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目次

  1. 現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本
  2. 創作絵本の黄金期 1970年代に出版された名作絵本
  3. 日本の子どもたちを魅了した 1960年代に出版された外国絵本

 


◎1960年代に出版された外国絵本

 

『100まんびきのねこ』

文・絵/ワンダ・ガアグ
訳/いしい ももこ
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1961年1月1日発行

年をとったおじいさんとおばあさんは、寂しいのでねこを飼うことに決めました。ねこを探しに出かけたおじいさんは、たくさんのねこであふれた丘にたどりつきます。しろいねこ、しろくろのねこ、はいいろのねこ、どのねこもかわいく見え、おじいさんはみんなを連れてうちに帰ってきます。でも、そんなにたくさんのねこは飼えません。そこで、おじいさんとおばあさんは、どのねこを家に置くかをねこたちに決めさせようとしますが……。

 


『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』

文・絵/バージニア・リー・バートン
訳/むらおか はなこ
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1961年8月1日発行

ちいさな機関車のちゅうちゅうは、いつも客車や貨車を引いて小さな駅と大きな駅の間を走ります。ある日ちゅうちゅうは、みんなの注目を集めたくて、ひとりだけで走り出してしまいます。威勢よく走るちゅうちゅうに、まわりのみんなは驚き、怒り出します。やがて日が暮れて、石炭も水も少なくなり、古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまったちゅうちゅう。そこに迎えに来てくれたのは、最新式の汽車にのった機関士でした。

 


『アンディとらいおん』

文・絵/ジェームズ・ドーハーティ
訳/むらおか はなこ
定価/1430円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1961年8月1日発行

図書館からライオンの本を借りてきたアンディは、寝ても覚めても、頭の中はライオンのことばかり。ある朝、学校に行く途中で、アンディは本物のライオンに出会い、前足にささった太いとげを抜いてあげます。それから間もなく、町にやってきたサーカスに出かけたアンディは、檻から逃げ出したライオンとでくわしてしまいます。ところが、どうでしょう! そのライオンはアンディが助けたあのライオンだったのです。

 


『3びきのくま』

文/トルストイ
絵/バスネツォフ
訳/おがさわら とよき
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1962年5月1日発行

森で迷子になった女の子は、小さな家を見つけます。食堂には大きなお椀、中くらいのお椀、小さなお椀に入ったスープが。女の子は小さなお椀のスープをすっかり飲んでしまいます。隣の寝室には大きなベッド、中くらいのベッド、小さなベッドが。女の子は小さなベッドで眠ってしまいます。そこへ、散歩に出かけていた3匹のくまが帰ってきます。この家は大きなお父さんぐま、中くらいのお母さんぐま、小さな子どものくまの家だったのです。

 


『もりのなか』

文・絵/マリー・ホール・エッツ
訳/まさき るりこ
定価/1100円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1963年12月20日発行

ラッパをもって森に散歩にでかけた男の子は、ライオン、ゾウ、クマと、いろいろな動物たちに出会います。男の子はラッパをふきながら、みんなと行列をつくって森を散歩をします。そして森の中で、かくれんぼうをはじめますが、男の子が鬼をしているうちに、動物たちは姿を消していました。かわりに現れたのは、男の子を探しにきたお父さんでした。「またこんどまでまっててくれるよ」、お父さんはそういうと男の子を肩車にのせて、おうちに帰っていきました。

 


『どろんこハリー』

文/ジーン・ジオン
絵/マーガレット・ブロイ・グレアム
訳/わたなべ しげお
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1964年3月15日発行

ハリーは、黒いぶちのある白い犬です。なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ハリーは体を洗うブラシを口にくわえて逃げだして、ブラシを裏庭に埋めました。それから、家の外に出て行ってしまいます。泥だらけ、すすだらけになったハリーが家に戻っても誰も分かってくれません。がっかりしたハリーが、裏庭でブラシを見つけ出し、わんわん吠えると……。

 


『ちいさな うさこちゃん』

文・絵/ディック・ブルーナ
訳/石井 桃子
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1964年6月1日発行

