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『Michi』

作/junaida
定価/2530円(税込)
対象/小学低学年から
福音館書店
2018年11月15日発行

 


夢の中を歩いているような不思議な世界の中、ひたすら道が続いている。
『Michi』はとにかく幻想的だ。

カラフルな街並みを、魚と共に海の中を、巨大な本と本の隙間を、楽器の山を、闇に浮かぶ宇宙船の街を、誰もいない象牙のような城を、Michi、すなわち「道」はそれらの間を縫うように走っている。

表紙をめくると、背中を向け、足を踏ん張って立つ子ども。小さな一歩を踏み出そうと決心した、その行く手には、まっ白な道が、どこまでものび、その先には、ふしぎな町の数々が、待ち受けている。彼、彼女と一緒に道をたどるようにして、ページをめくってみてください。次々に現れる、ため息のでるような色彩と繊細なタッチで描かれた町のすみずみに目をこらせば、秘められたたくさんの、そして自分だけの物語が見つかるかもしれません。

セリフは一切ない。ただページをめくるごとに、ユニークな街並みの間を道が続いているだけだ。だが、それがかえって想像力をかき立てる。
ページを埋め尽くすほどに書き込まれた街や人々からは、静かだけどファンタジーに満ちた雰囲気が漂う。
この街はどんな街なんだろう、この人達は何をしているんだろう、この道はどこに続くのだろう…?いつまでも想像しつづけられるくらいに奥深い。

絵本と呼ぶには相応しくない分厚い本だ。一見ハードカバーの小説のように見える。しかし、どこか切なく不思議な気持ちになる挿絵は一度見たら忘れられない。

長女は、私が興奮気味にページをめくる間、隣でポカーンと眺めていた。3歳児の心に、この絵本はどんなふうに映ったのだろう。もしかしたら、絵本だと思わなかったかも知れない。もう少し大きくなってからの方が面白く感じるだろうか。

『Michi』には主人公のような男の子と猫が出てくる。彼らがそれぞれの街をタイムスリップするかのように歩き回る姿が描かれているのだが、中盤からそれが間違いだと分かった。彼らは間違いなく主要登場人物だが、旅しているのは彼らだけではなかった。まさに前後左右どこから読んでも隙のない絵本だと思った。

読み終わりは、まるで小説や美しい画集を読んだかのような読み応え。一生大切にできそうな重みのある絵本だ。

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『はなを くんくん』

文/ルース・クラウス
絵/マーク・シーモント
訳/木島 始
定価/1210円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
1967年3月20日発行

 


今回の主役は生後5ヵ月になった次女だ。

いつも泣きっぱなしだった長女と反対に、次女はあまり泣かない。誰にでもニコニコ笑いかけるし、上手くいけばお昼寝だって1人でできるので、母は本当に助かっている。
この落ち着きと、同月齢の赤ちゃんよりちょっと太めの体型のせいで、家族から「大将」なんてあだ名を付けられている次女。だから、赤ちゃんから卒業しつつある長女とは違う愛らしさを振りまいてくれる。

最近目がよく見えるようになってきたのか、絵本を読んであげると、フンフンと鼻息荒く興奮し、手を一生懸命伸ばしてくる。その様子がたまらなく可愛い。

『はなを くんくん』という絵本がある。
表紙カバーは明るい黄色だが、挿絵はほぼモノトーン。春を待つ動物たちが雪の中で眠っている。皆次々に目を覚まして、鼻をくんくん。最後に動物たちが見つけたのは、まさに小さな春の足音だ。なぜこの絵本がモノトーンなのかがよく分かるラストだった。

冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも……。でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。みんなはなをくんくんさせながら、雪の中をかけていきます。みんなとまって、笑って、踊りだしました。「ゆきのなかにおはながひとつさいてるぞ!」やわらかいタッチの美しい絵と、詩のような文で、自然の摂理と喜びをやさしく子どもに語りかけます。

この絵本を読みながら、「はなをくんくん」のところで次女のフンフン鳴る鼻をくすぐる。
キャッ! と声を上げて喜ぶ次女。
1月なのに春が来たように暖かく、良く晴れた午後だった。
次女との2人だけの時間がゆったりと過ぎる。

兄弟が生まれるまで両親を独り占めできる1人目の子どもとは違い、2人目以降の子どもには最初からそんな時間はない。
我が家もばっちりワンオペ育児の家庭だ。すぐに要求に応えてあげられないことも多い。イヤイヤ真っ盛りの長女に合わせたペースで生活していると、どうしても次女に構ってあげられなくなる。
だから、次女と絵本を読む時間は、私にとっても大切な時間なのだ。

