子どもが生まれた日の喜びを思い出させてくれる絵本『あやちゃんのうまれたひ』


子どもはなぜか赤ちゃんが好きだ。

我が家の次女は生後6ヵ月だが、長女が通う保育園に連れて行くと長女のお友達がたくさん寄ってきて「赤ちゃんさわっていい?」と聞いてくる。
長女は「赤ちゃんだから優しくさわって!」とお姉さん風を吹かそうとする。しかし、そんなことを言いつつ家では「わたしも赤ちゃんなの!」と泣く日もあるので、母は毎回笑いそうになってしまう。

また、子どもは自分が赤ちゃんだった頃の話も好きだ。
長女もよく「○○ちゃん(自分)が赤ちゃんの時のお話して」とせがんでくる。

先日『あやちゃんのうまれたひ』という絵本を図書館で借りてきた。あやちゃんという6歳の女の子に、お母さんが、あやちゃんの生まれた日のことを話して聞かせている、とにかく愛情にあふれた本だ。私は、思わず長女の出産の時を思い出し泣いてしまった。

あやちゃんはもうすぐ6才の誕生日。お母さんはあやちゃんが生まれた時のことを話してくれます。生まれる予定の日が過ぎて、お父さんもおばあちゃんもおじいちゃんも待ちきれなくなっていた、ある寒い寒い晩のこと、お腹の中で赤ちゃんの生まれる気配がして、お母さんは病院に向かい、あやちゃんを産んだのです。赤ちゃん誕生をめぐる家族の期待、喜び、感動を、しみじみと温かく描きます。

長女は私の両親にとって初孫だった。生まれたと知らせるや否や、遠方にも関わらずあっという間に飛んできた。
いつもはお喋りな母が黙りこくって長女を抱き、いつもは寡黙な父がぺらぺら喋りながら、長女の写真をたくさん撮っていた。二人とも目尻が下がりっぱなしだった。
そんな二人の様子を見て、改めて子どもの誕生の喜びを噛みしめたように思う。

「赤ちゃんの時のお話」をせがんでくる長女には、いつもこう伝えるようにしている。
ママはあなたが生まれてきてくれて、本当に嬉しかったんだよ。
たくさんの人が、あなたが生まれてくるのを待っていたんだよ、と。
長女はいつも照れくさそうに聞いているが、ニヤニヤと嬉しそうだ。次女がもう少し大きくなったら、彼女にも話してあげるつもりだ。

子どもの誕生は、私にとっては間違いなく人生において一番すばらしい出来事だった。
今日も娘たちが健やかに大きくなっていることに感謝しつつ、この絵本を噛みしめるように読んでいる。

『あやちゃんのうまれたひ』

作/浜田 桂子
福音館書店
定価/本体900円+税
ページ数/32ページ
1999年01月20日発行