日隈みさきさんとの絵本づくり vol.2


実際に親子が触れ合うシーンを想像して

「なでて」という声掛けで、赤ちゃんがどれくらい反応してくれるかを検討していたとき、手に取った絵本『くだもの』(さく/平山和子 福音館書店)の見開きに「これだ!」という答えがありました。

『くだもの』では、まるで本物と見間違うような美しいりんごが描いてあって、ページをめくると「さあ どうぞ。」の声掛けとともに、カットされたりんごを差し出されます。ポイントは、その「さあ どうぞ。」に描き添えられた「手」です。手があることで、赤ちゃんも思わず自分の手を伸ばします。見開きにカットされたすいかの静物画では、おそらくこういうコミュニケーションは生まれないんですよね。

それに気が付いて、今作の見開きにも手を入れてみたら、「なでて」の声掛けが、とたんに活き活きと聞こえてきます。絵本の中の動物たちとコミュニケーションできるようになりました。

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▲導入は身近なねこが登場(スケッチ)。正面性を意識した構図と耳ざわりのいい言葉で惹きつける

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▲赤ちゃんの手を描き添えたことで反応しやすく。位置や大きさを検討しながらスケッチを繰り返す

絵本の仮タイトルは『なでて なでて』です。仮とはいえ、ほとんど確定です。それは、この絵本を通じて実現したいことが「実際に親子が触れ合うきっかけをつくる」ことだから。単にいろんな動物の感触が楽しい絵本なら、例えば『ふわふわ』といったタイトルでも良いんですよね。

でも、今作のゴールはもっと先にある親子の触れ合いです。ページをめくったときの親子のシーンを想像しながら、そこにたどり着くように作品を磨いているところです。

今作は、閉じた後が「山場」ともいえますよ。

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