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編集者と一緒につくる赤ちゃん絵本|はるのまいさん制作インタビュー2


―昨年末、ちょうどエンブックスは書店流通を本格化しようというタイミングで、はるのさんもお子さんが生まれてすぐのころ。
お互いに「良いタネ」を持っていて、はるのさんと絵本づくりを「本気で」はじめるには、ここしかないというくらいでした。

最初はこちらからアイデアを持ち込んで見ていただいたんですが、西川さんに
「思いついたものをそのまま絵にした感じだから、もっと最初の段階、“この絵本づくりを通じて実現したいこと”から考えましょう」
と言われて。

 

―すみません(笑) ただ、はるのさんの絵本作家としての可能性を引き出すには、「なぜ描くのか」から編集をはじめるほうが良いだろうと思っていました。
それまではどんな絵本を描かれていたのでしょう。

いろんなタイプの絵本を作ってきたので、ひとことでいうのは難しいですが、ここ数年は、物語絵本に取り組んでいました。海外でも出版したい、という気持ちが強くて、移民問題やら異文化交流をテーマに描いていました。小難しいですよね(笑)

あとは、すぐ仕事に直結するものをということで、日本の各出版社の年間計画に合わせた絵本の企画を持ち込んだりもしていました。童謡を絵本にしたものだとか。

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▲はるのさんがこれまでに描いてきた絵本の一部。これらを手に日本の出版社のみならず海外までチャンスを求めて売り込んでいた

 

―一方で、話をしていると端々に「赤ちゃん絵本」にも関心が向きつつあると感じました。

はい。2016年には、板橋区立美術館の「夏のアトリエ」にも参加しました。

講師は絵本作家の三浦太郎さんで。その時のメンバーとは今でもよく連絡を取り合って、刺激をいただいています。太郎先生は大御所なのにすごく気さくな方で、それまでも太郎先生の絵本は好きだったのですが、お人柄を知って、さらに大ファンになりました。

 

―それで、エンブックスとしての考えもあって、小難しいテーマは一旦引き出しにしまっていただいて、「赤ちゃん絵本をつくってみませんか」とお願いしました。

今ならできそうかもな、と思いました。
わたしは何が何でも物語絵本、と特にこだわって作っていませんでした。実際、赤ちゃん絵本みたいなものも作っていたし、詩みたいな絵本も。開いてめくって簡単に持ち運べて、どんな時にも、そこに楽しい別の世界をつくることができる、そういう絵本という様式なら、細かいジャンルは気にならなかったんです。

子供が生まれる前から、いろんな絵本を集めていましたが、やっぱり自分の子供に絵本を読み始めるようになってからは、
「あ、これ、なんでわたしが描いた絵本じゃないんだろう」
と思うことが増えて。
本屋さんに行って、たくさんの絵本が売られている中で、まだ一冊もわたしの名前で絵本が出ていない、おかしいな、こんなにずっと絵本を描いているのにな、って(笑)
たぶん絵本作家を目指していらっしゃる多くの方が、わたしと同じ感覚だと思うのですが(笑)

もちろん、個人的に作っていた動物絵本とかを子供に見せてはいたんですが、もっと、編集者さんとのやりとりを経て「完成した」形のものを、子供に読み聞かせしてみたかった。
だから声をかけてもらって、チャンスがあるのならぜひ! と思いました。

後日談ですが、西川さんから「お声がけした時点で出版するかどうかは決めていなかった」みたいに言われてずっこけましたが(笑)
わたしは始めから、出版する気満々だったので。