ぱたぱた遊びをしたくなるモチーフ探し miyauniさんとの絵本づくり その②

絵本を開いた親子がぱたぱた遊びをしたくなる11のモチーフ探し

 

miyauni(みやうに)さんのアイデアは、11見開きを「ちょうちょ」だけで貫いて展開するものでしたが、僕はいろんな「ぱたぱたする」ものを見てみたいと思いました。

次に、みやうにさんが持ってきてくれたアイデアは、「ちょうちょ」の他に「とり」や「ぞうの大きな耳」など5つのパターンを、1.2のリズムでまとめたものでした。
「ちょ ちょ ちょうちょが」でページをめくって「ふんわ ふんわ」という構成です。なおさら、僕はもっといろんな「ぱたぱたする」ものを見てみたいと思いました。


▲1.2のリズムで展開した初期のアイデア。2見開き目で絵本をぱたぱたさせて読む。

それで、日隈さんとの創作と同じく、やはりモチーフ出しからはじめることにしました。

本ならではの「開いて閉じる」構造に基づいて考えていくと 、「ちょうちょ」のように本を180°開いて「ぱたぱたする」もの以外にも、例えば開く角度を変えてみたらどうか、あるいは縦横の視点を変えてみたらどうかと、ネタの幅がぐっと広がりました。

例えば、見開きの左右に「シンバル」を描いて「シャンシャンする」のは実に良いアイデアです。本の構造をうまく利用しつつ、それでいて「ちょうちょ」とは違う「手遊び」を提案してくれるものでした(といいつつ、最終的にボツにした)。

他にも、「魚」が1匹ページにまたがっていてピチピチ動かしてみせるものや、左右の「石」をぶつけるようにカチカチするものなど、おもしろいネタが次々に出てきたので、これなら1.1.1……のリズムで11パターン見せる展開にできるし、そのほうが絶対に親子で楽しめると確信しました。


▲結果的に不採用になった「魚」だが、とにかくいろんなアイデアを出しては実際にぱたぱたして試した


▲こちらは採用になった「ぞう」の初期デザイン。「魚」と比べると読者に何をして欲しいのかが明らか

西川季岐(編集長)

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