読んであげる+手遊びという新しいアイデア miyauniさんとの絵本づくり その①

「読んであげる」に「手遊び」を足したら新しい絵本に

 

日隈さんが絵描きに対して、miyauni(みやうに)さんはデザイナーです。
実は、赤ちゃん絵本作家でいうと、『はらぺこあおむし』のエリック・カールや、「ミッフィー」シリーズのディック・ブルーナは、優れたグラフィックデザイナーでもあります。

赤ちゃんにとって最適な情報量は、大人よりもはるかに少ないので、けずってけずって単純化することが得意なデザイナーは、赤ちゃん絵本作家に向いているんですよね。

「親子で一緒に楽しめる」というテーマに対して、みやうにさんが最初に持ってきてくれたアイデアは「なぞって楽しむ絵本」と「パタパタする絵本」のふたつでした。

ページをめくって、パタパタする。
またページをめくって、パタパタする。

内容だけではなく、本ならではのカタチそのものを楽しもうというアイデアは、今までありそうでなかったものです。
なるほど、「読んであげる」に「手遊び」が加わって、全く新しい絵本体験ができると思いました。絶対に電子化できないというのも魅力的です。うん、こっちでやりましょう、と。

最初にいただいたラフには、見開きに大きな「ちょうちょ」が描いてありました。
これにどんな仕掛けをすれば、読者が実際に「パタパタする」絵本になるか。

それを実現するのは、簡単なことじゃないですよ。
でも、難問に挑むのはキライじゃありません。


▲見開きに大きく描かれたシンプルで美しい「ちょうちょ」


▲最初のラフでは「ちょうちょ」だけで11見開きを貫くアイデアだった

 


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西川季岐(編集長)

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