ママライターの読書感想文 抱きしめる時間、それは親と子の特別な時間『おやこでぎゅっ!』

『おやこでぎゅっ!』

作/まつばら いわき
定価/935円(税込)
対象/0歳から
ひかりのくに
2014年11月発行

 


「まま、”ぎゅっ!”よんで」

我が家では寝る前に絵本を読む。中でもこの絵本は2歳の長女のお気に入りだ。

この絵本には、いろんな動物の親子が抱きしめ合っている様子が出てくる。動物によってそれぞれ違った抱きしめ方をしているのだが、その挿絵がリアルに描かれていてとてもかわいい。

赤ちゃん向けのふれあい絵本。いきいきとした本物のような動物たちをしっかりと見ることができます。「ぎゅっ」と抱きしめる、愛情あふれるしぐさや表情に、読んでいて思わず笑みがこぼれます。

「はーい、おいで。ぎゅー!」

挿絵の動物たちをマネして、私たちもぎゅっと抱き合う。頬と頬をくっつけ合うと、長女はいつも楽しそうに笑う。

今年の夏に次女が生まれ、早くもお姉さんになった長女。次女にママを取られたように感じていたのだろうか。今まで以上にこの絵本を読んでくれとせがむようになった。

眠りについた長女を見ながら、思う。大きくなったようでも、まだまだ2歳。赤ちゃんと子どもを行ったり来たり。きっとこの絵本は、まだ言葉のつたない長女にとって、「さみしい」を伝えられる唯一のツールなのだ。

「おかあさん、おかあさん。ねえ、ぎゅってして」

絵本に出てくるこのセリフは、長女の複雑な気持ちを代弁してくれるのだろう。この絵本は、そんな長女と私に、何物にもかえがたい親子の時間を作ってくれる。

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