うさぎのふわふわさんとふわおくさんはとっても仲良しです。あるひ、ふわおくさんのところに天使がやってきて、かわいい赤ちゃんが生まれました。ふたりは赤ちゃんに「うさこちゃん」という名前をつけます。太った牛ににわとり、たくさんの動物がうさこちゃんを見にやってきて、ふたりにお祝いの言葉を贈ります。

 


『あおい目のこねこ』

作・絵/エゴン・マチーセン
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年4月1日発行

青い目の元気なこねこは、ねずみのくにをみつけにでかけます。途中、さまざまな困難にあっても、前向きに進んでいくこねこは、同じく、ねずみのくにを探す黄色い目の5匹のねこたちに出会い、一緒に暮らすことにします。ある日、犬に襲われた黄色い目のねこたちを助けようとしたこねこは、急に吠えた声に驚いた拍子に犬の背にとび乗ってしまいます。犬は背中に青い目のこねこをのせたまま駆け出し、そして行きついたところは……。

 


『かもさんおとおり』

文・絵/ロバート・マックロスキー
訳/渡辺 茂男
定価/1430円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1965年5月1日発行

かもの一家が、川から公園へ引越しです。かもたちは1列になって町の中を歩き出しました。さあ、たいへん! おまわりさんは自動車をとめて交通整理。パトカーまで出動です。

 


『しろいうさぎとくろいうさぎ』

文・絵/ガース・ウィリアムズ
訳/松岡 享子
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年6月1日発行

しろいうさぎとくろいうさぎは、毎日いっしょに遊んでいました。でも、くろいうさぎはときおり悲しそうな顔で考えこんでいます。心配になったしろいうさぎがたずねると「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」と、くろいうさぎはこたえます。くろいうさぎが願っていたのは、しろいうさぎといつまでも一緒にいられることでした。それを知ったしろいうさぎはどうしたでしょうか? 結婚式の贈り物に選ばれることも多い、優しく柔らかな2ひきのうさぎの物語です。

 


『三びきのやぎのがらがらどん』

文/マーシャ・ブラウン
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年7月1日発行

橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。とうとう、一番大きくて強いヤギがトロルに勝負を挑みます。3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか?

 


『ラチとらいおん』

文・絵/マレーク・ベロニカ
訳/ともなが やすとも
定価/1210円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1965年7月14日発行

ラチは世界でいちばん弱虫です。犬をみると逃げ出しますし、暗い部屋には入ることができません。そんなラチのところに小さな強いライオンがやってきました。ラチはライオンがそばにいてくれることで少しずつ強くなっていきます。ある日、友だちのボールをとったのっぽの男の子をラチは夢中でおいかけボールを取り返します。ふときがつくとライオンの姿はありません……。あわてたラチが家にもどると、ライオンからの素敵な手紙が残されていました。

 


『てぶくろ』

絵/エウゲーニー・M・ラチョフ
訳/内田 莉莎子
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1965年11月1日発行

おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミが住みこみました。そこへ、カエルやウサギやキツネが次つぎやってきて、「わたしもいれて」「ぼくもいれて」と仲間入り。手袋はその度に少しずつ大きくなっていき、今にもはじけそう……。最後には大きなクマまでやって来ましたよ。手袋の中はもう満員! そこにおじいさんが手袋を探しにもどってきました。さあ、いったいどうなるのでしょうか?

 


『おだんごぱん』

絵/脇田 和
訳/瀬田 貞二
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年5月1日発行

おばあさんは粉箱をごしごしひっかいて集めた粉で、おだんごぱんを焼きました。窓のところで冷やされたおだんごぱんは、ころんと転がると、いすからゆかへ、ゆかから戸口を出て、おもての通りへ逃げ出しました。途中で出会ったウサギからも、オオカミからも、クマからも上手に逃げたのに、口のうまいキツネに、つい気を許して……。ロシアの民話の絵本。

 


『おおきなかぶ』

再話/A・トルストイ
絵/佐藤 忠良
訳/内田 莉莎子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1966年6月20日発行

おじいさんが植えたかぶが、甘くて元気のよいとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。とうとう猫はねずみを呼んできますが……。

 


『おやすみなさいフランシス』

文/ラッセル・ホーバン
絵/ガース・ウィリアムズ
訳/まつおか きょうこ
定価/880円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年7月1日発行

時計が夜の7時をしらせると、フランシスの寝る時間です。まずミルクを飲み、お休みのキスをして、ベッドに入ります。ところが、ちっとも眠くなりません。そのうちに、部屋の中にトラがいるような気がして心配になり、おとうさんとおかあさんのところへ。もう一度キスをしてもらいふとんに入りますが、今度は部屋に大男がいる気がしてねむることができません。さてさて、フランシスはぶじに眠りにつくことができるのでしょうか?

