作/オードレイ・プシエ
訳/ふしみ みさを
定価/本体1540円(税込)
対象/赤ちゃんから
BL出版
2019年10月25日発行
「まま、起きてる? あのねー今日ねー……」
もうすぐ3歳の長女の寝かしつけは長い。時には2時間以上かかる日もある。
布団に入って部屋を真っ暗にしても、あれこれ話しかけてきて寝る気配が全くない。最終的には私が先に寝入ってしまい、帰ってきた夫に起こされる始末である。
幼児を育てる親なら誰もが経験する「寝かしつけあるある」なのだが、最近寝かしつけにぴったりのこんな絵本を見つけた。
『みーんな ねちゃった?』という絵本である。
こどもとママが、ねるしたくをしています。「ひよこたちも はみがきした?」と、こどもがきくと、ママがこたえます。「ええ、ちゃんとくちばしまでみがいたわよ」。こどもの質問はどんどん続きます。ママはどんなふうに答えていくのでしょう? ユーモラスでかわいらしい、フランスのおやすみ絵本です。
ベッドに入った男の子。しかし眠くないのか、ママにたくさんの質問をしている。
「お花もはみがきする? お月さまはねないの?」
親子の夜時間がとても微笑ましい一冊だ。
何より、ママの質問の答えがとても素敵だ。私だったら「もう寝なさい!」と言ってしまいそうなところだが、この絵本のママは根気よく、それでいて愛情たっぷりに答えていく。私もこんなママに寝かしつけしてもらいたい。
でも、現実のママは夜だって忙しいのである。
子どもが寝たあとも、家事や仕事が残っているのだ。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと思うと、子どもを早く寝かせたくなる。
そんな夜にこの絵本を読むと、焦る気持ちが落ち着き、長女のおしゃべりにも付き合ってあげようという気になるから不思議だ。
しかも、ある程度おしゃべりに付き合い、満足してもらった方がすんなり寝ることも分かった。
子どもたちが早く寝付いてくれた夜はとても静かで平和だが、すぐに寝顔を見たくなり何度も寝室を覗いてしまう。
今夜もかわいい姿をたくさん見せてくれてありがとう。
心の中で絵本に感謝の意を示し、また明日も頑張ろうと思えるのだった。
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