、私のひざやお尻にしがみついて寝る。
なぜなら、私が次女を抱いているせいで彼女の方を向けないからだ。でも長女から「私も抱っこして」と文句を言われたことは一度もない。
私は絵本を閉じて長女を抱きしめた。

あなたが生まれてくれたから、私はお母さんになれたんだよ。
優しいお姉ちゃん、生まれてきてくれて、本当にありがとう。

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『ぼくは犬や』

作/ペク・ヒナ
訳/長谷川 義史
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
ブロンズ新社
2020年4月発行

 


私は子どものころから動物が大好きだったが、犬嫌いの兄がいたため犬を飼えなかった。
そんな私とは対照的に、夫は子どもの頃に、ムーという名前の白い雑種犬を飼っていたらしい。

ムーは人間に懐こうとせず、隙あらば人間を振り切って脱走しようとし、芸もほとんどしない犬だったそうだ。
しかし夫にとっては、悩み事を聞いてくれる大切な友達だったという。

今回『ぼくは犬や』の絵本を一番気に入ったのは、夫だった。

『ぼくは犬や』は韓国の作者が描いた絵本で、グズリという犬が主人公だ。
挿絵も絵ではなく、ファニーフェイスな人形たちの写真が使われている。日本語訳がなぜか関西弁なのだが、妙にマッチしているから不思議だ。
絵本のストーリーは、グズリとその飼い主の少年ドンドンとの日常の風景を切り取ったもの。ラストはちょっと切ないが心がほっこり温まる。

犬と人間の家族の泣き笑いの物語。ひとはぼくを「グスリ」とよぶんや。パンウリというおかあちゃんから4ばんめにうまれたんが、ぼくや。おっぱいからはなれたときに、ここにやってきた。おとうちゃん、おばあちゃん、ドンドン、近所に住むたくさんのきょうだいとグスリは今日も全力でつながります。『あめだま』のグスリとドンドン、ちいさい頃のおはなし。

犬を飼ったことのある夫に言わせれば、「本当にこんな感じ」なのだという。
ペットというよりお兄さんか友達と接しているような感覚だったらしい。

夫はムーと2人きりの時、誰にも言えない悩み事を相談していたという。
そんな時のムーは吠えたりせず、じっと聞いてくれ、話終わる頃にはなんだかスッキリした気持ちになったらしい。

確かにグズリもドンドンのことを下に見ているような感じなのだが、犬からすれば人間の子どもなんて弱っちく情けないものに見えているのかもしれない。

絵本を読みながらムーのことを思い出したのだろう、夫は長い間挿絵を見つめていた。
グズリとドンドンのように、夫とムーだけの世界があったのだろう。
飼いたくても許してもらえなかった私からすれば、羨ましくて仕方ない話だ。

ああ、やっぱり犬を飼ってみたい。
散歩など、体力がついていけるかどうか心配だが、犬とそんな関係を築けたらと思うとワクワクしてしまう。
いつか子ども達が手を離れたら、夫に相談してみよう。

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『こうえん』

作/くりはら たかし
定価/1430円(税込)
対象/3歳から
偕成社
2020年4月発行

 


最近のコロナ騒動でめっきり減ってしまったが、以前はよく子ども達を連れて外出していた。

子連れで出かけると、親切な方に助けていただくことがある。
特に私1人で子ども2人を連れている時は本当にありがたい。

以前、電車でかなりハードな服装をした、スキンヘッドの男性と乗り合わせたことがあった。その男性の革ジャンの背中にアメリカの国旗がプリントされているのを見た長女が、

「ママ、アメリカだよー!」と大声で叫んだのだ。

私は反射的に、何か言われるのではないかと身構えつつ、長女を叱った。
しかし、男性はピアスがたくさん付いた口でニカッと笑い、長女に手を振って、国旗がよく見えるように背中を向けてくれた。

人は見かけで判断してはならない。
頭では分かっていても、無意識にやってしまっていると痛感した出来事だった。

『こうえん』は、そんな教訓がよく分かる絵本だ。

〝おにがはらこうえん〟は、子どもたちに大人気の遊び場です。いつも大勢の子どもたちが思い思いに楽しく遊んでいるのですが、たった1つ、気をつけなければいけないことがあります。いつも聞こえている「ぐあーっ、ぐおーっ!」といういびきのような音が「うーん、むにゃむにゃ」という声にかわったら、おおいそぎでかくれなければいけません。もし逃げおくれると、たいへんなことになってしまいます。

鬼のお腹の上にある「おにがはらこうえん」。
鬼が起きたら一目散に逃げていく子どもたち。ある日、1人の子供が逃げ遅れ、鬼につかまってしまう。しかしその時、男の子と一緒になぜか鬼も泣いたのだった……。

この絵本を読んでいる時、最初長女は「鬼怖い!」と言っていたのだが、読み進めるにつれて「鬼かわいいねー!」と、ちゃっかり正反対のことを言うようになった。

子どもは純粋だ。見た目が怖いもの、大人が「怖い」と教えたものをすぐに信じてしまう。
最初は、大人以上に見かけで判断してしまうこともあるかも知れない。

しかし、その概念を簡単に乗り越えていってしまうのも、また子どもなのだ。

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