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ママライターの読書感想文 おもちが逃げた?! お正月の家族団らんの中心にこの一冊『おもちのきもち』

『おもちのきもち』

作/かがくい ひろし
定価/1650円(税込)
対象/幼児から
講談社
2005年12月17日発行

 


我が家の近くに大きな児童館がある。そこにはたくさん絵本が置いてあり、絵本好きの長女がとても気に入っている。

児童館に行くと彼女はだいたいいつも同じ絵本を読むのだが、今日は見たことのない絵本を持ってきた。
タイトルは『おもちのきもち』。「だるまさんシリーズ」で有名なかがくいひろしさんの絵本だ。絵本作家デビューのきっかけになった本らしい。
季節はちょうど、もうすぐお正月。さっそく長女を膝にのせて絵本を読んでみた。

面白い!

第27回講談社絵本新人賞受賞作。おもちだって、いろいろなやみがあるんです。きょうだいたちは、にんげんにたべられてしまうし……。そこでわたくし「かがみもち」は、お正月、とある決心をしました! びっくり、めでたい、驚愕の「おもちワールド」へ出発。

まず、主人公のお餅(正確には鏡餅)がなんとも憎めない。なんと「食べられるのが怖い」と、ペッタンペッタン逃げ出してしまうのだ。お餅たちはこんなことを考えていたのか、と笑ってしまう。最後のオチも衝撃的だ。心の底から「そうきたか」と思った。

私は一気にかがくいワールドに引き込まれた。長女も楽しそうに「おもち歩いてる!」と笑っている。

今年のお正月はこの絵本を持って帰省してみようか。長女はきっと、じいじばあばと一緒にこの絵本を見て、お餅を食べて笑っているだろう。
お正月の家族団らんがよく似合う、とてもあたたかい気持ちにさせてくれる絵本だ。

尋本景子(金融機関に勤めながら姉妹を育てるママライター)

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