編集長の読書感想文 『わたしが正義について語るなら』

『わたしが正義について語るなら』

著/やなせ たかし
定価/858円(税込)
対象/中学生から
ポプラ社
2013年11月発行

 


『それいけ! アンパンマン』

作・絵/やなせ たかし
定価/968円(税込)
対象/4歳から
フレーベル館
1975年11月発行

 


正義の味方というけれど、本当の正義とはいったい何だろう? 我々が本当にスーパーマンに助けてもらいたいのは、たとえば、失恋して死にそうな時、おなかがすいてたおれそうな時、あるいは旅先でお金がなくなった時、その他いろいろあるわけで、そういう細かいところに気がつく優しいスーパーマンがいてほしいのです。

アンパンマンを人気者にしたのは園児たちです。
1975年に出版された絵本『それいけ! アンパンマン』は最初、おなかをすかせた人を助ける設定が子どもには難しいとか、顔を食べさせるなんて残酷とか、大人には全然受け入れられなかったそうです。

でも、子どもはこの絵本のおもしろさに気がつきました。
ある幼稚園の棚で、ボロボロになるまで読まれた「アンパンマン」をみて、ようやく大人はその考えを改めたといいます。

自分の哲学を語れる作家は強いです。
その信念を信じてこれを絵本にしたフレーベル館の編集者もすごいです。この本を読んだ後、改めて「アンパンマン」を読んでみると、もっと心が豊かになると思います。

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