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福音館書店が月刊絵本「こどものとも」を創刊したのが1956年。ここから一気に日本の創作絵本が盛り上がっていきました。
それまで日本には「絵本作家」という職業は確立されたものではなくて、だからこそ保母さんだった中川李枝子さんや、研究所に勤務しながら子どもたちを相手に紙芝居などの活動をしていた加古里子さんなど、いろいろな場所から才能が集結した時代でもありました。
当時の子どもたちを魅了した絵本は、今でも読み継がれているものも多く、懐かしいけれど色あせない名作がたくさんあります。
『ももたろう』
文/松居 直
絵/赤羽 末吉
定価/1210円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
1965年2月20日発行
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。桃をもちかえって切ろうとしたら、なんと桃からかわいい男の子が生まれました。「桃太郎」と名付けられた男の子は、おばあさんとおじいさんが用意してくれたおかゆや魚を食べて、どんどん大きくなり、立派に成長します。そんなある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、鬼退治にでかけることにします。力強い絵とともに、真の昔話の面白さが味わえる1冊です。
『ないたあかおに』
文/浜田 廣介
絵/池田 龍雄
定価/1100円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1965年12月発行
村人となかよくしたい赤おにと、そのねがいをかなえてやろうと、自分が悪者になる青おに。おに同士の友情を感動的に描きます。
『しょうぼうじどうしゃじぷた』
作/渡辺 茂男
絵/山本 忠敬
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年6月10日発行
高いビルにはしごをのばして火を消すことのできる、はしご車ののっぽくん。たくさんの水で激しい炎も消すことのできる高圧車のばんぷくん。けが人を運んで助ける救急車のいちもくさん。大きくて立派な働きをするみんなは、いつも小さな消防自動車じぷたを「ちびっこ」あつかいしていました。でも、道がせまい山の中で火事がおこりました。このままでは山火事になってしまいます。そんなとき、出動を命じられたのはなんとじぷたでした。
『かばくん』
作/岸田 衿子
絵/中谷 千代子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1966年12月25日発行
動物園に朝が来ました。ねぼすけのかばくん親子のところに、かめくんを連れた飼育係の男の子がやってきます。「おきてくれかばくん」。今日は日曜日。動物園は大にぎわい。水からあがったがかばくんが姿を現すと、動物園に来ていた子どもたちはびっくり。やがてご飯の時間、かばくんはキャベツをまるごと一口でぱくり。食べた後はごろんところがっておやすみなさい……。シンプルで詩的な文章と、キャンバスの地を活かした油絵が、大きくてユーモラスなかばの姿を生き生きと描きます。
『ぐるんぱのようちえん』
作/西内 ミナミ
絵/堀内 誠一
定価/990円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1966年12月15日発行
ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞうです。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話をたのまれたぐるんぱは、とても素敵なものを作ります。それはぐるんぱが作った大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる、すてきな幼稚園でした。
『ぐりとぐら』
作/なかがわ りえこ
絵/おおむら ゆりこ
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年1月20日発行
お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけました。目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えたすえ、カステラを作ることにしました。でも、卵があまり大きくて運べません。そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにしました。カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちも集まってきます……。みんなの人気者ぐりとぐらは、この絵本で登場しました。
『いないいないばあ』
文/松谷 みよ子
絵/瀬川 康男
定価/770円(税込)
対象/0歳から
童心社
1967年4月15日発行
「赤ちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を」の想いから、日本初の本格的な赤ちゃん絵本として誕生して半世紀。はじめて出会う一冊として、世代を越えて読みつがれています。いないいない、ばあ。にゃあにゃが、くまちゃんが、ほらね、いないいない……。親子の伝承遊びを絵本に再創造した作品。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』
作・絵/加古 里子
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年11月20日発行
だるまちゃんは友だちのてんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがります。てんぐのうちわや素敵な履物、なんとしまいには鼻まで。お父さんのだるまどんは思いつく限りの物を集めてきますが、だるまちゃんのお気に入りはいつも意外なところに……。だるまちゃんとだるまどんはどんなアイデアを思いついたでしょう?ユーモアあふれる物語と楽しいものづくしの絵本。大人気「だるまちゃん」シリーズの第一作です。
『11ぴきのねこ』
作/馬場 のぼる
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
こぐま社
1967年発行
11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていきます。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにしますが……。あっと驚くどんでん返しが大人気。
『ねないこだれだ』
作・絵/せな けいこ
定価/770円(税込)
対象/1歳から
福音館書店
1969年11月10日発行
夜の9時です。「とけいがなりますボンボンボン」こんな時間におきているのはだれだ? ふくろう、くろねこ、どろぼう……。いえいえ、夜中はおばけの時間。あれ? まだ寝ていない子がいますよ。おばけになってとんでいけ! おばけがなかなか寝ない子をおばけの世界に連れていってしまいます。シンプルなはり絵と独特のストーリーで、子どもたちをひきつけてやまない赤ちゃん絵本です。
『わたしのワンピース』
作/にしまき かやこ
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
こぐま社
1969年発行
空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。それを着てお花畑を通るとワンピースは花模様に、雨が降ると水玉模様に……、次々と柄が変わります。日本を代表するファンタジー絵本。
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