ああ、もうすぐ長女のお迎えの時間だ。
まだ洗濯物も畳んでいないし、夕食の支度もしなければ……。
そんなささやかな段取りもむなしく、目の前の次女の笑顔に誘われるまま、私は今日も絵本を読み続けてしまうのだった。

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『はるをさがしに』

作/亀岡 亜希子
定価/1650円(税込)
対象/3歳から
文溪堂
2004年2月発行

 


子どもの頃、私が一番好きだった絵本は『スイミー』だ。
ストーリーはもちろん好きだったが、私が特に気に入っていたのは挿絵だ。

スイミーの挿絵は本当に美しいと思う。全体的に淡い水彩画のタッチで優しい雰囲気。
そしてとにかく色鮮やかだ。透明感たっぷりの色づかいで、まるで海の中にいるような気分になる。
当時の私はこの絵本を眺めながら、水の中から見える景色はこんな感じなのだろうかと思いを馳せていたものだ。

このように挿絵が美しい絵本には時々出会うものだが、『はるをさがしに』も、まさにそんな作品だ。

春待ち遠しい山の中、オコジョのタッチィには楽しみが一つありました。なかよしのくまさんが冬眠からさめることです。タッチィは早くくまさんに起きてほしくて、春をさがす旅に出ます。

主人公の白いオコジョ「タッチィ」が、冬眠中の友達クマのために春を探しに列車に乗り、旅をするストーリーだ。雪が溶け、花が咲き……と、冬から春に移ろいで行くにつれ、挿絵がどんどんカラフルになり、花の描写が多くなっていく。

色鉛筆で書かれたようなふんわりとしたタッチの挿絵の中に、一体どれだけの花が咲いているのだろうか。ページいっぱいのお花畑はまさに春爛漫の美しさだ。

子ども達以上に、私がこの絵本を気に入ってしまった。

今年の冬は暖冬と言われているが、それでも冬は寒い。東北の冬生まれにも関わらず、寒いのが苦手な私は毎年春を心待ちにしているが、今年は『はるをさがしに』のおかげで、少しだけ早く春を感じられそうだ。

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『はらぺこあおむし』

作/エリック・カール
訳/もり ひさし
定価/1320円(税込)
対象/4歳から
偕成社
1976年5月発行

 


赤ちゃんの頃の長女が好きだったものを、生後5ヶ月の次女も気にいることがよくある。
赤ちゃんが好きなものは共通なのか、または姉妹だからなのか。

ウサギ型のガラガラ、キリンのぬいぐるみ、アンパンマンの歯固め、クマ柄の赤ちゃん毛布……。絵本なら『はらぺこあおむし』だ。

小さなあおむしは、もりもりと食べつづけて美しい蝶になった。数や曜日の認識をおりこみ、穴あきのしかけをこらした斬新な絵本。

『はらぺこあおむし』は、子どものいる人ならば知らない人はいないだろう。なんと2019年で英語版が50周年だったそうだ。
作者エリック・カール氏が「色の魔術師」という異名を持つだけあって、昔からある絵本にもかかわらず、色彩豊かなタッチの挿絵には古めかしい印象が一切ない。
ストーリーもとてもいい。あおむしが蝶になっていく過程は、まさに子どもの成長そのものだ。

我が家には小さいサイズのハードカバーがあるが、2人ともこの絵本が大好きだ。かなりボロボロになってしまっているが、いつも長女は絵本に出てくるお菓子を作ってくれと騒ぎ、次女は挿絵の穴ぼこに指を突っ込んで遊んでいる。

良いものはいつの時代においても良い。

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『どんないろがすき』

絵/100%ORANGE
定価/770円(税込)
対象/0歳から
フレーベル館
2016年4月発行

 


「どんないろ~がすき? あか!……」

子どもが生まれてから気づいたのだが、童謡のレパートリーってそんなに多くない。
「いぬのおまわりさん」や「シャボン玉」など、自分が子どもの頃に歌った記憶のある童謡なら何とかなるのだが、長女が保育園で覚えてくる童謡が全然分からない。

しかし、長女に「ママも歌って!」と怒られるので、保育園の先生に歌の題名を教えてもらい、YouTubeで聴いて覚えている。そうしてみると、世の中には実にたくさんの童謡があるのだと知った。

その中の一つに、『どんないろがすき』という歌がある。
これは、長女が1歳の頃に保育園で覚えた歌だった。のちに絵本もあると知り、早速読んでみる。長女はとても喜んで、絵本を持ったままアイドル歌手のように歌いながら踊っている。
赤、青、黄、緑のクレヨンで描かれた動物や乗り物がたくさん出てくる、とてもにぎやかな絵本だ。

