『きんぎょが にげた』から生まれた我が家のこちょこちょ遊び


休日、主人が子供たちと遊んでいる。
どこに逃げた?! と夫が子供たちを追いかけ、捕まえるとこちょこちょくすぐるという遊びだ。
長女は部屋の中を逃げ回り、キャーキャー騒ぎながら大喜び。次女は主人に抱っこされ、よく分からないながらもニコニコ笑っている。何より追いかけている夫が1番楽しそうである。
夫は仕事が忙しく平日はほとんど家にいない。もともと子供が大好きな人なので、休日に娘たちと遊ぶことがストレス解消になっているらしい。

『きんぎょが にげた』は、ふっくらまん丸の可愛い「きんぎょ」が金魚鉢から逃げて、部屋のあらゆるところに隠れながら、ある場所を目指すお話だ。
文章は少なめで絵は大きく、ストーリーも分かりやすい。赤ちゃんでも楽しめる人気の絵本だ。

きんぎょが1ぴき、金魚鉢からにげだした。どこににげた? カーテンの赤い水玉模様の中にかくれてる。おや、またにげた。こんどは鉢植えで赤い花のふり。おやおや、またにげた。キャンディのびん、盛りつけたイチゴの実の間、おもちゃのロケットの隣……。ページをめくるたびに、にげたきんぎょがどこかにかくれています。子どもたちが大好きな絵探しの絵本。小さな子も指をさしながらきんぎょを探して楽しめます。

この絵本の内容を暗記している長女は、次女に読み聞かせたい。しかし、次女のほうは内容より絵本を触りたくて仕方がない。必ず小競り合いになるので、最近になって夫がこちょこちょ遊びを編み出したのだった。

シンプルな絵本はいろいろとアレンジしやすいのも魅力である。
余白が大きいからこそ「この後どうなったと思う?」と、子供に考えさせたり、我が家のように別の遊びを作ることもできる。

「きんぎょ」になりきって逃げる長女。追う夫。夫に抱かれて笑う次女。
もちろんリビングの絨毯はぐちゃぐちゃ。おもちゃは蹴り飛ばされていろんな方向に散らかっていく。

本音を言えばもう少し穏やかにやってほしいのだけれど……。
喉から出かかる言葉をぐっと飲み込み下を向くと、絵本が床に落ちていて表紙のきんぎょと目が合う。何だかきんぎょも苦笑いしているように見えた。

『きんぎょが にげた』

作/五味 太郎
福音館書店
定価/本体900円+税
ページ数/24ページ
1982年8月31日発行