ボロボロになって2冊目購入 あけてびっくり しかけえほん『いっせーの ばあ』


「ばぁー、どこ?」

もうすぐ3歳になる長女が尋ねてきた。
彼女は今、ある絵本を探して本棚をあさっている。それは『あけてびっくり しかけえほん いっせーの ばあ』という絵本だ。

「まだ探してる……」

実を言うと、この絵本はもうない。先日私が捨ててしまったのだ。

この絵本は、見開きページが折り畳まれており、開くとページが上に大きく飛び出すようになっている。卵の絵を開けばヒヨコが、砂にあいた穴の絵を開けばチンアナゴが飛び出すしかけだ。

いっしょに あそぼ! なにが とびだすかな? それじゃ いくよ! いっせーの……ばあ!
チンアナゴ、おばけに、ぬいぐるみに、こどもたちの大好きなものがたくさん飛び出すよ。そして最後に飛び出すのは……? ページが上に大きく開き、あっという間に大型絵本に早変わり。ダイナミックなしかけに子供たちは大興奮! まったく新しい、いないいないばあ絵本です!

長女はこの絵本を病的に気に入っていた。
何度も読んでとせがまれ、時には1人で「ばぁー!」と言いながら、ページをパタパタさせ喜んでいた。しかし、彼女があまりにも読むので、すぐにあちこち破れ始めた。そのつど修理し何とか読んでいたのだが、とうとう先日開くページが一枚もなくなった。

「最近は読む頻度も少なくなってきたし、もういいだろう」

私はそう思い、本を処分したのだ。
しかし、彼女はすぐに気がつき、以来「ばぁーがない」と絵本を探し続けているのだ。

そんな彼女に私は言った。「本破れちゃったからアナゴさんもういないよ? 面白くないでしょ?」

それに対する長女の返事。「アナゴさん描いてあげるの」と、クレヨンを持ってきたではないか。

いやはや、まいった。そして、捨ててごめん。ボロボロでもあなたにとって大事な物なのにね。

私は通販サイトを開き、同じ絵本を購入した。彼女なら、またボロボロになるまで読んでくれるだろう。
いつだって、子供はまっすぐで正しい。親は教わることばかりである。

『いっせーの ばあ』

作/新井 洋行
ポプラ社
定価/本体1100円+税
ページ数/24ページ
2017年11月16日発行