子どもはいつも疑問がいっぱい 『りんごかもしれない』


「なんでママはママなの?」
「なんでワンワンはワンワンなの?」

もうすぐ3歳の長女は今「なんでなんで期」真っ最中である。
あらゆるものに対して疑問が湧き上がるようで、私は日に何十回と質問攻めに遭っている。

最近、そんな彼女にぴったりの絵本を購入した。
ヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』だ。

テーブルの上にりんごがおいてあった。……でも、……もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない。もしかしたら、大きなサクランボのいちぶかもしれないし、心があるのかもしれない。実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない……「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。

りんご一つでここまで思いつくのかと、子どものとんでもない想像力にびっくりする。加えて、とぼけた感じのヨシタケシンスケさんの絵が、ページの隅から隅までぎっしり詰まっているので、どこを見ても楽しくなってしまう。

しかし、ここで一つ想定外なことがあった。長女は絵本を気に入ってくれたのだが、「なんでなんで?」が今まで以上に加速してしまったのだ。

「このりんご、本当は〇〇かもしれない……」と読めばすかさず、「なんで?!」が飛んできて全く進まない。
文字数はそれほど多くない絵本なのに、読み終わるまで20分はかかっていると思う。

だがこの絵本を読んで、子どもは大人が思っている以上に、いつもたくさんの疑問の渦の中にいるのだと知った。
まだ言葉もつたない娘にとっては、その疑問を言葉に表すのだって成長の証なのだ。

ヨシタケシンスケさんはあるインタビュー記事の中で、「自分が子どもの頃に感じたり悩んでいたことを、絵本にたくさん詰め込みたい」と語っていた。

「なんでなんで?」にはちょっとウンザリしているのが本音だが、長女がなんでと思ったことを大切にしてあげたいとも思う。

仕方ない、とことん付き合ってやるしかないようだ。

うーん、やっぱり毎日は疲れるかもしれない。でも、それもまた幸せなのかもしれない。

『りんごかもしれない』

作/ヨシタケ シンスケ
ブロンズ新社
定価/本体1400円+税
ページ数/32ページ
2013年4月発行