人気の童謡「どんないろがすき」が絵本になりました。登場する子どもたちが、好きな色のクレヨンでさまざまな絵を描いていきます。童謡の歌詞にそって展開していくので、リズムにのりながら歌って、読み聞かせをすることができます。はっきりした鮮やかな色のイラストで、見ているだけでも楽しい気分に! ここちよいリズムに、子どももおとなもリラックス。いっしょに楽しめること間違いなしのうた絵本です。

しかし、私には一つ困ったことが起こった。

「いろ いろ いろ いろ いろんないろがある」
「どんないろがすき? ぜんぶ!」

子どもができてから、どうにも涙もろくなってしまった私。どういうわけか、この歌詞のところで涙が出てしまうのだ。どうしても「それぞれの個性(色)があっていいんだよ、どんな色の子も大好きだよ」と言っているように感じてしまいもうダメなのである。自分でもなぜこんなに感動するのか分からないが、泣きそうになるのを毎回こらえて歌っている。

今日も、絵本を読みながら泣きそうになっている母を尻目に、当の長女はソファーの上で変顔をしながらダンスを踊りだした。母の感動なんて彼女の前ではあっという間に消え去っていく。

でも、そんな彼女の「色」を、私は本当に愛してやまないのである。

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『こんとあき』

作/林 明子
定価/1430円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1989年6月30日発行

 


私は読書が趣味である。

時間を忘れ、本の世界にどっぷり浸かるあの瞬間が大好きだ。
気が付くと外が暗くなっていた、なんてこともよくあった。東京で暮らすことになった時に持ってくることが出来なかった本たちが、今でも実家の倉庫にたくさん眠っている。

嬉しいことに、最近3歳の長女も私と同じ「本好き」に違いないと思う出来事があった。
それは『こんとあき』を読んだときのことである。

こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、何度も大変なめにあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか? 互いがかけがえのない存在であるこんとあきの冒険の物語。

とても有名な絵本なのでご存知の方も多いだろう。1989年発行で、私が3歳の頃にすでにあった絵本だ。きつねのぬいぐるみ「こん」と、小さな女の子「あき」が、列車に乗っておばあちゃんの家まで行くという話。途中いくつかのトラブルに巻き込まれても、2人は力を合わせて乗り越えていく。小さな子どもにとってはまさに大冒険だ。

いつものように長女を膝に座らせ、『こんとあき』を読む。最近の彼女は、4~5ページくらい読むと勝手に立ち上がりうろうろしてしまうのだが、今回は違った。
長女は『こんとあき』から全く目を離さない。一言も発さず身じろぎもせず、まさに固唾を飲んで絵本に集中している。
あまりにも静かに聞いているので「大丈夫?」と聞いてしまったほどだ。もちろん返事はない。

もしかして、本に引き込まれて夢中になるあの感じを、長女も味わっているのではないか。
長女は今、絵本の世界に行っている。「こん」と「あき」と一緒に列車に乗って、冒険の真っ最中なのだ。ならば長女の冒険の邪魔をしてはいけない。私はそのまま臨場感たっぷりに読み続けた。

読み終えた時、長女は我に返ったように私を見上げた。ほっぺたが真っ赤だ。
「面白かった?」と聞くと、真顔でこくんと頷いた。

外見も性格も主人によく似ている長女。だが、主人はあまり本好きではない。
初めて私に似た部分を見せてくれたようで、踊りだしたくなるくらい嬉しかった。

いつか長女と一緒に読書ができたらどんなに幸せだろう。明るく陽が差したリビングのソファーで、飲み物とお菓子片手に読書をする。その隣で別の本を読む成長した長女……。
長女の本好きの資質を垣間見せてくれた『こんとあき』に感謝しつつ、そんな妄想をせずにはいられない母であった。

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『りんごかもしれない』

作/ヨシタケ シンスケ
定価/1540円(税込)
対象/幼児から
ブロンズ新社
2013年4月発行

 


「なんでママはママなの?」
「なんでワンワンはワンワンなの?」

もうすぐ3歳の長女は今「なんでなんで期」真っ最中である。
あらゆるものに対して疑問が湧き上がるようで、私は日に何十回と質問攻めに遭っている。

最近、そんな彼女にぴったりの絵本を購入した。
ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』だ。

テーブルの上にりんごがおいてあった。……でも、……もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない。もしかしたら、大きなサクランボのいちぶかもしれないし、心があるのかもしれない。実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない……「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。

りんご一つでここまで思いつくのかと、子どものとんでもない想像力にびっくりする。加えて、とぼけた感じのヨシタケシンスケさんの絵が、ページの隅から隅までぎっしり詰まっているので、どこを見ても楽しくなってしまう。

しかし、ここで一つ想定外なことがあった。長女は絵本を気に入ってくれたのだが、「なんでなんで?」が今まで以上に加速してしまったのだ。

「このりんご、本当は〇〇かもしれない……」と読めばすかさず、「なんで?!」が飛んできて全く進まない。
文字数はそれほど多くない絵本なのに、読み終わるまで20分はかかっていると思う。