 


『はなをくんくん』

文/ルース・クラウス
絵/マーク・シーモント
訳/木島 始
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年3月20日発行

冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも…。でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。みんなはなをくんくんさせながら、雪の中をかけていきます。みんなとまって、笑って、踊りだしました。「ゆきのなかにおはながひとつさいてるぞ!」やわらかいタッチの美しい絵と、詩のような文で、自然の摂理と喜びをやさしく子どもに語りかけます。

 


『スーホの白い馬』

再話/大塚 勇三
絵/赤羽 末吉
定価/1540円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1967年10月1日発行

モンゴルに住んでいた羊飼いの少年スーホは、貧しいけれどよく働き、美しい声をした少年でした。そのスーホがある日つれて帰った白い子馬は、だんだん大きくなり、スーホととても仲良くなりました。スーホは白い馬のために、白い馬はスーホのために一生懸命でしたが……。モンゴルに伝わる楽器、馬頭琴の由来の哀切な物語。

 


『あおくんときいろちゃん』

絵/レオ・レオニ
訳/藤田 圭男
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
至光社
1967年発行

あおくんはきいろちゃんと遊びたくて、あちこち探し回ってようやく見つけました。二人はうれしくて抱き合って喜ぶうちに、混ざって緑色になってしまいます。家に帰ると、あおくんの家でもきいろちゃんの家でも「うちの子じゃない」と言われてしまい、二人は悲しくて泣いて全部涙になってしまいました。すると……。

 


『すてきな三にんぐみ』

作/トミー・アンゲラー
訳/いまえ よしとも
定価/1320円(税込)
対象/3歳から
偕成社
1969年12月発行

宝集めに夢中だった、黒マントに黒帽子の3人組の大盗賊。ひょんなことから孤児たちを集め、すてきなお城をプレゼントしました。

 


『スイミー』

作/レオ・レオニ
訳/谷川 俊太郎
定価/1602円(税込)
対象/3歳から
好学社
1969年発行

小さな黒い魚スイミーは、兄弟みんなが大きな魚にのまれ、ひとりぼっちに。海を旅して出会った仲間と大きな魚に立ち向かいます。

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▶たつのこ書店/長野県松本市

児童書の行商からスタート。木の香りが漂う板張りの店内に、国内外の絵本が並ぶ。一般書店では取り扱いできないような希少な絵本との出会いもある。

住所/長野県松本市里山辺508-3
TEL/0263-35-4018
定休日/不定休

 


▶ちいさいおうち書店/長野県松本市

1980年開店。絵本や児童書は1万冊を揃え、作家別に棚に並べている。年齢にあわせてセレクトした本を毎月1冊ずつお届けするブッククラブも。

住所/長野県松本市沢村3-4-41
TEL/0263-36-5053
営業時間
平日/10:00~18:30
日・祝日/10:00~18:00
定休日/月曜日(祝日の場合は営業、12月は無休)

 


▶コマ書店/長野県伊那市

住所/長野県伊那市西町7227-1958
TEL/0265-78-4030
定休日/不定休

 


▶絵本専門店ゆめや/山梨県甲府市

店頭販売はしているが、個別に配本するブッククラブに注力。全国に1000人以上の会員がいる。

住所/山梨県甲府市屋形3-3-7
TEL/06-6330-8071
定休日/日・月曜日、祝日、お盆、9月に4日間、年末年始

 


▶チルクリ/石川県金沢市

0歳からの絵本専門店。主に乳幼児絵本の品揃えが豊富。

住所/石川県金沢市泉野町5-3-3
TEL/076-247-4473
営業時間/10:00~18:00
定休日/日曜・祝日

 


▶プー横丁/富山県富山市

創業36年になる老舗絵本店。

住所/富山県富山市太田口通り3-3-11
TEL/076-422-0010
営業時間
平日/10:00~17:30 
土・日・祝日/11:00~17:30 
定休日/日曜日

