2018.04.14

言葉と世界がつながると子どもの世界が変わる

 

子どもがひらがなに興味を持つようになってくると、「あいうえお」の文字に触れるところからはじまると思います。

言葉を習得して長い時間が経っている大人には普段なかなか意識しづらいことですが、この世界は言葉でできています。あらゆるものに名前がついていて、文字とリンクしています。自分の気持ちを伝えるにも、今聞こえているその音も、やはり文字がなければ表現することができません。

つまり、子どもはどこにいても言葉に触れられるということです。だから、つまらないお勉強で言葉を無理やり習得させる必要はなくて、時期がきたら必要に応じて自然と覚えていくものです。

「あいうえお」からはじまって、やがて世界と言葉がつながった瞬間に、子どもがそれまで見ていた世界がまるで違うものに変わります。そこからは水を得た魚のように言葉の数を増やしていくことが楽しくて仕方ないはずです。そんな世界のトビラを開けるきっかけに、絵本があればうれしいです。

 


『かっきくけっこ』

作/谷川 俊太郎
絵/堀内 誠一
定価/1100円(税込)
対象/赤ちゃんから
くもん出版
2009年6月発行

あいうえおを絵にしたらどうなるの? 声に出して、体で感じる、あいうえお絵本。詩人・谷川俊太郎とデザイナー・堀内誠一が、1972年に幼児と言葉の関わりを真摯にとらえて作った絵本です。シンプルで選びぬかれた文章を、親子で声に出して読んでみてください。いきいきとした絵とともに、イマジネーションがどんどんふくらみます。

 


『あいうえおうた』

文/谷川 俊太郎
絵/降矢 なな
定価/990円(税込)
対象/2歳から
福音館書店
1999年2月10日発行

「あいうえおきろ おえういあさだ おおきなあくび あいうえお」で始まるリズミカルな詩の絵本。50音を巧みに織り込んだ詩とイメージ豊かなエッチングの絵が楽しい。

 


『あいうえおみせ』

作/安野 光雅
定価/990円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2012年1月15日発行

あめや、いしやきいもや、うんそうや……。あいうえお順と、いろは順で、たくさんのお店が並んでいます。今の子どもたちになじみのあるお店やさんから、「え、これお店?」「こんなお店ないよー」というものまで、絵の隅々まで楽しめること、間違いなし。絵本の最後には、「ここに並んでいるものは、どこのお店にあるでしょう?」なんて、遊びのページまでついています。

 


『あいうえおえほん』

作・絵/とだ こうしろう
定価/1980円(税込)
対象/3歳から
戸田デザイン
1982年3月発行

子供たちが、絵、そして平仮名と初めて出会うときの絵本。身近にある道具や動物、虫、やさい、くだもの、からだ、乗り物。それらのカタチの美しさを表現するため、シンプルに研ぎ澄まされた輪郭線。配色の美しさを追求した色彩。そして、平仮名という文字そのもののデザインが持つ美しさを教えてくれます。

 


『ぐりとぐらのあいうえお』

作/なかがわ りえこ
絵/やまわき ゆりこ
定価/660円(税込)
対象/3歳から
福音館書店
2002年2月1日発行

「あさいもほりうでまくりえんやらやっとおおきなおいも」「なんとまあにんじんぬいたらねっこのひげがのびほうだい」……こんなふうに、「あいうえお」から「ん」まで、5音を文頭においた楽しい言葉遊びの絵本ができました。リズミカルで、選び抜かれた言葉と、ぐりとぐらをはじめ、おなじみの森の動物たちが登場する、文句なしに楽しく愛らしい「あいうえお」の絵本です。

 


『あいうえあそびえほん』

文/石津 ちひろ
絵/荒井 良二
定価/1100円(税込)
対象/3歳から
のら書店
2011年9月発行

「あいうえ おおかみ もりのなか」「かきくけ こうもり ねむるあさ」……。リズミカルでゆかいなことばあそび絵本。ユーモアいっぱいの絵で、ことばさがしあそびができます。

