1960japan

現代絵本の幕開け 1960年代に出版された日本の創作絵本10選


福音館書店が月刊絵本「こどものとも」を創刊したのが1956年。ここから一気に日本の創作絵本が盛り上がっていきました。
それまで日本には「絵本作家」という職業は確立されたものではなくて、だからこそ保母さんだった中川李枝子さんや、研究所に勤務しながら子どもたちを相手に紙芝居などの活動をしていた加古里子さんなど、いろいろな場所から才能が集結した時代でもありました。
当時の子どもたちを魅了した絵本は、今でも読み継がれているものも多く、懐かしいけれど色あせない名作がたくさんあります。

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『ももたろう』

文/松井直
絵/赤羽末吉
福音館書店 1965年発行

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきた。桃をもちかえって切ろうとしたら、桃からかわいい男の子が生まれた。「桃太郎」と名付けられた男の子は、どんどん大きくなり立派に成長する。ある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、退治にでかける。力強い絵とともに、真の昔話の面白さが味わえる。

『ないたあかおに』

文/浜田廣介
絵/池田龍雄
偕成社 1965年発行

村人と仲良くしたい赤おにと、その願いをかなえてやろうと、自分が悪者になる青おに。おに同士の友情を感動的に描く。

『かばくん』

文/岸田衿子
絵/中谷千代子
福音館書店 1966年発行

動物園に朝が来た。寝坊助のかばくん親子のところに、かめくんを連れた飼育係の男の子がやってくる。「おきてくれかばくん」。日曜日の動物園は大にぎわい。水からあがったがかばくんが姿を現すと、動物園に来ていた子どもたちはびっくり。シンプルで詩的な文と油絵が、大きくてユーモラスなかばの姿を生き生きと描く。

『しょうぼうじどうしゃじぷた』

絵/渡辺茂男
絵/山本忠敬
福音館書店 1966年発行

高いビルにはしごを伸ばして火を消す、はしご車ののっぽくん。たくさんの水で激しい炎を消せる高圧車のばんぷくん。けが人を運んで助ける救急車のいちもくさん。大きくて立派な働きをするみんなは、いつも小さな消防自動車じぷたを「ちびっこ」扱いしていた。でも、道がせまい山の中で火事が。そのとき、出動を命じられたのはじぷただった。

『ぐるんぱのようちえん』

文/西内ミナミ
絵/堀内誠一
福音館書店 1966年発行

ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞう。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働くが、作るものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子だくさんのお母さんに子どもたちの世話を頼まれた。ぐるんぱが作ったのは、大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる幼稚園だった。

『ぐりとぐら』

文/ 中川李枝子
絵/山脇百合子
福音館書店 1967年発行

お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけた。目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えた末、カステラを作ることに。でも、卵が大きくて運べない。そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにした。カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちが集まってくる……。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』

文・絵/加古里子
福音館書店 1967年発行

だるまちゃんは友だちのてんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがる。てんぐのうちわや素敵な履物、しまいには鼻まで。お父さんのだるまどんは思いつく限りの物を集めてくるが、だるまちゃんのお気に入りはいつも意外なところに……。ユーモアあふれる物語と楽しいものづくしの絵本。

『いないいないばあ』

文/松谷みよ子
絵/瀬川康男
童心社 1967年発行

「赤ちゃんだからこそ美しい日本語と最高の絵を」の想いから、日本初の本格的な赤ちゃん絵本として誕生して半世紀。はじめて出会う一冊として、世代を越えて読みつがれている。いないいない、ばあ。にゃあにゃが、くまちゃんが、ほらね、いないいない……。親子の伝承遊びを絵本に再創造した作品。

『11ぴきのねこ』

文・絵/馬場のぼる
こぐま社 1967年発行

11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていく。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにするが……。あっと驚くどんでん返しが大人気。

『わたしのワンピース』

文・絵/にしまきかやこ
こぐま社 1969年発行

空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作った。それを着てお花畑を通るとワンピースは花模様に、雨が降ると水玉模様に……次々と柄が変わっていく。