 


▶じっぷじっぷ/福井県福井市

1977年、「大きな図書館のまえの小さな本屋さん」として始まった町の本屋。古株の子どもの本の店として認知されている。

住所/福井県福井市文京2-8-11
TEL/0776-25-0516
営業時間
平日/10:00~20:00 
日・祝日/13:00~18:00 
定休日/第3日曜、不定休

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日本最大の図書館検索サイト「カーリル」で、『なでてなでて』(絵/日隈 みさき)と『ぱたぱたえほん』(作/miyauni)の貸出状況をチェックするのが日課になりつつあります。
図書館で本を借りると2週間くらいの貸出期間があるので、日課にすることに全く意味はないのですが、たくさん借りられている状況を目にすると、単純にうれしい気持ちになります。

例えば「東京」の図書館で検索してみると、『なでてなでて』は、93の図書館に置いてもらっていて、そのうち65冊(各図書館1冊だと仮定して)が貸出中ということが分かります。
蔵書の70%が貸出中というのはすごいことで、それだけ良い場所に置いてもらっているんだろうと想像できますし、良い場所に置いてもらっているということは図書館員の方たちに気に入ってもらえたんだろうと想像できます。『ぱたぱたえほん』は33館のうち26冊が貸出中で80%近く。

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図書館が大量の新刊を購入して貸し出すことや、文庫本の貸出について問題提起があったときに、以前は僕も「一理ある」と思ったことがありました。
でも、実際に手掛けた本が図書館を介して読者に届く状況を見ていると、視点がぐるりと変わり、世界が違ってみえてきました。どこよりも早く、子どもと本との出会いの場を作ってくれているのは図書館なんですよね。感謝しかないです。

2018年は、昨年末に10年越しのラブコールが実り、ずっとご一緒したかった作家さんと新しい赤ちゃん絵本づくりをスタートさせます。年内に赤ちゃん絵本を2冊くらいは手がけたいと思っています。

法人化にあたって用意した資本金はあっというまになくなりましたよ!

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エンブックスでは、淑徳大学 杉原麻美 准教授の協力のもと、今年の5月から人文学部表現学科の学生たちと「赤ちゃん絵本プロジェクト」を立ち上げました。
まずは絵本市場の現状と、どうして今、赤ちゃん絵本をつくるに至ったのかを知ってもらい、そのうえで実際の絵本づくりの過程を隔月で報告してきました。
発足当時はモノクロのラフなアイデアだったものに、少しずつ色が付き、上質な紙に印刷・製本されて作品に仕上がっていく過程のよろこびを、断片的ではありましたが学生らと共有できたことは、僕にとってもすばらしい経験になりました。

その「赤ちゃん絵本プロジェクト」の集大成として、学生らが自分たちのアイデアで「どうしたら手にとってもらえるか」を考え、準備を進めてくれています。

ひとつは、学生がエンブックスの「ライター」となって、記事を執筆すること。記事企画の場は、とても盛り上がりました。たくさんの良い企画の中から2本をピックアップして、担当の学生が執筆中です。
『なでてなでて』『ぱたぱたえほん』の2作品の魅力を、それぞれのアプローチで語ってくれると思います。まもなく掲載予定ですので、ぜひ読んでもらえたらうれしいです。

もうひとつは、「淑徳祭」での展示販売イベントです。メインビジュアルのポスターは、学生ががんばって制作してくれました。
表現学科では自ら演じる授業もあるそうで、学生らによる「読み聞かせ」は、まさに絶好の場。他にも、実際にいろいろな触感に触れることができるプチコーナーや、すぐに真似できる手遊びの実演と、作品にまつわるユニークなブースに仕上がる予定。

当日はぜひ親子で遊びにいらしてください。

 


▶淑徳祭について
日程/11月18日(土)、19日(日)
会場/淑徳大学 東京キャンパス
住所/東京都板橋区前野町6-36-4
ブース/4号館4-1教室

イベントポスター

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本日、株式会社エンブックスを設立いたしました。
また、設立にともない大手取次トーハンの子会社である株式会社メディアパルと契約し、本格的な書店流通の実現に向けた第一歩を踏み出します。

2017年8月29日は「上弦の月」にあたり、ここから満月へと向かっていきます。
エンブックスも同じように一歩ずつ、でも確実に大きくなっていけるよう、新たなスタートをめいっぱい楽しみたいと思います。

改めて、どうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役 西川俊充

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赤ちゃん絵本プロジェクトはまだまだ続きます!

