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幼児向け絵本の出版社エンブックス(代表:西川季岐/にしかわとしみつ 事業所:東京都豊島区)は、クラウドファンディングプラットフォームを活用した絵本づくり「家糸プロジェクト」を、2015年8月3日(月)より始動いたしました。

家糸プロジェクト

 


「家糸プロジェクト」要旨

昨春に主を失って間もなく、取り壊されることになった築100年のお家。そこで、4番目の孫として育った村上萌さんが語り手となり、おばあちゃんが教えてくれた大切なことを、物語絵本にして新たな100年を紡ぎます。

 

クラウドファンディングについて

クリエイター・表現者が不特定多数の人からプロジェクト資金を募る事を指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、プロジェクトを始める前の段階でアイデアを元に資金を募る、新しい資金調達の仕組みです。

目標調達額:100万円
期間:120日間(2015年8月3日~11月30日)
リターン(プロジェクトを応援いただいた方への特典)

支援金 リターン
¥1,700 完成した絵本の初版を、DM便でお届けします
¥2,000 サイン絵本にラッピングをして、手渡しします
¥3,000 ラッピングした絵本にサンドイッチセットを添えて、手渡しします
¥3,000 ラッピングしたサイン絵本にサンドイッチセットを添えて、手渡しします
¥30,000 今作品の奥付にパトロンとして、お名前を印刷します【限定】

 

絵本の仕様

文/村上 萌(NEXTWEEKEND代表)
絵/湯浅 望
編集/西川 季岐

  • サイズ:181×256mm(B5変形ハードカバー)
  • ページ:32Pフルカラー
  • 定価:1700円(本体1574円+税)
  • 出版予定日:2016年3月26日
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◎仕様

かけるかける『かけるかける』
ぶん・え/おが たかし
定価/2750円(本体2500円+税)
対象/幼児から
2013年12月10日発行

32Pハードカバー製本(カバーなし)
サイズ/幅200×高264mm
ISBN 978-4-905287-10-0

*この絵本は受注生産でお届けします

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◎概要

「かけるかける」という印象的なフレーズが繰り返される「ことば遊び」で、読み聞かせをするのが楽しい絵本。
表紙から連想する通り、最初の見開きではチーターが「駆ける」。サバンナのお話かと思いきや、ありとあらゆる「かける」によって、物語はどんどん予想外の方向へ進んでいきます。
ナンセンスでありながら、センス良くつながっていく展開が見事です。

 


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7月19日にリリースされ、大きな話題を呼んでいるeBookリーダー「Kobo」。
楽天の傘下に入ったことで日本でも認知されるようになりました。
電子書籍の本質は「読む体験」を変えることだといいますが、絵本の未来にデジタル化はあるのでしょうか。

 


絵本をデジタル化するなら、何かしらの付加価値をつけようと考えますから、「動く」とか「音が出る」とかから始まって、「操作する」というところに向かうのは容易に想像できます。
そこまでしておいて、どうしてわざわざ「絵本」といいたいのかは、僕にはよくわかりませんが、とにかくそういう発想でデジタル絵本を作っていけば、その機能はゲームに近づいていくに決まっています。

一方で、日本の絵本界は今のところデジタル化の流れに前向きではないように思います。
その理由は、例えば「色」が端末に依存する問題だったり、「読んであげる」という大前提が崩れることを心配して、ということなのでしょう。とりわけ、2つ目の理由はもっともだと思います。

そもそも、絵本とゲームとは同じ楽しみの中にあって全く役割が違うと思うのです。
絵本は大人が子どもに「読んであげる」コミュニケーション・ツールです。対して、ゲームは基本的に「個」で楽しむもの。ネットワークがつながっていたとしても、臨む姿勢はやはり別物です。

そういう意味で、デジタル絵本はやはり「絵本ではない」のだと思います。もしも絵本とゲームが競合になったときは、大きな過ちを犯していることに気づかなければいけません。

逆にいえば、「親子のコミュニケーション」を実現できるデジタル絵本ならアリ(!)ということで、そこに未来のスタンダードになる新たな媒体のヒントがあるように思います。

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目次

  1. 『ニコニコしょうてんがい』絵本原画展レポート①
  2. 『ニコニコしょうてんがい』絵本原画展レポート②

 


原作は8見開きの短い絵本

 

絵本『ニコニコしょうてんがい』は、2010年に「第1回パブー絵本コンテスト」で大賞を受賞した作品が元になっています。

というのも、コンテストで大賞を受賞したのは、8見開きの短い絵本だったんですね。そもそも紙の本にすることが前提ではなくて、アプリとか電子絵本への展開を考えた絵本コンテストだったから、ページ数に決まりがなかったんだと思います。

そのたった8見開きの絵本を読んで、僕はみるみるうちに元気になりました。なんというか、こんなに素直な絵本に出会ったことはないんじゃないかというくらいの感動で、アタマではなくココロが直接「良い絵本だ」って言ったんです。

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紙の絵本にするために追加された6場面

 

早速ミジさんにコンタクトをとって、紙の絵本にすることが決まりました。製本の都合上、物語絵本は15見開きという制約があります。

そこで、どうやったら原作の素直な展開を壊さずにお話のボリュームを増やせるか、何度も相談しました。へたに余計な物語を追加してしまうと、ページをめくるリズムが変わってしまう可能性もあります。

できることなら、この絵本は気持ち良く「次へ、次へ」とめくっていくタイプの作品に仕上げたいと考えていました。

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子どもの絵本に描かれるべき世界

 

完成した15見開きをみて、本当に良い絵本ができたと思いました。新しく追加された6場面には「さかなやさん」や「おはなやさん」が登場し、「しょうてんがい」の世界がもっと広がりました。それにあわせて表紙も描き直し、文章やレイアウトも見直しました。

誰が見ても文句なしに幸せな世界。この絵本を手にとる誰もが「ニコニコにっこり」するすばらしい世界です。

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『3びきのくま』

文/トルストイ
絵/バスネツォフ
訳/おがさわら とよき
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1962年5月1日発行

 


今朝の電車内、席に座っていた女の子とお母さん。リュックサックに入っていた『3びきのくま』を取り出して、慣れた手つきで読み聞かせをはじめました。お母さんにしてみれば、子どもがグズる前にということなのでしょう。

森で迷子になった女の子は、小さな家を見つけます。食堂には大きなお椀、中くらいのお椀、小さなお椀に入ったスープが。女の子は小さなお椀のスープをすっかり飲んでしまいます。隣の寝室には大きなベッド、中くらいのベッド、小さなベッドが。女の子は小さなベッドで眠ってしまいます。そこへ、散歩に出かけていた3匹のくまが帰ってきます。この家は大きなお父さんぐま、中くらいのお母さんぐま、小さな子どものくまの家だったのです。

ものの10秒で女の子が物語の世界へ入り込んでいったのがわかりました。

表紙越しに女の子の目線を観察していると、右へ行ったり、左へ行ったり、それは明らかに文字を追っているのとは違う動きをしています。
画面のなかに描かれているものをひとつもこぼすまいというような、あるいは画面の外にある物語の世界も覗き込もうというような、そんな動きです。

子どもは「絵を読む」といいます。読んで聞かせることが前提の絵本ですから、そもそも文字を追う必要がないというのもありますが、画面の捉え方が大人のそれとは全く違います。
だから絵本は「語る絵」じゃないといけない。その良し悪しは、はじめにお話ありきで、最後はやっぱり絵で決まるものなんですよね。

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