 


『あいうえお』

作/五味 太郎
定価/1430円(税込)
対象/幼児から
絵本館
1992年11月発行

この“あいうえお”はとにかく楽しいのでお父さんお母さんよりも子どもの方が先に覚えてしまう事うけあいです。

 


『ノラネコぐんだん あいうえお』

作/工藤 ノリコ
定価/1210円(税込)
対象/幼児から
白泉社
2017年4月発行

緻密に描かれたにぎやかな絵を指さしながら、たくさんの言葉が覚えられます。「つまみぐい」「ほっかむり」などユニークな言葉も満載。ひらがな&カタカナ表付き。

 


『あいうえおうさま』

作/寺村 輝夫
絵/和歌山 静子
定価/1320円(税込)
対象/幼児から
理論社
1979年1月発行

あいうえおうさま,あさの あいさつ。あくびを あんぐり,ああおはよう。ちいさいひとたちへ,もじとことばのゆかいなえほん。第3回「絵本にっぽん賞」受賞作品。

 


『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』

原案/みね よう
作/さいとう しのぶ 
定価/1980円(税込)
対象/幼児から
リーブル
2001年3月発行

うたって、あそべて、たのしめる、愉快な「たべものあいうえお」。「あ」から「ん」まで、濁音、半濁音も含めて69音すべてが登場。名前の頭文字で「ことばあそび」もできます。

 


『あいうえおのえほん』

文/よこた きよし
絵/いもと ようこ
定価/1870円(税込)
対象/幼児から
金の星社
2004年4月発行

「ありがとう」の「あ」から「ごめんなさい」の「ん」まで、心のこもったことばの世界が広がります。ひらがなを覚えるときに大切な筆順も、お子さんと一緒に指先でなぞってみてください。お母さん、お父さん方が「先生」です。

 


『あいうえおの本』

作/安野 光雅
定価/1650円(税込)
対象/4歳から
福音館書店
1976年2月20日発行

「あ」はあんぱん、「い」はいえ……、左ページにはひらがなが、そして右ページにはその文字で始まるものの絵が、1見開きごとに描かれます。木で組み立てられ、木目まで美しく描かれたひらがなの文字と、どこかなつかしい日本の伝統的な形の絵がみごとに結びつきます。さらに、ページのまわりには文字に関連した飾りも描かれ、その中にも絵が隠れています。字を覚えるためではなく、ことばの美しさを感じることのできる1冊です。

 


『あいうえおのえほん』

文/内田 麟太郎
絵/西村 繁男
定価/1430円(税込)
対象/4、5歳から
童心社
2012年10月4日発行

「あまがえる あめより あめの あまやどり」「しかめっつらの しかいに ししも したむく」。あいうえおの順に現れる奇想天外なシーンの数々。けれど絵を見れば思わず納得。リズミカルな言葉遊びに導かれて、しまいには声を出して笑ってしまいます。言葉の入り口に立った子どもたちがくり返し楽しめる1冊。

 


『あいうえおおきなだいふくだ』

作・絵/たるいし まこ
定価/1320円(税込)
対象/5、6歳から
福音館書店
2011年2月10日発行

「あんこがいっぱいおおきなだいふく、いきなりどーんともりのなか……」。「あ」から始まって「ん」まで、50音順につづく文章でつづったのは、だいふくと、うさぎをめぐる珍騒動。突如あらわれた大きなだいふくと、それを手に入れたい動物たちが、ナンセンスなどたばたを繰り広げます。ことばの広がりを楽しみながらあじわえる、この愉快な「あいうえお歌」は、ひらがなをおぼえはじめた子どもたちにぴったりです。

 


『ひらがなだいぼうけん』

作/宮下 すずか
絵/みやざき ひろかず
定価/1320円(税込)
対象/小学低学年から
偕成社
2008年10月発行

本のなかの文字たちが、夜の間どうしているかしっていますか? 本から飛び出した文字たちの冒険を、笑いながら楽しめる物語です。

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