 

この度はエンブックスの赤ちゃん絵本プロジェクトにたくさんの応援をいただき、ありがとうございます。

村上春樹の小説と違って、絵本を選ぶパパママの多くは中身をしっかり吟味してから購入すると思います。
にもかかわらず、始動時は1ページもできていなかった赤ちゃん絵本に対してこれだけのご支援をいただけたこと、本当に励みになりました。

目標金額は達成することができませんでしたが、おかげさまで2作品の出来はいずれも素晴らしく、コンセプト通り「親子がスキンシップしたくなる」絵本になりました。そういう意味では、このプロジェクトは成功だと言えます。

これを「大成功」にするために、エンブックスとしては、長年の目標であった本格的な書店流通を実現させるべく、現在、準備を進めているところです。

いただいた資金は当初の予定通り、絵本の製本代の一部として使わせていただきます。
しかし、目標金額に届かなかったこと、取次との契約において新たに多くの資金が必要になることをふまえ、当初の出版計画を見直すことにしました。

大変お待たせして申し訳ございませんが、何卒ご了承いただけたら幸いです。
また、この大きなチャレンジを引き続き応援いただけたらうれしいです。

 


出版日と仕様について

 

『なでてなでて』

え/日隈 みさき
ぶん/西川 季岐
10月11日(水)発行予定
価格/未定

『ぱたぱたえほん』

さく/miyauni(みやうに)
11月9日(木)発行予定
価格/未定

リターンとしての絵本や原画は、それぞれの出版のタイミングでエンブックスからお届けいたします。
2作セットの「コレクター」については、作品ごとに2回に分けてお届けいたします。

何かご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にお声がけください。
出版の日まで今しばらく、楽しみにお待ちくださいますようよろしくお願いいたします。

エンブックス 西川 季岐

 


ご支援いただきありがとうございます!
皆様の応援がとてもうれしく、励みになりました。 絵本から広がる赤ちゃんの楽しい時間を想像して、1ページ1ページ大切に作りました。 どうぞ、絵本「なでてなでて」が特別な一冊となりますように。
ありがとうございました。

絵本作家 日隈 みさき

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赤ちゃんの声で完成した「親子がスキンシップしたくなる」絵本

 

ある程度のラフが固まって「こども編集部員(*)」にレポートを協力してもらったあと、日隈さんと相談して2つの修正をしました。

  • 気づき① 赤ちゃんに「知識」を必要とするネタは伝わらない
  • 気づき② 赤ちゃんが動物を「なでる」反応が見られたので確実にしたい

①については、「鳥とたまご」が登場するシーンでのことです。
親鳥からたまごを「なでて」と声がけがあり、ページをめくるとたまごから雛がかえるという、少し変化を効かせたアイデアですが、こうした生態をまだ知らない赤ちゃんにとっては理解の難しいシーンになっていました。

さらに「つるつる」という感触も描かれているので、展開としても「なでる」「つるつる」「うまれたよ」の3段オチ。まさに赤ちゃんから教えてもらって、思いきってこのシーンは、ばっさりカットすることに決めました。

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▲意外性のある「たまご」をおもしろがれるのは大人だから。赤ちゃんにとっては難しかったのでカット

②については、各動物が登場する見開きにも「手」を描き加えてみようと考えました。
耳からだけではなく、視覚的にも「なでて」と示すことで、赤ちゃんはスムーズに反応しやすくなったと思います。

また、めくったときの「手」は、それぞれの感触に対して微妙に動きを変えました。
つまり「手が語る」ことによって、シーンが格段に豊かになりました。

こうして地道に検証を繰り返し、各ページで親子がどんな気持ちで楽しんでくれるのかを注意深くシミュレーションしながら、最終的にセレクトされた5種類の動物は、「感触のバリエーション」と「愛らしいキャラクター性」と「目新しさ」と「身近と意外のバランス」を見事に満たしてくれたと思います。


