『たぬきのひみつ』
作/加藤 休ミ
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
文溪堂
2019年6月6日発行
「○○ちゃんって呼ばないで! プリンセスだから」
最近「ディズニープリンセス」にどっぷりハマり、プリンセスになりきっている長女。特に教えたつもりはなかったのだが、保育園のお友達に教えてもらったらしく、あっという間に大好きになった。まだ3歳でも立派な女子。情報網はあなどれない。
誰が何といおうと彼女は今プリンセスなので、プリンセスらしからぬものは全て拒否し、日々女子力に磨きをかけている。この頃母は、召使いのようにかしずいてばかりのような気がする。
『たぬきのひみつ』という絵本がある。
本を開けばいきなり「だれにもいっちゃいけないよ」と、たぬきが秘密を教えてくれる。
ストーリーは単純で、文章もとても少ない。しかし、どこかとぼけた感じの動物たちがページをめくるごとに現れ「本当?!」と言いたくなるような秘密を教えてくれる。次はどんなことが描かれているのかと、ページをめくるのが本当に楽しい絵本だ。
だれにもいっちゃいけないよ。たぬきのおへそって……たこ焼きなんだよ!! りすのしっぽは? あひるのくちばしは? コアラのはなは? どうぶつたちのおいしい(?)ひみつをこっそりおしえるね。
最近の長女は、とにかくプリンセスが出てくる絵本やDVDばかり観たがるので、当初はこういう素朴な動物の絵本は読まないだろうと思っていた。
しかし、そんな長女が、なんとたぬきのびっくりするような秘密を見てニヤッと笑い、さらに祖母お手製のピンクのドレスを脱ぎ捨て、お腹を出してたぬきの真似を始めたのだ。
大人なら「こんなことありえないでしょ」と一蹴してしまいそうなストーリーでも、
子供は「なんだか面白い」と受け入れてしまう。我が家のプリンセスも「なんだか面白い」には適わなかったようである。
お腹を出してほぼ裸になってしまった長女は、いろんな動物の秘密を見てニヤニヤしている。今日はもうプリンセスはお休みにするようだ。久しぶりに見たお調子者な長女を見て、私もなんだかニヤニヤが止まらない。
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