だがこの絵本を読んで、子どもは大人が思っている以上に、いつもたくさんの疑問の渦の中にいるのだと知った。
まだ言葉もつたない娘にとっては、その疑問を言葉に表すのだって成長の証なのだ。

ヨシタケシンスケさんはあるインタビュー記事の中で、「自分が子どもの頃に感じたり悩んでいたことを、絵本にたくさん詰め込みたい」と語っていた。

「なんでなんで?」にはちょっとウンザリしているのが本音だが、長女がなんでと思ったことを大切にしてあげたいとも思う。

仕方ない、とことん付き合ってやるしかないようだ。

うーん、やっぱり毎日は疲れるかもしれない。でも、それもまた幸せなのかもしれない。

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『みーんな ねちゃった?』

作/オードレイ・プシエ
訳/ふしみ みさを
定価/本体1540円(税込)
対象/赤ちゃんから
BL出版
2019年10月25日発行

 


「まま、起きてる? あのねー今日ねー……」

もうすぐ3歳の長女の寝かしつけは長い。時には2時間以上かかる日もある。
布団に入って部屋を真っ暗にしても、あれこれ話しかけてきて寝る気配が全くない。最終的には私が先に寝入ってしまい、帰ってきた夫に起こされる始末である。

幼児を育てる親なら誰もが経験する「寝かしつけあるある」なのだが、最近寝かしつけにぴったりのこんな絵本を見つけた。
『みーんな ねちゃった?』という絵本である。

こどもとママが、ねるしたくをしています。「ひよこたちも はみがきした?」と、こどもがきくと、ママがこたえます。「ええ、ちゃんとくちばしまでみがいたわよ」。こどもの質問はどんどん続きます。ママはどんなふうに答えていくのでしょう? ユーモラスでかわいらしい、フランスのおやすみ絵本です。

ベッドに入った男の子。しかし眠くないのか、ママにたくさんの質問をしている。
「お花もはみがきする? お月さまはねないの?」
親子の夜時間がとても微笑ましい一冊だ。

何より、ママの質問の答えがとても素敵だ。私だったら「もう寝なさい!」と言ってしまいそうなところだが、この絵本のママは根気よく、それでいて愛情たっぷりに答えていく。私もこんなママに寝かしつけしてもらいたい。

でも、現実のママは夜だって忙しいのである。
子どもが寝たあとも、家事や仕事が残っているのだ。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと思うと、子どもを早く寝かせたくなる。

そんな夜にこの絵本を読むと、焦る気持ちが落ち着き、長女のおしゃべりにも付き合ってあげようという気になるから不思議だ。
しかも、ある程度おしゃべりに付き合い、満足してもらった方がすんなり寝ることも分かった。

子どもたちが早く寝付いてくれた夜はとても静かで平和だが、すぐに寝顔を見たくなり何度も寝室を覗いてしまう。

今夜もかわいい姿をたくさん見せてくれてありがとう。
心の中で絵本に感謝の意を示し、また明日も頑張ろうと思えるのだった。

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『どうぞのいす』

作/香山 美子
絵/柿本 幸造
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
ひさかたチャイルド
1981年11月1日発行

 


『どうぞのいす』という絵本をご存知だろうか。

「どうぞのいす」にやってくる動物達が、手持ちの食べ物と交換したりお裾分けしたりしていくお話である。

うさぎさんが作った椅子をめぐって次々に繰りひろげられる取りかえっこ。「どうぞ」にこめられたやさしさが伝わってくるロングセラー絵本。

ほんわかしたタッチの絵柄だが、読み応えはしっかりある方だと思う。動物の絵本が大好きな長女はもちろん気に入ってくれた。

しかし、今回はそれだけではない。絵本を読んでから、長女にとても嬉しい変化があった。

頑固な長女が、お友達に「どうぞ」と言えるようになったのだ。

いつもお友達に「おもちゃを貸して」と言われても絶対渡さず、ワーッと泣いて抵抗する長女。3歳を目前に悩みのタネだった。

ところが、絵本を読んだ次の日から、「どーぞ!」と大きな声で言えるようになったではないか。

私がいくら注意しても言えなかった「どうぞ」。
単に絵本のウサギの真似をしているだけかもしれないが、この絵本は、どうしても自分の気持ち優先になりやすい3歳にもしっかり響いてくれたのだ。

たとえ真似であっても、優しい気持ちは連鎖して伝わるもの。
彼女のこれからのお友達関係に、良い影響を及ぼしてくれそうなことは間違いない。

つくづく絵本の力を思い知らされた一冊だ。

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