▲「とり」に代わって登場する「トイプードル」は感触だけでなく時代性も考慮して。「手」が効果的になった

反射的に触りたくなるものから、(現実ならば)触るのをためらってしまうものまで、ページをめくって展開していくごとに好奇心がくすぐられ、そして最後には、掲げてきたコンセプト通り「親子がスキンシップしたくなる」仕掛けによって、すべての親子が笑顔で絵本を閉じてくれると信じています。(おしまい)

(*)制作過程の絵本を対象年齢の子どもに実際に読んで聞かせる取り組み。これまで50名以上が協力

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絵本を開いた親子がぱたぱた遊びをしたくなる11のモチーフ探し

 

miyauni(みやうに)さんのアイデアは、11見開きを「ちょうちょ」だけで貫いて展開するものでしたが、僕はいろんな「ぱたぱたする」ものを見てみたいと思いました。

次に、みやうにさんが持ってきてくれたアイデアは、「ちょうちょ」の他に「とり」や「ぞうの大きな耳」など5つのパターンを、1.2のリズムでまとめたものでした。
「ちょ ちょ ちょうちょが」でページをめくって「ふんわ ふんわ」という構成です。なおさら、僕はもっといろんな「ぱたぱたする」ものを見てみたいと思いました。

miyauni_02

ちょうちょ__ページ_03
▲1.2のリズムで展開した初期のアイデア。2見開き目で絵本をぱたぱたさせて読む。

それで、日隈さんとの創作と同じく、やはりモチーフ出しからはじめることにしました。

本ならではの「開いて閉じる」構造に基づいて考えていくと 、「ちょうちょ」のように本を180°開いて「ぱたぱたする」もの以外にも、例えば開く角度を変えてみたらどうか、あるいは縦横の視点を変えてみたらどうかと、ネタの幅がぐっと広がりました。

例えば、見開きの左右に「シンバル」を描いて「シャンシャンする」のは実に良いアイデアです。本の構造をうまく利用しつつ、それでいて「ちょうちょ」とは違う「手遊び」を提案してくれるものでした(といいつつ、最終的にボツにした)。

他にも、「魚」が1匹ページにまたがっていてピチピチ動かしてみせるものや、左右の「石」をぶつけるようにカチカチするものなど、おもしろいネタが次々に出てきたので、これなら1.1.1……のリズムで11パターン見せる展開にできるし、そのほうが絶対に親子で楽しめると確信しました。

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▲結果的に不採用になった「魚」だが、とにかくいろんなアイデアを出しては実際にぱたぱたして試した

ちょうちょ__ページ_07
▲こちらは採用になった「ぞう」の初期デザイン。「魚」と比べると読者に何をして欲しいのかが明らか

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「読んであげる」に「手遊び」を足したら新しい絵本に

 

日隈さんが絵描きに対して、miyauni(みやうに)さんはデザイナーです。
実は、赤ちゃん絵本作家でいうと、『はらぺこあおむし』のエリック・カールや、「ミッフィー」シリーズのディック・ブルーナは、優れたグラフィックデザイナーでもあります。

赤ちゃんにとって最適な情報量は、大人よりもはるかに少ないので、けずってけずって単純化することが得意なデザイナーは、赤ちゃん絵本作家に向いているんですよね。

「親子で一緒に楽しめる」というテーマに対して、みやうにさんが最初に持ってきてくれたアイデアは「なぞって楽しむ絵本」と「パタパタする絵本」のふたつでした。

ページをめくって、パタパタする。
またページをめくって、パタパタする。

内容だけではなく、本ならではのカタチそのものを楽しもうというアイデアは、今までありそうでなかったものです。
なるほど、「読んであげる」に「手遊び」が加わって、全く新しい絵本体験ができると思いました。絶対に電子化できないというのも魅力的です。うん、こっちでやりましょう、と。

最初にいただいたラフには、見開きに大きな「ちょうちょ」が描いてありました。
これにどんな仕掛けをすれば、読者が実際に「パタパタする」絵本になるか。

それを実現するのは、簡単なことじゃないですよ。
でも、難問に挑むのはキライじゃありません。

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▲見開きに大きく描かれたシンプルで美しい「ちょうちょ」

cho02
▲最初のラフでは「ちょうちょ」だけで11見開きを貫くアイデアだった

 


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