東京子ども図書館を設立した児童文学者 松岡享子の本

生涯、児童文学の世界に関わってこられた松岡享子さんは、日本で最も多くの子どもと触れ合った人のひとりかもしれません。
色々な顔をお持ちだったので、ある子どもにとっては、東京子ども図書館の理事長だったでしょうし、ある子どもにとっては、絵本『しろいうさぎとくろいうさぎ』の翻訳者だったでしょうし、またある子どもにとっては、大学で児童文学を教えてくれた先生だったでしょう。
いずれにしても、児童文学の向こう側にはいつも松岡さんがいらっしゃった。それくらい大きな存在だったと思います。

僕にとっては、「子どもはお話を耳から楽しむ」ことに気づきを与えてくれた人。松岡さんの活動を通じて、絵本とは何か、という根っこの大切なところを教えていただきました。

 


『うさこちゃんと あかちゃん』

文・絵/ディック・ブルーナ
訳/まつおか きょうこ
定価/880円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
2005年4月30日発行

ある春の日、もうすぐ赤ちゃんが生まれると知ったうさこちゃんは、大喜びで家中を踊りながら歩きます。そして、生まれてくる赤ちゃんに、贈り物をつくろうと決めました。赤ちゃんの大好きなひよこの絵を描いたら、お父さんが額に入れて壁に飾ってくれました。お母さんは青い毛糸をくれたので、うさこちゃんは赤ちゃんのためにねずみをつくりました。さあ、あかちゃんとはいつ会えるのでしょう。初めてお姉さんになるうさこちゃんのお話です。

 


『とこちゃんはどこ』

作/松岡 享子
絵/加古 里子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1970年7月1日発行

赤い帽子と青い半ズボンの元気な男の子、とこちゃん。市場でお母さんがおしゃべりしているまに、とことこかけだして、どこかへいってしまいました。人ごみの中をさがしていくと、ああ、いたいた! 動物園、浜辺にお祭り、デパート……人ごみにまぎれたとこちゃんを探そう! 絵さがしの絵本の元祖ともいえる、子どもの大好きな絵本です。

 


『くまのコールテンくん』

文・絵/ドン・フリーマン
訳/まつおか きょうこ
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1975年5月発行

デパートのおもちゃ売場のくまの人形を一目で好きになり、自分の貯金をはたいて買いに行く。女の子と人形との心のふれあいを描く。

 


『しろいうさぎとくろいうさぎ』

文・絵/ガース・ウィリアムズ
訳/まつおか きょうこ
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年6月1日発行

白いうさぎと黒いうさぎは、毎日いっしょに遊んでいました。でも、黒いうさぎはときおり悲しそうな顔で考えこんでいます。心配になった白いうさぎがたずねると「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」と、黒いうさぎはこたえます。黒いうさぎが願っていたのは、白いうさぎといつまでも一緒にいられることでした。それを知った白いうさぎはどうしたでしょうか? 結婚式の贈り物に選ばれることも多い、優しく柔らかな2匹のうさぎの物語。

 


『おふろだいすき』

作/松岡 享子
絵/林 明子
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1982年4月30日発行

ぼくはおふろが大好きです。ぼくはいつもあひるのプッカをつれてはいります。お湯でからだを流したら、プッカと一緒にお湯に入ります。「あつくもないし、ぬるくもないし、ちょうどいいかげん。」ぼくがからだを洗っていると、ざぁーっと湯ぶねからカメが現れました。すると、ペンギン、オットセイやカバ、クジラまで現れました……。子どもの空想の世界を、楽しいおふろ時間でのびのびと描いた絵本です。

 


『おやすみなさい フランシス』

文/ラッセル・ホーバン
絵/ガース・ウィリアムズ
訳/まつおか きょうこ
定価/1210円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年7月1日発行

時計が夜の7時をしらせると、フランシスの寝る時間です。まずミルクを飲み、お休みのキスをして、ベッドに入ります。ところが、ちっとも眠くなりません。そのうちに、部屋の中にトラがいるような気がして心配になり、おとうさんとおかあさんのところへ。もう一度キスをしてもらいふとんに入りますが、今度は部屋に大男がいる気がしてねむることができません。さてさて、フランシスはぶじに眠りにつくことができるのでしょうか?

 


『くまのパディントン』

作/マイケル・ボンド
絵/ペギー・フォートナム
訳/松岡 享子
定価/1430円(税込)
対象/小学校中学年から
福音館書店
1967年10月1日発行

ブラウン夫妻が初めてパディントンに会ったのは、パディントン駅のプラットホームでした。だから、クマには珍しい「パディントン」という名前が付けられました。暗黒の地ペルーから、1人で移民してきて、身寄りもなく駅の隅に佇んでいましたが、親切なブラウン夫妻にひきとられ、縦横無尽に活躍します。一度読み始めたらやめられない、おかしなおかしなクマのパディントンのお話の第1作目です

 


『子どもと本』

定価/1034円(税込)
岩波書店
2015年2月20日発行

児童文学の翻訳、創作、研究をつづける第一人者が、本のたのしみを分かち合うための神髄を惜しみなく披露します。長年の実践に力強く裏付けられた心構えの数々からは、子どもと本への限りない信頼と愛が満ちあふれてきて、読者をあたたかく励ましてくれます。

 


『えほんのせかい こどものせかい』

定価/748円(税込)
文藝春秋
2017年10月6日発行

「子どもが読書の楽しさを発見する為に大人は何を手助けできるか」という事を著した本書。1987年に単行本が刊行され、24刷まで版を重ねている大人気のロングセラー本です。子どもが最も喜んだ34冊を紹介し、読み聞かせのコツや優れた絵本を選ぶポイントを解説。また、松岡さんが東京子ども図書館の「おはなしのへや」で子どもたちに語りかける様子や、バラの咲き誇る図書館の素敵な外観などを撮り下ろしたオリジナルページもカラーで多数、追加収録しました。