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「親子で一緒に楽しめる」ことを基本的な考えとして、日隈さんとの絵本づくりで導き出したテーマは「さわる」です。
動物から「なでて」と声掛けがあり、ページをめくって、なでてあげると動物がうれしそうにしている。「いないいない」「ばあ」と同じ、1.2のリズムで繰り返す定番の展開です。
「さわる」を楽しんでもらうために、まずはいろんな「感触」を洗い出すところからはじめました。
ふわふわ、ふさふさ、すべすべ、さらさら、ざらざら、かさかさ、ごつごつ、ごりごり、かちかち、つるつる、ぬるぬる、べたべた、ふにゃふにゃ……
「今だったら『もふもふ』も、おもしろい表現ですよね」とか言ったりして。
次に、その「感触」にあてはまる動物をピックアップしていきました。
ふさふさといえば、ライオンのたてがみ。ごつごつといえば、やっぱりわにが代表選手です。ふわふわなのは、アルパカ。
「アルパカって今っぽいけど、赤ちゃん絵本に登場するには、もうちょっと身近な動物のほうが良いかも」
「ぶたも描いてみたいけど、どんな感触だっけ」。
▲初期のアイデアスケッチから。最初の見開きで「なでて」と声をかけてくる動物
▲ページをめくると、なでてもらってうれしそうな動物が。いろんな「感触」が楽しい
赤ちゃん絵本は基本的に24ページです。見開きでいうと11見開き。
1.2のリズムで登場できる動物はわずかに5種類です。魅力的な動物を並べてみて、候補を絞り込む作業は大変です(現在進行形)。
絞り込むときのポイントは、感触のバリエーションと、もうひとつ。
バリエーションで見せるだけでも、十分に楽しい赤ちゃん絵本になりますが、今作では「親子で一緒に楽しめる」ためのとっておきの仕掛けを考えました。そのアイデアについては、今はまだお披露目できませんが、ライオンは残念ながら落選です。
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