『しましまぐるぐる』
絵/柏原 晃夫
定価/968円(税込)
対象/0歳から
学研プラス
2009年4月9日発行
赤ちゃんや幼児の手が好きだ。
ふっくらした小さな手のかわいらしさときたら格別。紅葉のような手、という表現がまさにぴったりだ。
『しましまぐるぐる』という絵本がある。
生まれて間もない赤ちゃんは、赤や黒といったコントラストの強い色や、目鼻口のある顔の絵は認識することができる。この絵本にはストーリーはないが、顔のついたカラフルなぐるぐる模様やしま模様がたくさん出てくる。
あかちゃんが注目する黒を中心に、2カ月児でも見やすいコントラストの強い配色にデザインしたベイビーブック。あかちゃんが生まれながらに反応する「顔」や、反応のいいとされる「しましま」と「ぐるぐる」がいっぱいのかわいくてきれいな絵本。
長女が生後3ヵ月のときにこの絵本を見せたのだが、口を大きく開けて「きゃあ!」と笑い、食い入るように見つめていた。
まだ大した遊びもできない時期だったので、初めて長女とコミュニケーションが取れてとても嬉しかった記憶がある。
あんよができる頃になると、一緒に模様を指差して遊べるようになった。「ちまちま~」と言いながら可愛らしい手が絵をなぞっていく。本人はいたって真剣である。
もうすぐ3歳になる長女の手はずいぶん大きくなったが、しましま模様を指差す手はまだまだ紅葉だ。でも、きっとすぐ「子どもの手」になってしまうんだろう。
この手を眺める時間もまるごと愛おしい。何気ない瞬間の中にたくさんの「見逃したくないもの」があると、この絵本が教えてくれたように思う。
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